Subject: 英語の文法と語法 092 Date: Fri, 18 Jul 2008 16:00:00 +0900 (JST) From: Chick Tack To: Readers =━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━ ┛┛ ┛┛ 英 語 の 文 法 と 語 法 No.092 20080718 ┛┛ …………………………………………… …………… ……………… ┛┛ Chick Tack http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ┛┛┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 第 92 号 ● ……………… Contents (1)話法 〜 直接話法と間接話法 〜 ……………… (2)話法と say, tell (3)take kindly to... (4)前号の訂正 ……………………………………………………………………………………………… (1)話法 〜 直接話法と間接話法 〜 ………………………………………………… 相手に別の人の言葉を伝えるとき、英語には2つの方法がある。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・直接話法・・・言った言葉をそのまま伝える ・間接話法・・・言った言葉を、伝言者の立場で言い直す。 さらに、現在の状況に合った内容に言い換 える。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) Alan said,“You are too young to get married.” 「アランは『君は結婚するには若すぎる』と言った」 〔直接話法〕は、誰かが言った言葉を、そのまま伝えている。(a)では、ア ランは“You are too young to get married.”と言った。 直接話法で書くときには、原則として次のようなやり方がある。 1. 誰が言ったか、言っているかを書く。Alan said など。 2. そのあとにコンマを書く。Alan said, 3. クォーテーション・マークを書く。Alan said,“ または、Alan said,‘ 4. クォーテーション・マークの後ろに、誰かが言った言葉をそのまま書く。 ただし、大文字で始める。Alan said,“You... 5. ピリオド[フル・ストップ]を書き、その後にクォーテーション・マー クを書く。Alan said,“You....” (b)“You are my sunshine,”he said. 「『君は僕のサンシャインだ』と彼は言った」 say や tell など、話を伝える主節の動詞を〔伝達動詞〕と呼んでいる。こ の伝達動詞と主語の組み合わせは、(b)のように言った言葉の後に来ること もある。 また、主語が he のような人称代名詞ではなく、名詞の場合は said Paul などと倒置が可能。 (c)‘Your information,’I replied,‘is out of date.’ 「『あなたの情報は、もう古い』と私は答えた」 (“Practical English Usage 3rd Edition”by Michael Swan, 156-2) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu (c)のように、言葉の間に主語と伝達動詞の組み合わせが来ることもある。 物語文などで見かけていると思う。 ひとつの言葉が、主語と伝達動詞の組み合わせに分断されているとき、後ろ の方の言葉の最初は、普通小文字にする。 Your information is out of date. が I replied によって分断されている。 Your の Y は大文字だが、is の i は小文字にする。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (a) Alan said,“You are too young to get married.”(前出、再掲示) 「アランは『君は結婚するには若すぎる』と言った」 (d) Alan said that I was too young to get married. 「アランは『君は結婚するには若すぎる』と言った」 「私は結婚するには若すぎると、アランは言った」 (d)は〔間接話法〕と呼ばれる文。誰かが言った言葉をそのまま伝えるので はなく、話者の立場や現在の状況に合うように言い換えている。 (a)の You は、この文全体の話者である「私」のことである。(d)では I に 替える。I なので大文字だが、he や she ならば、小文字で始める。 主節の said が過去形なので、You are too... の動詞 are を過去形にする。 〔時制の一致〕という決まりによる。実際には I am too... の am を was にする。 (×)Alan said, that I was.... 〔間接話法〕では、said の後ろにコンマは書かない。 that は省略可能。(○)Alan said I was.... ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 高校の定期テストでは、直接話法を間接話法に書き換える〔話法の転換〕は しばしば出題される。また、実際に英文を書いたり、会話したりするときに、 伝達は間接話法で行うことが多い。 次号以降、話法の転換例を紹介していきたい。 ……………………………………………………………………………………………… (2)話法と say, tell ……………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・直接話法では、tell より say を使う方が一般的 tell は、情報の内容に重点が置かれるのに対し、say は言 葉そのものに重点が置かれるため 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a)“Get back,”he said.「『戻れ』と彼は言った」 (b)“Get back,”he told me.「『戻れ』と、彼は私に言った」 tell は通常、誰に言うのか[言ったのか]を示す。(b)では me。 (c) Her father often said to her, "Daughter, you owe me a son-in-law; you owe me grandchildren." 「彼の父親はよく、彼女に言いました。『娘よ、お前は私に義理の息子をくれ る責任がある。私に孫をくれる責任がある』と」 「彼の父親はよく、彼女に言いました。『娘よ、早く結婚して孫を(たくさん) 産んでくれ』と」 (“The Age of Fable”by Thomas Bulfinch) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#fable (×)Her father often said her,.... say の後ろに伝える相手を置くときは、前置詞 to が必要。 (c)の Her father は、川の神ペネウス(Peneus)。その娘はダフネ(Daphne)。 ダフネはこのあと、アポロ(Apollo)の求愛を拒み続ける。 アポロが執拗に追いかけてくるので、拒みきれないと悟ったダフネは、父ペ ネウスに姿を変えてくれと懇願。彼女は月桂樹に姿を変える。 勝利者の頭に月桂冠をかぶせるのは、この話に由来する。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・tell は「教える」「知らせる」の意味で使われるので、 〔あいさつ〕〔感嘆〕〔質問〕には使わない。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (d) He said,‘Good morning.’「彼は『おはよう』と言った」 (×)He told them,‘Good morning.’ (“Practical English Usage 3rd Edition”by Michael Swan 504 say and tell) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu 「あいさつ」には tell を使わない。 (e) My wife said,“What a beautiful moon!” 「私の妻は『なんて美しい月なの!』と言った」 (×)My wife told me,“What a beautiful moon!” 「感嘆文」も tell で紹介しない。 (f)“Why did you go there?”I said. 「『どうしてそこへ行ったのですか』と私は言った」 (×)“Why did you go there?”I told him. (○)“Why did you go there?”I asked (him). 「質問」にも tell は使わない。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・間接話法では、say, tell ともに使われる。 誰に伝えるか[伝えたか]言う必要のないときには、say を使い、必要のあるときは tell を使うようにする。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (g) She said she didn't know anything about it. 「彼女は、それについて何も知らないと言った」 (h) She told me she didn't know anything about it. 「彼女は、それについて何も知らないと私に言った」 (“CAMBRIDGE GRAMMAR OF ENGLISH”Ronald Carter & Michael McCarthy 489a Say versus tell) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#cge (×)She said me she didn't.... (×)She told she didn't.... 彼女自身は、I don't know anything about it. のような内容の言葉を述べ た。 ……………………………………………………………………………………………… (3)take kindly to... ……………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・take kindly to...「…すんなりを受け入れる」 「…を喜んで受け入れる」 特に not take kindly to... で「…を受け入れたくない」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) He'll take kindly to the criticism if it's constructive. 「彼は、建設的なものならば、批判を受け入れるだろう」 (“The American Heritage dictionary of Idioms”by Christine Ammer) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdi kindly に「心から」「喜んで」という副詞の使い方がある。 take to... で「…を好きになる」「…に順応する」という意味がある。 合わせて「…を喜んで好きになる」とできる。 (b) Minnie May did not take kindly to the ipecac but Anne had not brought up three pairs of twins for nothing. 「ミニー・メイは、去痰薬をすんなりとは飲んでくれなかったが、アンもむ だに3組の双子を育てたわけではなかった」 (“Anne of Green Gables”by Lucy Maud Montgomery) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#green ipecac というのは、吐根(とこん)という植物で、この根にアルカロイド が含まれている。これから薬をつくることができる。この薬には、吐き戻さ せる作用や痰を取る作用がある。下剤としても使え、アメーバ赤痢にも有効。 アンは喉頭炎(こうとうえん)にかかったミニー・メイを看病する。アンの 奮闘のおかげで、医者が到着する頃には、病状は快方に向かっていた。 (c) Nevertheless, the girl did not take kindly to the idea of being tamely put to sleep without as much as one bid for freedom. 「それでもやはり、自由になるための努力を一度もしないで、おとなしく 寝かされるという考えを、その少女はすんなり受け入れたくなかった」 (“The Secret Adversary”by Agatha Christie) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#adversary ……………………………………………………………………………………………… (4)前号の訂正 ……………………… 前(第91)号に誤りがあった。三木さんからご指摘いただいた。 お詫びして訂正する。 (3)の例文(c)の「泥棒」のつづり間違い。 ▼[誤]第91号(3)-------------------------------------------- (c) A theif was caught in the museum last night. 「昨夜その博物館で、泥棒が一人捕まった」 (“CAMBRIDGE GRAMMAR OF ENGLISH”Ronald Carter & Michael McCarthy) -----------------------------------------------------------------▲ ▼[正]第91号(3)-------------------------------------------- (c) A thief was caught in the museum last night. 「昨夜その博物館で、泥棒が一人捕まった」 (“CAMBRIDGE GRAMMAR OF ENGLISH”Ronald Carter & Michael McCarthy) -----------------------------------------------------------------▲ ……………………………………………………………………………………………… 参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html ……………… http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html ──────────────────────────────────── □このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/ |
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