この道 : 国道41号線
【川辺町まで】




 国道41号線の起点は名古屋市東区にある高岳交差点だ。ここは19号線との交点になっている。そして、終点・富山市まで252.1kmの道のりが続くのである。
 経路上には国宝4城の一つである犬山城、日本三名湯の一つである下呂温泉、飛騨の小京都高山市などがある。鉱山の町・神岡も面白いかもしれない。観光名所は多い。車内の時間が若干冗長になるのを我慢できる人ならば、ドライブがてら各スポットをたどって見るのも良い。特に高山は、飛騨牛、高山ラーメンに朴葉味噌、みたらし団子に五平餅、季節ものではブリなど、食道楽にはたまらない街である。
 山国である飛騨で海の幸・ブリを食べられるというのは不思議な感じであるが、高山より北の41号線は、古くから原形が出来上がっていて、富山湾で取れた氷見の寒ブリはこの道を通って高山にまでもたらされたのである。そのため、古くはこの道を「ブリ街道」と言った。ブリ街道を下ってきた寒ブリは、野麦峠を越えて松本のほうに運ばれる前に一旦高山へ集められる。そのため、高山ではブリを美味く食べるための様々な料理法が磨かれていったと言うことだ。なお、現在でも安房峠を越えて高山に入り、41号線を北上するルート(あるいはその逆のルート)が松本地方と富山方面を結ぶ主要ルートとなっている。
 最近では田中耕一氏、利根川進氏、小柴昌俊氏、白川英樹氏の4人のノーベル賞受賞者が41号線沿道の自治体出身だったことにちなみ「ノーベル街道」の名で売り出しをかけているようだが、行政主導の動きらしく、果たして何処まで定着するか。ブリ街道というだけで十分魅力的だと思うのだが。



 起点にあるキロポストには「富山まで251km」とある。一方、キャプション中で「252.1km」としているのは、道路時刻表からの数字。「この道」で紹介している国道の起終点、総延長はいずれも道路時刻表から。
 スタート直後から東名高速道路の終点・名神高速道路の起点である小牧ICまでは、一直線に北上する。ほとんど曲がることのない、文字通り一直線に伸びた道だ。頭上は名古屋都市高速の高架によって塞がれており、この状態も小牧ICまでずっと続く。名古屋市内では道沿いに高層マンションが多く、かなり閉鎖的な空間を走っているような錯覚に陥る。頭上が開けるのは庄内川を渡るときだけだ。
 西春日井郡豊山町、そして小牧と進むに連れてマンションは姿を消し、代わりに店舗が増えてくる。ちょうど空が広くなったあたりで、頭上を盛んに飛行機が飛び交っていることに気付く。すぐ近くに名古屋空港があるためだ。しかしこの名古屋空港も、間もなく常滑沖の伊勢湾に作られた中部国際空港にその役割をバトンタッチしようとしている。
 小牧ICより先は、頭上がいやにすっきりしてしまった感じだ。目立つ建物も少なく、何となく物足りないようでもある。おかしなものだ。




 国道を行き交う車が出す音も相当なもののはずだが、それをさらに上回る飛行機の騒音は凄まじい。が、無くなったら無くなったで、周辺自治体に与える影響は大きそうだ。
 丹羽郡大口町、同扶桑町と通り抜け、犬山市に入る。有名なのは天守閣が国宝に指定されている犬山城だが、これ以外にも世界の猿を集めた犬山モンキーパーク、リトルワールドや明治村などのテーマパークが密集しており、観光にずいぶんと力を入れているようだ。なお、犬山城の望楼式天守は41号線からも小さく見えるが、凝視しなければ見つからないレベルだ。運転しながら探すと事故る恐れすらある。
 犬山市の北東部は丘陵地帯になっている。尾張パークウェイの清水ICを過ぎたあたりからは、雑木林の中を行くような道だ。この丘陵地上を延びる道の途中で岐阜県美濃加茂市に入る。近くには住宅地も発達しているようだが、木立に遮られて国道からでは何も見えない。林の東側はかなり急な下り坂になっていて、坂を下りきったあたりが美濃加茂の市街地だ。



 犬山城の詳細については、お城スコープ参照のこと。
 美濃加茂市街。レストランなど、色々な店がある。ここまで来ると間もなく橋を渡り、木曽川の右岸へ。
 41号線は高架道路化する。まっすぐ進めば美濃加茂の街中をやり過ごして北上するバイパスだ。一方、本道のほうは21号線と重複しながら、街中を通って北隣の加茂郡川辺町に入る。川辺町の町域に入ったあたりから、41号線の左隣にJR高山本線がやってくる。反対の右手側には飛騨川が見える。
 北上を続けるに連れて道は飛騨川の峡谷地帯に入り込んでいくが、その手前までは左手に水田の見えるのどかな風景が広がっている。








ロケ地:未定
今回使用した車
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国道41号線総括
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