有限会社 オオタ・エンジニアリング

ベクトル変換

ベクトル変換作業の流れ

図面をスキャニングまたはラスタファイルを開いてラスタ編集、ベクトル変換、
     ベクトル編集、座標補正等を行い各種ファイル、プリンタに出力することが出来ます。

ラスタ編集

スキャナに付属しているソフトのゴミ取り機能で取りきれなかったゴミを削除したり、 場合によってはかすれて途切れた線などを繋げたりします。 ただし、ここでおこなう編集はラスタデータのみの編集なのでtiff形式に出力するときは 直接反映されますが、CADデータなどの出力に直接は反映されません。

ベクトル変換

ベクトル変換とはラスタデータからベクトルデータを作成する機能のことです。 ベクトル変換をするためには認識領域の設定とパラメータの設定をおこなう 必要があります。

  • 認識領域…………全体と部分(複数の領域選択が可能)
  • 認識パラメータ……各部分に対して認識方法を設定する。

これらの設定を適切に行うことで手作業で修正する部分が少なくなります。

※ベクトル変換といってもラスタデータからベクタデータに変わるわけではなく、 ラスタデータの線をベクタデータでの線でトレースする作業を自動でおこなってくれると 考えると良いかもしれません。

ベクトル編集

ベクトル変換により描画されたベクトル線には不要な線(文字、記号、ゴミ等)を削除したり、 頂点の移動や削除・追加等をする必要があります。 また、ベクトル変換の際に弊社の使用しているソフトはOCR機能がないので テキストを作成したりそれらを編集する必要があります。(OCR機能があってもこの作業は 避けられないでしょう。)

座標補正

スキャナからの読み取り誤差や元の図面の誤差等を補正するために座標補正による 図面の修正を行います。座標補正には主に4点補正や数点補正が用いられます。

ラスタデータ・ベクトルデータについて

ラスタデータとは?

ラスタデータとはピクセルと呼ばれる点で構成されています。 一つ一つのピクセルは一つの色を表し、ピクセルが集まって画像を作ります。 (ビットマップ画像)

ラスタデータは写真イメージなどの色と色が混ざり合った画像の表示に 適しています。また、ディスプレイに表示する場合にどのような画像データ でも内部的にビットマップ画像に変換され表示されます。

ラスタデータ画像(ビットマップ画像)を拡大表示するとピクセルの形が そのまま表示されてしまいギザギザが目立ってしまいます。

ラスタデータ画像(ビットマップ画像)はただの点と点の集まりなので ある図形と別の図形との間に図形的な区別が有りません。 例えば下の図の枝分かれをした線のうち、下側の線を消したい場合は 一つ一つのピクセル、または下側の線を表わす領域のピクセルを消して いかなければなりません。

ラスタデータの品質は解像度に依存します。



ベクトルデータとは?

ベクタデータは開始地点と終了地点、幅、色、どんな曲がり方を しているかなどの情報でできています。(座標と関数で定義されます。) このため、拡大縮小を行っても表示サイズに合わせて再計算を行い、輪郭が 崩れることなく描画できます。

ベクトルデータは画像や図を構成する図形を独立して取り扱うので、 図形に対して個別に編集が行うことができます。 例えば、下図の枝分かれをした線のうち、下側の線を消したい場合は ビットマップ画像のようにピクセルを一つ一つまたは領域で消すのではなく 下側の線を一つの図形と認識して削除できます。

ベクタデータはロゴ、フォント、線画に適しています。



ラスタスキャンディスプレイ
点を高速に移動させる走査線(raster)を用いて1枚の画像を表示する 方式のディスプレイ。 画面は走査線の並びでフレームとして表現される。スキャンしながら各点の 色や輝度の情報をコンピュータからディスプレイに送って表示する。 テレビやコンピュータ用ディスプレイのほとんどがラスタスキャン方式を 採用しています。(データは極めて大きくなる)

ベクタグラフィックス
座標値に基いたデータ系列をもとに,図形情報を格納しておき, それをコンピュータを用いて画像として表現します. ラスタスキャンディスプレイに表現する場合には,コンピュータ上での処理により, ベクタからラスタへ変換し,表示することになります. CAD (Computer Aided Design)あるいはドローソフトにおいて一般的に用い られている技術です.

ベクタグラフィックスの利点と応用
図形情報をベクタ情報として有することにより,画像サイズ(解像度)に とらわれない描画が可能です. 設計におけるベクタデータの活用はさまざまな応用(CAM, CAE等)が可能です.

ちょっと工夫

当社の実験ではラスタデータの場合1つの点が1ビットのデータに相当し、 解像度400dpiで1インチを読み取った場合のデータ量は、400ビット(50バイト)に なります。従って、ラスタデータのデータ容量は図面の内容に関係なく非常に 大きな値になります。A1サイズで15.5Mになります。
ベクタデータの場合は、読み取る図面の内容によりデータ容量が異なるため、 用紙サイズ別に規定することが出来ません。

一般的にはベクターデータはラスタデータに比べ、少ないデータ容量に なります。




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