この道 : 国道151号線
国道151号線は、長野県飯田市を起点として終点愛知県豊橋市に至る全長136.7kmの道だ。151号線が結ぶ長野県伊那地方と愛知県三河地方の間には古くから人や物の流れがあった。これに静岡県遠州地方を加えて、三遠南信地域と呼ぶ。より正確を期すのなら、南信=南信州(諏訪より南に広がる伊那谷)と東三河(愛知県の蒲郡市以東)と静岡県遠州地方の天竜川流域以西あたりの地域を指す。 |
三遠南信地区を結ぶ既存国道網には、どうしても貧弱なイメージが付きまとう。そこで計画されたと思しき道路事業が、三遠南信自動車道計画。高速道路計画のご多分に漏れず、先行き不透明感の漂う事業だ。 |
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1号線から枝分かれしてしばらくの間、小坂井町内から豊川市へと走っていく区間の151号線は片側2〜3斜線の高規格道路だ。その意図するところは明確で、東名高速道路豊川ICと国道1号線、及び23号線を行き来する車を流そうとしているのである。それが証拠に151号線は、豊川ICを越えて北に数百mも進むと片側1斜線対面通行の道に化ける。豊川ICに差し掛かるまでの沿道には飲食店を中心に色々な店が建ち並んでいる。典型的な地方都市のIC接続道路といった雰囲気だ。 |
対外的には砥鹿神社よりも豊川市内にある豊川稲荷の方が有名だろう。東京の豊川稲荷の本社で、日本三大稲荷の一つ。151号線からも近い。 |
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一宮町の北隣は新城市だ。一宮町との境界付近は田園地帯となっているが、少し進むと再び新城市の市街地に入る。新城市内の151号線は、一昔前までは中心部の古い市街地を横切っていたが、近年になって郊外地を抜けるバイパスが整備され、そちらが本線となったようだ。沿道に住宅は目立たず、比較的規模の大きな店舗が多い。整備された道と相まって、どことなく人工的な雰囲気の車窓風景である。 |
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長篠から先の道は、豊川の流れによって形成された渓谷伝いに延びている。信仰の山・鳳来寺山や湯屋の温泉郷を左手に見ながら進路を北寄りに変えていく。路面の十数m下を川が流れていくような場所だが、道はそれほど悪くないので転落などの心配はさほどないだろう。 |
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東栄町域に入ってもしばらくの間は、あいかわらず林間の道を突き進むことになる。しかし、新本郷・駒久保の2つのトンネルを抜けると、盆地に発達した東栄町の中心市街に差し掛かる。緩いスロープを下っていく途中で右前方に見えてくる街並みは、まるで箱庭のようだ。151号線は市街地の西側の縁を延びている。 |
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東栄町の隣は北設楽郡豊根村。愛知県の北の外れに位置する村だ。すでに東栄町内からそうだったが、ここまで来ると人家もまばらになってくる。151号線沿いには何軒か民家や商店が建っているが、集落といえるほど規模の大きな人家の集まりはほとんどない。左も右もひたすら森林が続くような場所である。役場や学校などの施設が集中しているのは、151号線から少し外れた山間部のようである。 |
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豊根村の北部まで進むと、路面からセンターラインが消滅してしまう。まるで林道のようだ。ここから新野峠をはさんで長野県下伊那郡阿南町の中心部に入るまで、ずっとこのような調子が続く。対向車とのすれ違いをするためにはちょっと身構えなければならないような狭路だし、ヘアピンカーブが連続するため見通しもよくない。この区間を酷道と呼ぶことに疑問をさしはさむ余地はない。幸い、交通量はほとんどない。どうも151号線を通って長野県と愛知県を行き来する車は多くなさそうな雰囲気である。お世辞にも走りやすい道とはいい難いためだとしたら皮肉なものだが、この道が南信と三河を結ぶ主要路線の一つに位置付けられていることを考えると、少々頼りない。 |
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阿南町には典型的な農村風景が広がっている。豊根から続く鬱蒼とした林間の酷道区間を走ってくると、視界が急に開けるので俄かに開放的な気分になる。町の中心あたりまで行くとセンターラインも復活するが、阿南町のそのまた先、下條村に入る直前までの山岳路区間もなかなか走りづらい道となっているので、油断は禁物だ。ループ橋で高度を稼いだり、見通しの悪いヘアピンカーブが連続したり、神経をすり減らす道行である。 |
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阿南町の中心部こそかなり開けているようだったが、そこを抜けて下條村に入ってからしばらくの間は、再び道沿いから人家が少なくなる。151号線は谷に面した山腹の高い位置を走っているのだが、集落はその谷底近くに発達しているらしい。下條村では率直に言って単調な沿道の風景の中でも、観光協会の「ようこそ下條村へ 峰竜太のふるさとです」というPR看板が強く印象に残る。 |
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飯田市の名産品・りんごにちなんだ「アップルロード」というかわいらしい愛称を付けられた国道153号線と交差し、151号線はJR飯田駅の方を指して進んでいく。古くからの飯田市街は、駅を中心にして発達したものらしい。盆地に発達した長野の街らしく、この中心部というのが結構な傾斜地上に立地している。平日昼間に訪問したため人出はそれほどでもなかったが、時間帯次第ではかなり賑やかそうな街だ。 |
ロケ地:道の駅「豊根 グリーンポート宮嶋」 |
今回使用した車 ミラ(排気量:660cc) 国道151号線総括 阿南町〜東栄町あたりの山岳区間が長いのだが、林の中を走っている時間が長くどうしても景観が単調になるし、走りやすい道でもないのでドライブコースにはあまり向かないかもしれない。 純粋な移動路としての利用も、この区間がネックになるか。 上り坂が多いので軽のスペックでは結構苦しい箇所もある。 |