この道 : 国道302号線
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 国道302号線の起点は、名古屋市中川区にある1号線との交点、かの里交差点だ。終点も同じかの里交差点。勘の良い人ならもうわかるかもしれないが、名古屋市の周囲をとりまく環状線である。ただし未だに全通を見ていない路線であり、名古屋市の天白区から南区までが不通区間になっている。また、東海市から海部郡飛島(とびしま)村までの区間は伊勢湾岸自動車道との共用状態となっているようだ。具体的には東海ICから飛島ICまでが、その共用区間にあたる。もちろんタダ乗りできるはずもなく、この高架道路に乗ってしまえばキッチリ利用料金を取られるため、これを一般国道としてしまっても良いものなのかどうか、首を傾げたくなるのも事実。
 件のかの里交差点近辺の1号線は、2005年3月時点では高架化工事が行われている。完成すれば、302号線は一方的に跨れる形で交差するようになり、側道によって1号線との上り下りを行うようになるのだろうか。近辺の1号線はもともと幅員の狭い道だったこともあり、ついでにその工事も行っているらしく、どうも落ち着きがない。
 中川区は名古屋市内16区の中でも広い部類に入る区だが、基本的には郊外区としての性格が強いだろう。302号線起点近くも、新興地らしくかなり殺風景だ。むしろ、302号線を基本にして、これから界隈の街づくりが始まろうとしている段階に見える。




 起点も終点も同じ場所なのだが、終点についてはアピールされない。
 スタートから4kmほど進むと、進路の頭上を高架道路が塞いでくる。この高架道路は、東名高速道路・名古屋ICからはじまる東名阪自動車道だ。この先の302号線は、名古屋IC近くまで名古屋市と周辺市町の境界付近を東名阪自動車道と同道していくことになる。逆に302号線の頭上を東名阪道が走っていると考えれば、東名阪道が名古屋の市街地を避けるために著しく屈曲し、大きく迂回するコースを取っていることがわかる。ちなみに迂回路・東名阪道に対する直進路は、名古屋都市高速東山線から万場線へと抜けるコースとほぼ一致する。
 ロードマップ他、名古屋市内を表した地図を見ていて302号線の影が薄いと感じるのは、東名阪道の存在感の方が圧倒的だからなのだろう。文字通りの日陰道なのである。もちろん景色はよくないし、あまり景気の良い道ではない。




 スタート地点にあるキロポスト。この路線のものは、路線番号と起点からの距離の他に、環状線の中でどの地点まできたかを示す図もついている。

 (中略 および 未通区間)

 名港トリトンを渡り、伊勢湾岸自動車道の飛島ICを降りたあたりは、海部郡飛島村だ。読み方は「とびしまむら」である。「あすかむら」と勘違いされることが非常に多いので、念のため。
 工場などが目に付き、いかにも臨海地区然としている。生活臭がないという意味では起点付近と似たようなものだが、それとはまた違った性格の殺風景さがある。国道を行き交う車にも大型のトラックが目に付く。
 1号線先んじて立体交差化が完了している23号線の下をくぐり、日光川を渡ったところで再び名古屋市中川区に戻る。もちろん飛島村の続きで、名古屋市内とは言え郊外地なので人通りは少ない。道沿いにショッピングセンター・ジャスコを見、道沿いに少しずつ人々の生活臭が戻ってきたのを感じつつ進んでいると、間もなくかの里の交差点に帰り着き、見覚えのあるあの殺風景の中へと還る。



 形式上は302号線の一部、名港トリトン。西から、赤、白、青の橋が架かっている。






今回使用した車


国道362号線総括


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