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(3) 副詞節と名詞節の違いは何ですか?
高1です。
Grammarの時間に習った「副詞節中では未来のことを現在(完了)形で代用する」というのがわかりません。それだけならいいのですが、「名詞節では未来形」を使うとあります。副詞節と名詞節の見分けがつきません。
たぶん、〔時制〕のところを習ってるんですね。
Grammarの授業が、現在最も多く行われている項目順に行われていれば、〔節〕のところは履修済みのはずです。もう一度、その部分の教科書やノートを確認してください。と言っても、授業中に完全に分かるように教えてもらうことは、少ないようです。私も高校の時には、気づかないうちに過ぎてしまい苦労しました。
私のホームページでは、〔英文の目的語になる名詞節2〕〔接続詞に導かれる副詞節〕が直接の範囲ですが、〔名詞〕〔副詞〕という感覚を身に付けるために、できれば〔主語〕〔目的語〕〔副詞系修飾語句〕の範囲のファイルをすべて学習されるといいと思います。
でも、それでは間に合わない場合もあるので、付け焼刃ではありますが、簡単に違いを説明します。
I studied English yesterday.「私は昨日英語を勉強した」
この文で、語の働きと品詞の関係を見ていきます。
「昨日」→「勉強した」、「英語を」→「勉強した」
どちらの語も動詞の「勉強した」を修飾しています。日本語においては、さほど違いがないように思われます。
でも、英語では、動詞studied の動作が向かう対象(「何を」「何に」にあたるもの)は、〔目的語〕と呼ばれ特別の地位が与えられているのです。この他の「いつ(する)」「どこで(する)」「どうやって(する)」などの言葉は1まとめに〔副詞〕と呼ばれます。yesterday が目的語になる文もありますが、上の例文では、「いつ」にあたる〔副詞〕です。
これに対し、目的語になる語句は、通常〔名詞系〕の言葉になります。
I know when he will come tomorrow.「私は彼が明日いつ来るか知っている」
「彼が明日いつ来るか」と訳しましたが「彼が明日いつ来るかを」と「を」を付けた方が分かりやすいかもしれません。
when he will come tomorrow は〔間接疑問〕と呼ばれるものです。中学校で習ったはずです。疑問詞以降は平叙文の語順になるんでしたね。
この部分全体が、know の〔目的語〕になっています。「彼が明日いつ来るかを」「知っている」わけですから。〔目的語〕は通常〔名詞〕でした。この部分は、主語he、述語動詞will come、と文が作れる要素を満たしています。こういう部分を〔節〕と呼んでいます。〔名詞〕の働きをする〔節〕ですから、〔名詞節〕となります。
こんな〔名詞節〕が未来を表すときには、やっぱり〔未来時制〕で表します。
I will give him the money when he comes tomorrow.
「私は、彼が明日来たときにその金をあげよう」
I will give him tomorrow.
「私は明日、彼にそのお金をあげよう」
tomorrow は〔副詞〕です。その代わりに、when he comes tomorrow「彼が明日来たとき」になっただけです。ですから〔副詞節〕と呼んでいるのです。
そして、「時や条件を表す副詞節中では、未来のことは現在時制で代用する」という決まりがあります。本来は、
(×)when he will comes tomorrow なのでしょうが、ここは副詞節なので、
(○)when he comes tomorrow となります。
以上が、〔名詞節〕と〔副詞節〕の違いです。
先輩の中には、when に限ってですが、「〜するとき」と訳ができれば〔副詞節〕、「いつ〜か」という意味ならば〔名詞節〕と覚えて区別している人がいます。
if節の場合は「もし〜ならば」は〔副詞節〕、「〜かどうか」は〔名詞節〕と覚えているようです。
ですが、やはり根本から分かった方が応用が利きます。
ちなみに、もう少しして〔関係副詞〕というところに進むと、when節 が〔形容詞節〕になる場合も出てきます。これは、前方の〔名詞〕を説明するので〔形容詞〕の働きをしていると考えられるからです。
The day will come soon when he will come home.
「彼が故郷に帰る日が、まもなく来るだろう」
ちょっとシャレのような文になってしまいましたが、これは、
The day will come soon.「その日がまもなく来るだろう」と
He will come home on the day.「彼はその日に故郷に帰るだろう」の2文から成り立っています。本来は、
The day on which he will come home will come soon.という関係代名詞でも表せ、さらに、on which を〔関係副詞when〕に代えて、
The day when he will come home will come soon.という語順が正しいのです。そうすると、when he will come home が直後から名詞(the) day を修飾できます。名詞を修飾しているので〔形容詞〕、節だから〔形容詞節〕となります。
このような語順だとかえって分かりにくいと考えられるので、〔倒置〕が起こり、
The day will come soon 「その日がまもなくやって来るんだよ」
when he will come home「その日っていうのは、彼が故郷に帰る日だよ」
という感覚で、
The day will come soon when he will come home.
の語順になります。〔形容詞節〕も通常、未来のことは〔未来時制〕で表します。