科学と技術
電子レンジの中の猫 マック パソコン通信 ワン切り
原子力関連 重役の死 死を呼ぶ石 自動改札
恐怖の携帯電磁波 ギロチン ソニータイマー ガガーリン以前
74分の神話


 電子レンジの中の猫

 あるおばあさんが、飼っていた猫が濡れてしまったので、乾かそうと思って電子レンジの中に入れてスイッチを入れた。すると猫は、電子レンジの中で爆発してしまった。

 この話を聞いたことがある人は多いのではないかと思う。生き物を電子レンジで乾かす(温める)と爆発するというのは、ゆで卵の例を考えるとあながちありえない現象ではないようにも思えるのだが、よく知られた内容の割に出所がはっきりしない話で、現実にあった話とは言いにくい。

 これと同じ話は、アメリカでも良く知られている。アメリカの話だとされる場合、猫をレンジで「調理」してしまった老婦人が製造元を相手取って訴訟を起こし、見事莫大な賠償金を勝ち取った、となることが多い。ただし、例の如くそういう裁判が行なわれ、人口に膾炙されているような判決が下されたという情報は未だに確認されていない。傍からは理解し難い部分も多いアメリカの訴訟社会を揶揄した話なのであろう。

 また、アメリカには薬物中毒のベビーシッターが赤ん坊を電子レンジやオーブンで調理してしまう話もある。
 





 マック

  マッキントッシュは、パソコンとはいえユーザーと心を通わせていて、ユーザーの考えがわかるという。
ある人のマックが突然不調になったとき、その人は一生懸命直そうとしたが直らなかった。あきらめて「捨てようか・・・」とつぶやいたとき、それまでまったく動こうとしなかったマックが、突然起動したらしい。


 まったくありえない話とはいえないかもしれない。単なる偶然にしても十分ありうる話ではある。パソコンを扱っていると、原因が良くわからないまま調子が悪くなることもある。そのあたりに、機械の「気まぐれ」を感じ、そこからこのような話が生まれるのだろうか。ハイテク機器に物神的要素を見る発想は興味深い。

 マックユーザーはウィンドウズ派に比べて少数派だが、それだけにかえって自分の持っているマックに愛着を持ち大切にしているという。また、マックに限らず自分のパソコンに名前(女性の名前が多いらしい)をつけて愛用する人も多いようで、そういう人たちの間に広まっている『主従愛』を暗示する一種の美談かもしれない。
 





 パソコン通信

  ある女の子が怪談話を作ってパソコン通信に流した。その内容とは、どこそこの公園へ行くと男の子がいつもいて、「遊ぼ」といわれるのだが、「いいよ」と答えると殺されてしまい、「やだよ」と言うと帰れるというものだった。その噂はかなり広まった。
 そんなある日、その女の子がその公園に行ったら、実際に男の子がいて、その男の子が女の子に向かって「遊ぼ」と言った。怪訝に思ったのだが、女の子はつい「いいよ」と答えてしまい、殺されてしまった。


 自分で噂をつくり、それを広めると自分がその噂の被害者になるというメッセージをストレートに伝える俗信も存在するようだ。言葉に霊威が宿ると言う言霊信仰を下敷きとする説話である。上の話は間接的にそれを伝えようとする暗示的な教訓話だろうか。

 元にした話の年代が古いので、パソコン通信となっているが、今ならさしずめこのサイトのような場所で噂を捏造するとその報いが返ってくるということだろうか。

 この話に関していただいたメールに、この話の内容が「世にも奇妙な物語」の「噂のマキオ」と同じ内容だという指摘があった。「噂のマキオ」に関する詳しい内容はこちら
 





 ワン切り

 携帯電話の着信履歴に、見覚えのない番号があった。いったい誰が何の用でかけてきたのだろうと思い、折り返し電話してみるとつながった先はアダルト番組だった。それがわかるとすぐに電話を切ったのだが、後日、10万円の請求書が自宅に届けられた。

 今となってはひと昔前に流行ったワン切りにまつわる話。当時は多分に都市伝説的なものだったが、最近では現実が話を後追いするようにすらなっている感がある。身に覚えがないのに異常に高額の請求が来る、という部分の理不尽さ、そしてある種の恐怖感がこの話の伝播に強く影響したようである。

 なお、ワン切り被害に関しては警告を呼びかけるチェーンメールも存在するらしい。まったくのデタラメでもないが、全体的な雰囲気は、『Rh-献血のお願いメール』や『当り屋注意のビラ』に近いものだという。

 請求額に関してはデタラメといっても良いが、ワン切りにまつわるトラブルは多いのも事実なので、念のため断っておく。その実態は、電話をかけテープによるガイダンスを聞いてしまったために料金が発生してしまったというものが中心。これに関しては一概に違法とは言いにくいのが問題らしい。なんにしても、折り返し電話をすればこちらの身元が割れてしまうので、一番確実で無難な対処法は見知らぬ番号には電話しない、ということになる。

 ところで、この噂と似て非なる問題なのがいわゆる「架空請求」である。請求自体はもちろん無効だが、うかつにこれに応じてしまうと悪徳業者の「カモリスト」に載せられてしまうと言われているのは周知の通り。いずれにせよ、身に覚えのない請求には応じないと言うのが鉄則か。
 





 原子力関連

■情報提供:のすふぇらとぅさん)

<原子力発電所でのバイト>
最近「原子炉が故障して緊急停止した」という類のニュースが
多くなりました。で、壊れてしまった部品なんですが、
核防護服に身を包んで、炉心付近の施設に入っていき
これを回収したりするバイトが存在するようです。
バイト料はかなり高額で、一度このバイトを行った者は
一定期間、再び採用されないとのことです。どこか
薬の検体と一致する部分の多い伝説ではありますね(^^;
これの真偽は不明です。

<原子力関係・電子機器関係のエンジニアの子供は女の子ばかり・・・>
これも大学に入ってから聞くようになった噂です。
前者は放射線、後者は電磁波などによって遺伝子が
日常的にダメージを受け、こういった環境に長くいると
生物の自己防衛本能によって"メス"が多く生まれるのだ
そうです(←ミジンコじゃあるまいし^^;)

ですから、こういった職種の方々の子供は女の子ばかりに
なるそうです。ちなみに私の大学で原子力関係の研究を
している方々の子供は、一人をのぞき全て女の子だそうです。
唯一、男のお子さんを持った先生は
「お前は真面目に研究しないからだ」
と、同僚の教授陣からからかわれているそうな・・・。
それから、SONYに就職した先輩の話では、職場の
同僚の子供は全て女の子だとか・・・。
まぁ、このような噂が立っているのですが、真実か否か
確かめて見たい所ですね(笑)

※のすふぇらとぅさん、情報提供ありがとうございました。


■類話1(情報提供:さねさん)

大学で化学を専攻している者です。
『原子力・電子器機関係従事者の子供には女の子が多い』というお話ですが、同じ様に『有機化学研究をしている者にも女の子が生まれ易い』とよく噂されています。
実際、私の大学の既婚教授のお子さんには女の子が多いです。

日常的にベンゼンなどの環境ホルモンと思われる溶媒を吸ったり、触ったり、稀に目や口に入ったりしている為に、その様な話が生まれたのだと思います。
化学物質が精子の数や運動に影響を及ぼすことや、雄個体を雌化することは間違いない様なので、全くの風聞とも申せませんが…。
しかし、元来男子・女子の生まれる確立は半々ですし、1組の夫婦が1〜2人しか子供をもうけない現状では、真偽は定かではありません。

原子力にしろ化学にしろ、被爆や公害病など予期せぬ『副産物』を現実に生んで来た為に科学系の都市伝説は生まれるのかも知れません。
実験中には本当に事故が多いですからね…。

※さねさん、情報提供ありがとうございました


■類話2(情報提供:えりぃさん)

私の実家近くには原発があるのですが、原子炉のほうのかなり放射線の高い場所(どことは限定されていません)の仕事には、ホームレスの人を使うとか。
その仕事を終えた人は、決して再び外へ出ることは無いのだそうです。
その人たちのために、救急車も配備しているとか。
2年位前、夏に実家に戻ったときに母が言ってました。
原発反対派から出た話かもしれません。

※えりぃさん、情報提供ありがとうございました

 死体洗い、投薬ボランティアに続く高額バイト伝説と、放射線に電磁波という”危険そうなもの”にまつわる話の投稿。

 原発、および放射能関係のアルバイトの話は少なからず存在しているようである。海底に沈んだ放射性廃棄物を引き上げるバイトの話などもあるようだ。ただ仕事の内容がどうあれ、核に関係する職場は、典型的な、というよりはこれ以上ないほどの3K職場であるためか、報酬は超が付くほどの高額。一説には一回60万円のものもあるとか。ただ、上の話のように一度採用されてから、もう一度同じ仕事をするまでの間に一定期間のインターバルを置くとするパターンは珍しいかもしれない。

 「原子力、または電子機器関連の技術者(話の中では男性技術者とされるのが普通)の子供には女の子が多い」という話はこの種の職に従事する人の間では比較的よく知られた話のようである。この職種に従事している身近な知人の子供は女の子だ、という語る人は多い。現在では男女の生みわけ自体はかなり高い成功率で実現しているし、何らかの思いも寄らない原因によって意図せずこの技術と似たような現象が発生する可能性は全く否定できないのかもしれない。とは言え、この話の根底にあるのは、放射線や電磁波という、”なんだかよくわからないが危険そうなもの”に対する漠然とした不安であろう。恐竜の生き残りが放射能の影響で口から熱線をはくようになった某怪獣の場合と、大差ない発想から生まれた話なのかもしれない。
 





 重役の死

 とある大工場での話。
その日、普段は現場に姿を見せることなどない重役が工場の視察に来ていた。重役が特に気にかけていたのは、大金を投資したある機械の稼動状況だった。重役がその機械の前まできたときに、工場長の合図でいよいよその機械が動き出した。
 その途端、重役は突然苦しみだした。その場に居合わせた者は原因不明のままもがき続ける重役を前に、ただただ呆然とするしかなかった。結局その重役は死んでしまった。
重役の死後に分かったことだが、死因は、脳味噌にある信じられないものがくいこんだためだった。重役の脳をえぐっていたもの、それは彼の金歯だった。
 実は、あの時稼動を開始した機械は強力な電磁石の力を使用したもので、重役の金歯はその磁力に引き寄せられ、ついには彼の脳にまで食い込んでいたのだった。

 一般人には分かりそうで分からない、わからないようでやっぱりよくわからない科学技術に対する先入観や偏見から生まれた話だろうか。

 実際にこの状況で金歯がこれほどの破壊力を持つかどうかは不明だが、機械を製造した側は当然この種の危険は想定しているだろう。工業機械は同種の一般向け機械よりもはるかに高性能である反面、扱いに危険が伴うことも間々ある。専門的な技術や知識を持つ人が細心の注意を払って使いこなすべきものであることが多い。現場で苦労している人間のところへ、現場のことを知らない重役がのこのこやって来て・・・、といった感じのブルーカラー対ホワイトカラーの対立の構図も影響しているのだろうか。
 





 死を呼ぶ石

■情報提供:じぶりーるさん

あるところに美しい少女がいた。
彼女に言い寄ってくる男は多く居たし、たくさんのプレゼントをもらいもした。
あまりにたくさんのプレゼントをもらったので、彼女は何を誰からもらったかも良くわかっていなかったし、それらのプレゼントを大してありがたがりもしなかった。
しかし、一つだけ、彼女の心をとらえて離さないプレゼントがあった。
青く輝く不思議な石。
普通の宝石とは違う、それ自体が光を放つような、美しい石のペンダント。
その石もやはり誰からもらった物か、彼女には分からなかったが、いつもそれを身につけていた。
しかし、このペンダントを身につけるようになってから、彼女の体は変調をきたした。
白く透き通るようだった肌は青黒く不健康な色に濁り、つややかだった黒髪は、梳る度にバラバラと抜けていった。
彼女はやせ衰え、やがて、立ち上がることもできなくなった。
「あのペンダントの呪いだわ。私に振られた男の誰かが、仕返しに呪いの石を送ったに違いない」
彼女はことあるごとにそう繰り返した。
やがて彼女は、二度と回復することなく亡くなった。
さすがに遺族もあの青い石を薄気味悪く感じ、石をとある骨董品商に売り払った。
しばらくして。
遺族の元に刑事がやって来てこう尋ねた。
「お宅があの骨董品屋に売った石はどこで手に入れたものなんですか?」
強い詰問口調で尋ねる刑事の態度に不審を感じた少女の父親は一体何があったのかを聞き返した。すると・・・・・・・・・・・。
「あなた方が持ち込んだあの青い石、あれはウランですよ。」

※じぶりーるさん、情報提供ありがとうございました。

 ウランのペンダントの入手経路には、路上で購入されるパターンもある。いずれのパターンでも女性は被爆・死亡するが、上の話は復讐談めいた臭いを漂わせている分だけ、恐い話と言えるだろう。

 言うまでもなく放射性物質は非常に危険なものである。日本国内では厳重な管理下に置かれていて、タテマエ上は、どこかから転がり出てくるようなことはありえない。よしんば何かの間違いで管理下から流出したとしても、上の話のような事態は起こりえない。ウランが青く光りだした時、もしも人がそれをペンダントとして身につけていたとしたら、放射線障害が体に現れるよりも先に死んでしまう。
 





 自動改札

 自動改札が世の中に出始めて間もない頃の話。
 ある老婦人が、上京した息子に会うため、東京にやって来た。そこで彼女は、はじめて自動改札というものを目にし、技術の進歩に半ば驚き、半ば感心した。
 機械の扱いはあまり得意ではなかったが、前の人がしているのと同じようにして無事改札を抜けた。しかし、本当のトラブルは、乗車駅ではなく下車駅で訪れた。
 彼女は切符を持っていなかったので、下車駅の改札から出られなかったのだ。切符をどうしたのか駅員が尋ねてみても、自分はちゃんと自動改札を通った、と繰り返すばかり。
 どうにも話がかみ合わないので、よくよく事情を聞いてみると、この老婦人は、乗車駅の改札に投入した切符は、何もしなくても「自動」で下車駅に送られていると思っていたのだった。

 電信が日本に入ってきて間もなかった頃、電線に風呂敷包みなどの荷物をぶら下げる人がいたという。なぜかと言えば、遠隔地に素早く用件を伝えられる物ならば、同じように荷物を遠くに送るのも訳はないだろうと考えてのこと。自動改札の話は、この電信の話に連なる流れのものと言えるだろう。
 





 恐怖の携帯電磁波

 1、携帯電話が発する電磁波は、人体に良くない影響を及ぼす。特に脳は電磁波の影響をもろに受けるため、携帯を使いすぎると脳腫瘍を発症する率が高くなる。

2、携帯の電磁波は人体に悪影響を及ぼすばかりではない。セルフスタンドでは、携帯電話が原因となって火災が発生した例もある。



■参考1(情報提供:ultraCSさん)

話は違いますが、携帯電話の電磁波が原因でガソリンスタンドが発火することはありませんが、バイブ用のモーターってブラシレスじゃないですよね、とすれば、火花は発生し得るし、電池接点の接触不良等があればそこでスパークが発生する可能性はあります。
これらは、いずれも着信時の負荷の大きい状態で起きやすいと考えられ、携帯が火災をもたらすのは皆無ではないと言えませんか。まあ、もっとも、車の電気系統からのスパークが原因で火災というのに比べれば無意味なほど小さいと思いますが。

※ultraCSさん、情報提供ありがとうございました。


■参考2(情報提供:牧山さん)

電磁波には、正確に言えば、高周電磁波と低周電磁波の2種類に大別され、特に害が多いらしいのが高周電磁波なのですが、携帯電話が使ってるのは低周電磁波らしいです(今は廃刊になったクォークという雑誌に書かれていました)。従って、高周波よりはマシだが、電磁波自体の害に関して、完全に解明されたわけではないので、絶対安全とは言えない、という説明がなされてました。
あんまり役に立たない説明ですが(笑)、高周電磁波と低周電磁波の違いに関して触れてない電磁波の害毒説明は、基本的にマユに唾して聞く必要があるかと思われます。

で、電磁波自体の害毒に関しての説明ですが……。
物理系の大学生の間には「(卒論のテーマとして)電磁波とプラズマには手を出すな」という話が流れています。この二つは、本当に些細なことで計測値や起こる現象ががらっと変わってしまい、計測値がむちゃくちゃになりやすいからです。
ある実験では、実験装置がある研究室の片隅にマグカップが無造作に1個、置き忘れられてただけで、数値が全然変わってしまい、研究者たちが必死で頭をひねったそうです(爆笑)。
かの大槻教授が、どんな超常現象でも「プラズマです」と言い張ることは有名ですが、プラズマの研究学生に聞くと、プラズマの振る舞いには本当になんにもわかっておらず、どんなことが起きてもおかしくないのだそうです。大槻教授も、案外無茶を言っているのではないのだそうです。

携帯電話の電磁波がガソリンスタンドで、引火の原因になるという話ですが。
フィリピンではこれが原因で、ガソリンスタンドでは携帯を使ってはいけないことに法律でなってます。日本でも、これに習って、条例か法令で禁止されてるはずです。
気化したガソリンが異常に引火しやすいのは、この間の名古屋のQ便立てこもり爆発事件でも実証されましたが、実際のところ、携帯の電磁波より、服の静電気や自動車の電気系の方がよっぽど危険なはずです。事故の数も、携帯電話が原因のモノより、静電気の方が多いはずです(少なくとも国内で、携帯電話が原因の事件は聞きません。静電気の方は2年に一度くらい聞きますが)。

ガソリンスタンドでの携帯電話使用禁止の話は、そういう法令(か条例)があることは事実ではあるが、根拠は薄く、死せる孔明いける仲達を走らすの類だと思ってます。

※牧山さん、情報提供ありがとうございました。

 1の話はひところさかんに言われたものである。現在でも、携帯電話が発する電磁波と脳腫瘍の因果関係は断定的に言えるものではない。疑わしい事例や研究成果も徐々に上がってきているが、クロともシロとも言い難いのが実情である。それほど疑わしい情報に対して、『電磁波除去シール』などと言う眉に唾して聞かなければならない商品がかつて存在していたことも興味深い。

 2の話は完全な創作と言ってよい。携帯の電磁波で火災は発生しない。少なくとも、携帯と火事の因果関係がはっきりしている事件はいまだ確認されていない。セルフスタンドでは、携帯電話よりも静電気に注意すべきであろう。

 なお、総務省は2003年10月10日の段階で「携帯電話の電磁波と脳腫瘍の発生に因果関係は認められない」との研究結果を発表した。その研究の方法は、ラットに発がん性物質を投与し、毎日1時間半ずつ2年間、携帯電話の電波を受けたラットと、電波を受けなかったラットを比較し、脳腫瘍の発生率に差が出るか調べる、というもの。この実験の結果、両者に差異は現れなかった。ただし、「身体全般への携帯電話の影響が否定されたわけではない」とも。また、電磁波の悪影響は「数十年間に渡って浴び続けていると安全は保障できない」と言う論理を根拠に広まっているものとも言える。総務省の見解は、携帯電磁波伝説に止めをさすものとなり得るか。
 





 ギロチン

 ある老夫婦の下に、孫がやってきた。世間のおじいさんおばあさんの多くがそうであるように、二人も孫の来訪をいたく喜び、近くのショッピングセンターへおもちゃでも買いに行こうかということになり、車で出かけた。
 車に乗っている最中、子供は窓から顔を出して遊んでいたのだが、何かの拍子にパワーウインドウのスイッチを押してしまい、首を窓にはさまれてしまった。これを見ていた老夫婦は、慌てて窓を開けようとしたが、パニックになってしまいどうすることも出来なかった。
 結局この孫は、病院に着いたときには息絶えていた。


 車の話ではあるが、『パワーウインドウ』が新技術だった頃からの、これをめぐるトラブルの話なのでこちらに分類した。パワーウインドウを装備した車がまだ少なかった頃、体の一部を窓にはさまれる事故は、少なからず問題視されていたようである。

 稀に子供の首が落ちたということになるようだが、パワーウインドウにそれほどの力があるかどうかは不明。しかし、もしはさまれたら危ないものには間違いない。はさまれれば骨折ぐらいはする。

 ちなみに、テレビ番組で大根を使ってパワーウインドウの威力を検証する実験を行っているのを見たことがある。この実験の模様は意外と多くの人が見ていたらしく、これを根拠に上述のような内容の信憑性を主張する人も少なくないようだが、私が見た限りは、スパッと「切断」されたのではなく、圧力によって圧迫点が「折れた」、あるいは「割れた」、「砕けた」と言った感じだった。
 





 ソニータイマー

■情報提供:サニーさん

ソニーの製品は、保証期間が終わる一年を過ぎた頃から調子が悪くなるそうです。

※サニーさん、情報提供ありがとうございました。


■参考1(情報提供:ultraCSさん)

与太話として聞いてください

タイマーが入ってるという話はソニーの前に松下電器の製品についてのものがありました。
これも20年以上前なのですが、松下の製品はちょうど買い換えようと思う頃になると不思議なことにそれに合わせたように壊れるというものです。
ソニータイマーの話のように保証期間後に壊れるのではなく、製品としての陳腐化を待って寿命を終えるのですから、消費者に不利なわけではないんですが、その見事なタイミングにある意味驚嘆しました。

※ultraCSさん、情報提供ありがとうございました。


■参考2(情報提供:通行人さん)

都市伝説とまではいかないのですが
昔仲間内で良く話してた内容です.
・ソニー製品は性能が良いけどすぐつぶれる.
・ナショナルは大変頑丈でなかなか壊れない.
・三菱はオ-バスペックな製品である.
仲間内ではソニー製品がつぶれると"ソニーやししゃあないな”で終わります.
なんか一昔前の"月曜と金曜に作ったアメ車は作業員が手を抜いてるので
買ってはいけない"に近いないようでした.
実際,製品のコストは原材料費と精度や耐久性と儲けで決めるのですから
製品の品質保証期間を過ぎたら壊れてもおかしくないというのは企業的には
正しい事だと思います.ただ,初期不良や故障ばかり起こると企業イメージ
が悪くなるので精度や耐久性を上げ利益を殺しているに過ぎず,
実際ソニーがそこまでやるなら逆に"すごい技術"と言っても良いかもしれません.
まったく関係無い話なのですが技術的には"切れない蛍光灯"は可能であるが
商品が売れなくなるのでしないという話は本当なのでしょうか?

※通行人さん、情報提供ありがとうございました。

 実体験に基づいてソニータイマーの話をする人は多そうである。ちょっと各家電メーカーの評価に関して一家言ありそうな、技術的な話に詳しい人ほど好んでこの話をする傾向がありそうだが、ある程度の事情通ともなると、ソニー製品には一見して理解し難い脆弱性や不都合を見て取ることができるようである。そのため、それを揶揄して「ソニータイマー」と呼ぶようであるが、その一方、実際にソニー製品に保証期間終了後に製品を壊すためだけの機構が組み込まれていると考える人もいるようだ。「ソニータイマー」の話は、語り手によって意味内容が微妙に変化する話であるようだ。

 実際のソニー製品の性能はともかくとして、ソニーの製品に対する評価は高い。購入した製品に対する期待は高まり、それだけに簡単に壊れてしまった時の失望感が大きく、壊れやすい印象が残るのだろう。

 なお、このタイプの話の中では通行人さんの言う「切れない蛍光灯」の方こそが本流であるような気がする。ソニータイマーはこれに目新しい視点を持ち込んだ「変化球」か。
 





 ガガーリン以前

■情報提供:一人のおっさんさん

人類で初の宇宙飛行士として有名なガガーリンですが、実はそれ以前に数人の宇宙飛行士が存在していたのだそうです。ところが、その誰もが地球に生還できなかった―――着陸に失敗し地面にたたきつけられて死んだ者、大気圏外で地球を周回する軌道に乗ってしまい帰ってこれなくなった者―――がいるという話があります。今までに表だって取りざたされていないのは、当時のソ連が体面を重んじて失敗を公表しなかったからだ・・・というのですが、果たして真相は?

※一人のおっさんさん、情報提供ありがとうございました


 ガガーリンは1961年に、人類初の有人宇宙飛行を成功させた。その功績で中尉から二階級特進して少佐になったそうである。最後は、訓練中に事故死している。

 噂自体はガガーリンが帰還した当時からささやかれていたようで、世界的なもの。宇宙開発史やSF方面に関心のある人ならば一度くらいは聞いたことがある程度の知名度を有していそうな雰囲気である。

 宇宙開発に限ったことではないが、当時ソ連と何かにつけて対立していたのがアメリカだった。もし噂が事実であれば、アメリカも常に注視していたであろう宇宙で発生したスキャンダルを、ソ連が隠しとおすのは難しかったと考えられるが、実際にはこの件についてアメリカからの目立ったりアクションはない。一方で当時のソ連は、とにかく秘密主義の傾向が強かったため、そのことがさまざまな憶測を生んだのだろうか。

 なおこの件については、NHKスペシャルあたりのドキュメンタリー番組で取り上げられたと言う情報が散見されるが、残念ながら番組そのものの内容は未確認。
 





 74分の神話

 コンパクトディスク(CD)の最大収録時間は開発当初は74分となっていた。これには世界的な指揮者・カラヤンの意向が働いている。
 カラヤンはもともと音楽媒体のデジタル化を望んでいた。その点、CDは彼の待ち望んだものだったのだが、従来のLPやカセットテープがそうだったように、CDの開発にも最大収録時間をどの程度にするかという問題があった。そこでカラヤンは、歴史に残る名演奏として知られていた1951年のフルトヴェングラー指揮・ベートーベン交響曲第九番が収録可能になる74分という時間をCDの最大収録時間にしてはどうかと提言したのである。

 CDの開発元であるソニーの社史では、当時の副社長が音楽畑出身だったため「オペラ一幕分、あるいはベートーベンの第九が収まる収録時間」をCDの規格にしようと強く主張したことになっているらしい。嘘かまことか、74分あればクラシック音楽の95%が収録可能なのだそうだ。そしてこの公式発表には、カラヤンの名前は出てこない。

 ちなみに現在の規格では、最大収録時間は80分になっている。