このページから(5〜8)は、高校生以上の英語の実力を持った方に適した内容となっています。通常、中学生の方には必要ありません。ただし、難関高を受験される方や英語の資格試験などで必要な方、また習う範囲と関係なしに学習しようとされる方は、頑張って読んでみてください。
英語では、“the+形容詞”が“形容詞+people”という意味を表す【複数名詞】になることがあります。
(1) The young are apt to put too much confidence in themselves. |
「若者たちは、自分たちの力を過信しがちである」という意味になります。この文の主語は、The young です。Young people と置き換えることができます。people は、「国民」「民族」という意味になるときは、単数を表すことができます。その場合「2つ以上の国民」は複数形peoples となります。しかし、「人々」という意味になる場合は、people のままで複数扱いとなります。したがって The young も複数扱いとなります。このことは後ろのbe動詞が are となっていることからもわかると思います。
“be apt to do”で「〜する傾向にある」「〜しがち」という意味になります。put too much confidence in themselves は、「彼ら自身の中に多すぎる自信を置く」ということで「自分を過信する」という内容になります。
「the young は the young people の people の省略ですか」という質問を受けたことがあるのですが、そうは考えない方がいいと思います。the young は、一般的な若者を総体的にとらえています。しかし、the young people は、「あそこにいた若者たち」というようなある特定の人たちだけを指すことになります。
この他、the old(老人たち);the rich(お金持ち);the poor(貧しい人々);the brave(勇者たち);the wise(賢者たち)などがよく出てきます。この他、いろいろつくれそうですね。
“the+形容詞”が2組以上で1つの成分となるとき(例えば主語)、どちらの the も省略されるときがあります。
(1-2) Rich and poor had a good time. |
「金持ちも貧乏人も楽しい時間を過ごしました」
“the+形容詞”が、単数の普通名詞となる場合もあります。
(2) The accused didn't appear in court. |
「被告人は法廷に現れなかった」という意味になります。accused は【形容詞】として辞書にも載っていますが、accuse「〜を告訴する」という他動詞の過去分詞形がもとになっています。
The accused については、被告人が複数の場合は、複数扱いとなる場合もあります。何も情報がなければ単数扱いにしておきましょう。court は「囲まれた庭」「中庭」という意味から「宮廷」「法廷」という意味が出ました。テニスコートのコートもこの単語です。ちなみに、caught と同じ発音になります。
この使い方ができる形容詞は、限られているようです。何でもかんでも“the 形容詞”で単数名詞を作っちゃえ、というのはやめてください。the deceased(故人);the beloved(最愛の人);employed(雇われている人)などがあります。
“the+形容詞”が、「〜なもの」「〜のこと」という【抽象名詞】となることもあります。抽象名詞は単数扱いとなります。
(3) The beautiful is better than the true. |
例文(3)は、「美は真実に勝(まさ)っている」という意味です。The beautiful, the true が“the+形容詞”で、beauty, truth と同じ意味を表す抽象名詞となっています。もちろん、the beautiful が beautiful people を表すこともあります。前後の内容から判断して決めるしかありません。
これが英文の主語となることを、予測しておく必要はないとは思いますが、やはり名詞として働くので、紹介しておきます。
(4) In English the yellow of an egg is called 'yolk'. |
「英語では、卵の黄色の部分はヨークといいます」という日本語になります。かなり無理目の例文ですね。
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