Subject: 英語の文法と語法 059 Date: Sun, 8 Jul 2007 21:00:00 +0900 (JST) From: Chick Tack To: Readers =━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━ ┛┛ ┛┛ 英 語 の 文 法 と 語 法 No.059 20070708 ┛┛ …………………………………………… …………… ……………… ┛┛ Chick Tack http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ┛┛┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 第 59 号 ● ……………… Contents (1)would 4 〜 I would like... 〜 (2)live up to... (3)One swallow does not make a summer. ……………………………………………………………………………………………… (1)would 4 〜 I would like... 〜 ………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・I would like[love; hate; prefer]... 好き嫌いを控えめに述べるときに使う 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) I'd like some advice, please. 「私は、助言をいただきたいのです。お願いします」 (“Practical English Usage 3rd Edition”by Michael Swan would-1) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu would like は、want を使ったものより丁寧な表現になる。would は、仮定 法過去の形をとっている。単純に、現実に反するということではないが、 「できるものなら、希望したい」と伝えているのであろう。直接性が薄れ、 控えめになっている。 話し言葉では通常、I would like... は、I'd like... と短縮して使われる。 (b) I'd love a coffee. 「私はコーヒーを、1ついただきたいの」 (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”would-9) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#oald would love は、女性が好んで使う表現。 a cup of coffee が正式表現。注文するときは、実際 a coffee, two coffees は、よく使われる。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (c) I'd like to apologize for my behaviour yesterday. 「私は、昨日の私の行為について謝罪したいと思います」 (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”like-5) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html “want to不定詞”と同じように、“would like to不定詞”という形になる。 like 単独では、動名詞も目的語にとるが、would like は〔to不定詞〕のみ 目的語とする。 behaviour は、イギリス英語。アメリカ英語では、behavior。behave は〔 動詞〕で「ふるまう」。 (d) I'd hate to think that you ever read it over. 「私は、あなたがそれを何度も読み返すことを考えるのが嫌です」 「あなたがそれを読み返しているなどと、私は考えたくありません」 (“Daddy-Long-Legs” by Jean Webster) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#longlegs it は「恐ろしいくらい下手な手紙」を指している。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (e) He would like us all to be at the meeting. 「彼は、私たち全員に、その会議に出席してもらいたいと思っている」 (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition” 動詞like-5) “want 人 to不定詞”と同じように“would like 人 to不定詞”の形がある。 「人に〜してもらいたいと思っている」 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (f) Claudia would have liked to refuse (=wanted to refuse), but she didn't dare. 「クラウディアは、できれば断りたいと思った。でも、そんな勇気はなかっ た」 (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”would-6) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html 「過去にしたいと思ったができなかった」ことは、“would have liked to 不定詞”。would は、これ以上過去にできないので、like を完了形にする。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (g) I'd rather find a tiger under the bed. 「私はむしろ、ベッドの下にトラを見つけたいのです」 (“Daddy-Long-Legs” by Jean Webster) “would rather 原形不定詞”は、「むしろ……したい」という意味になる。 ジュディ(Judy)のいる寄宿舎は古くて、壁にはツタが張り付いているので、 ムカデが、うようよいる。ムカデよりはトラの方がまし、と「足長おじさん」 への手紙に書いている。 ウソに近い冗談。仮定法の面目躍如(めんぼくやくじょ)。 (h) I'd rather die than go back.「私は帰るよりも、むしろ死にたい」 (“Daddy-Long-Legs” by Jean Webster) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#longlegs “would rather...than 〜”で「〜するよりは、むしろ……したい」。 …… と 〜 の最初の部分は、ともに“原形不定詞”。 ジュディは、「夏休みに帰って、施設の仕事を手伝うように」と言われる。 「施設は嫌いだ」と宣言し、それに続いたのが(g)の言葉。 ……………………………………………………………………………………………… (2)live up to... ………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・live up to... …に応じて生きる、…に従って行動する …に見合う、…を実行する、義務を果たす 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) Children rarely live up to their parents' ideals. 「子供たちは、親の思っている通りに行動してくれることはあまりない」 (“The American Heritage dictionary of Idioms”by Christine Ammer) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdi “up to 〜”には「〜の数や量まで」「〜の程度まで」という意味がある。 その数や量を超えることはない。 live up to their parents' ideals は、「親の理想とする水準まで上がっ てきて、生活する」ということだろう。むしろ「親の希望通りに成長するこ とはまれだ」の訳の方が正しいか。 (b) I knew that I must live up to those sleeves. 「私は、その袖のように、立派にやらなければならないとわかったの」 (“ANNE OF GREEN GABLES”by Lucy Maud Montgomery 第25章) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#green 「何のこと?」と思われるだろう。those sleeves とは、アンの服の「膨ら んだ袖」のこと。「ちょうちん袖」という言い方もあるようだ。前文に、 “my lovely puffed sleeves”とある。 アンはステージに立って、立派に朗読をした。そのときのことを回想して述 べている部分。 must は〔過去形〕がないので、主節が過去形 knew なのにもかかわらず、 must のままとなっている。must と have to の意味の違いについては、第 41号の(1)を参照のこと。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/041-050/egu041.html#1 ……………………………………………………………………………………………… (3)One swallow does not make a summer. ……………………………………………………… (a) One swallow does not make a summer. 「1羽のツバメは夏をつくらない」 →「ツバメが1羽来たからといって、夏が来たとはかぎらない」 (“The AEsop for Children”by AEsop) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#aesop (2)の live up to... の例文を探していて見つけた格言。これがイソッ プのものだったとは知らなかった。「早合点してはいけない」という意味で、 「急いてはことを仕損じる」などの、日本のことわざがこれにあたるか。 アリストテレスの『ニコマコス倫理学(上)』(高田三郎訳・岩波文庫)の 第一巻第七章に、 まことに、一羽の燕が、また或る一朝夕が春をもちきたす のではなく、それと同じように、至福なひと・幸福なひと をつくるものは一朝夕や短時日ではないのである。 とある。季節は違うけれど、多分これはイソップの話を前提にしている。 『イソップ寓話』がまとめられたのは、アリストテレス没後のようだが、イ ソップという人物は、アリストテレスより前の人物だから、その話を伝え聞 いていたのだろう。書き方からして、かなり知られていたと考えられる。 この文はないけれど、『ギリシア哲学への招待状』のニコマコス倫理学前講 http://philos.fc2web.com/aristote/ethica.html ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ イソップの話は、こう。 気前がいいと評判の若者がいた。その評判に合わせるよう に、次々と無駄遣いをして、一文無しになってしまう。 困っていたら、早春にもかかわらず一羽のツバメが、楽し くさえずりながら飛んでいった。若者は、夏が来たと思っ て、薄い夏服を除き、すべての服を売り払ってしまう。 数日後、寒波が戻ってきて、ツバメと若者は凍え死にそう になる。 そして、最後に One swallow does not make a summer. と来るのだ。 ……………………………………………………………………………………………… 参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html ……………… ──────────────────────────────────── □このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/ |
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