実務の友 逸失利益計算機の使用方法

逸失利益計算に必要な資料集
[[ 逸失利益計算機室 ]]
2004.05.30-2013.08
実務の友
[ 逸失利益計算機 ]の使用方法
 交通事故等による人身損害賠償額のうちの逸失利益の算出のためには,法律知識や実務的知識に基づいた算定法を理解し,(1)年収額,(2)就労可能年数,(3)生活費控除率又は労働能力喪失率,(4)中間利息控除の係数値を各乗じて計算することが要求されます。
 そのためには,関連した法情報と必要なデータを利用し,中間利息の控除をした算定法の理解が必要であり,煩雑な計算手続を経なければなりません。中間利息控除の計算一つをとっても(最近ではライプニッツ方式を採用した計算方法によりますが),これまでは,あらかじめ得られた数値表から該当の係数値を拾い出して適用し,電卓を弾いては計算してきました。
 こうした煩瑣な情報処理と計算手続が要求される「逸失利益計算」ですが,これをもっと効率化するため,パソコンを利用して,クリックするだけで「@必要な情報を確認し,A簡単,敏速に計算できる」システムを作成しました。
 これにより,計算自体は極めて簡単に瞬時に行うことができ,先々の見通しを得て問題に取り組むことができると思います。
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 もっとも,これを使用して適切な結果を得るためには,なお,個別具体的な事実の認定を前提にして,最新の法令通達,実務に通じた法情報の適用,これに応じた適正な計算手続が求められます。
 計算結果については,法律専門家等の適切な助言を得て,ご自身の責任と判断で利用することが望まれます。
逸失利益計算機

1 操作方法
  次の手順によって,計算します。
  計算する場合には,最小限,以下の太字部分の項目(計算画面入力欄の黄色部分)の入力が必要です。
  計算機上の入力欄ラベルをクリックすると,説明が現れますので,ご利用ください。
(1) 対象者
ア 現在年齢
  死亡の場合は対象者の死亡時の年齢を,後遺障害の場合は障害時の年齢を入力します。
  年齢の数値を順次変えれば,これに応じて就労可能年限との関係で「就労可能年数」が自動算出され,対応するライプニッツ(ホフマン)係数が自動算出されます。
イ 就労可能年限
  就労可能年限は,一応の基準として67歳とされており,このシステムの標準設定では「67歳」としています。
  就労可能年数は,簡易生命表に基づく平均余命年数を基に,金融庁・国土交通省・平成13年告示第1号「自動車損害賠償責任保険の保険金及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」で示され,概略,55歳未満の者は67歳から被害者の年齢を控除した年数,55歳以上の者については,簡易生命表により求めた平均余命年数の2分の1とされていました。
  この告示は,平成22年に第20回生命表に基づき改訂され,「55歳未満」は「54歳未満」となるなど,年齢区分に応じた平均余命が変更され,これに照応したライプニッツ係数に変更されています。
  この計算機は,その前後の基準に対応し,平成22年4月1日以降かそれ前かを選択して,ライプニッツ係数等が自動計算ができるようにしています。

(2) 基礎収入(平均年収)
  対象者の年収を入力します。「標準設定」を利用すると,大まかな計算をする場合に便利です。
  「標準設定」を利用すると,平成12年以降の年度別賃金センサスによる平均年収額について,年度別,男女別,学歴別の年収額を簡単に入力できます。
(3) 係数選択
ア 係数
  ライプニッツ係数かホフマン係数かを選択します。初期設定は,ライプニッツ係数です。
  ▼ボタンをクリックして,表示されるメニュー中から指定(クリック)します(以下同じ)。
イ 小数点以下の処理
  小数点第何位を四捨五入するか,設定します。初期設定は,小数点第6位四捨五入です。
ウ 年利率の設定
  年利率を設定します。初期設定は,年5%としています。
 【参考】 最高裁三小平成17.6.14判決「損害賠償額の算定に当たり,被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率によらなければならない。」
(4) 生活費控除率又は労働能力喪失率
ア 死亡の場合
  具体的事案に応じて,適宜の「生活費控除率」を設定します。
イ 障害の場合
  具体的事案に応じて,適宜の「労働能力喪失率」を設定します。
(5) 計算実行
  以上の設定で「死亡の場合」又は「障害の場合」のいずれかの「計算」ボタンをクリックすれば,逸失利益の金額が表示されます。
(6) 計算式の表示
  以上の設定に従った計算結果は,「計算式」欄に,計算要素,計算方法を示して表示されます。
  これを範囲指定してコピーし,他のワープロ文書等への貼り付け(コピー&ペースト)が可能です。
(7) 特別な場合の計算方法
 ライプニッツ係数かホフマン係数かを選択します。
 初期設定は,ライプニッツ係数です。
 ▼ボタンをクリックして,表示されるメニュー中から指定(クリック)します(以下同じ)。
 18歳から55歳までの場合には,67歳から現在年齢を引いた年数の係数で計算されます。
 18歳未満の場合には,現在年齢を18歳未満に設定すれば,自動的に,「途中控除の年齢」が18歳になり,就労可能年限まで(18歳から67歳)の係数から18歳まで(現在年齢から18歳)の係数を差し引いた方法で計算をします。
 55歳以上の場合には,就労可能年限は簡易生命表により求めた平均余命年数の2分の1として計算しますが,これに該当する場合,現在年齢を設定すれば,自動的に就労可能年限を修正して計算します。
 就労可能年限までの中途で一定期間控除する場合(例えば,18歳で,大学進学予定のある者等)には,現在年齢(18歳)を設定の上,「途中控除の年齢」(22歳)を設定すれば,同様に,就労可能年限まで(18歳から67歳)の係数から途中控除の年齢まで(18歳から22歳)の係数を差し引いた方法で計算をすることができます。
 就労可能年限の数値は,適宜修正して,計算することができます。

2 留意事項
(1) 動作環境
 このソフトは,WindowsパソコンのIE(インターネット・エクスプローラ)上で動作することを前提にしています。
 IEのバージョンは,4以上であれば動作可能です。
(2) 係数算出の精確性
 計算機上の係数表は,計算式により計算した結果ですが,当然ながら,最高裁判所事務総局編「損害額算定に関する参考資料」(昭和63年法曹会発行)第1表ホフマン係数(年別)の法定利率による単利現価表,法定利率による単利年金現価表,第2表ライプニッツ係数(年別)の法定利率による複利現価表,法定利率による複利年金現価表の数値(年5%の場合)と一致しています。
(3) 計算結果の正確性・妥当性
 この計算機は,あらゆるケースについて対応しているものではありません。また,計算結果について,すべて正確性を保証するものでもありません。小数点以下の処理の仕方(小数点第何位で四捨五入か,切捨てか等)で,計算結果に多少の違いが生じることがあります。
 なお,計算自体は正確であったとしても,その結果ですべて解決されるものではなく,具体的な事例に即して,計算要素の考慮の仕方や程度,利害対立者や判断者の考え方,交渉や裁判の結果等により,現実の適用結果は異なる場合がありますので,ご留意ください。
(4) 著作権
 著作権は,実務の友MYSYSに帰属します。
(5) 使用責任
 目的どおりに機能・動作するように努めておりますが,完全な動作を保証するものではありません。
 また,この計算機の算出結果の利用については,プログラムの製作者・当サイトの管理者は責任を負いかねますので,利用者の責任でご利用ください。