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日付の年月日は,カレンダーから自在に入力,計算される

 法律実務に限らずビジネス文書では,何かと日付を入力する場合が多くあります。

1 「当日」の入力方法
 Wordで「当日」(文書作成日の「今日」,仮に平成25年12月22日を想定)を記入する場合には,簡単な方法があります。
 「へいせい」と打ち込み「平成」に漢字変換して[Enter]キーを押して確定すると,「平成25年12月22日(Enterを押すと挿入します)」とポップアップ・メッセージが表示され,ここで[Enter]キーを押すと,文書作成当日の年月日が表示されます。
日付入力    日付入力
 この年月日の数字は半角表示ですので,公用文の本文の記載の仕方に即して全角記載にする(表中は半角記載も可)には,範囲指定し,文字種変換ボタンから「全角」を選択実行して全角に変換表示する必要があります。
日付入力
 西暦で当年の4桁を入力すれば,同様に西暦表示ができますが,この場合には,少し妙な感もありますが,全角で数字を入力すれば月日の数字も全て全角で表示され,文字種変換の必要がありません。

2 「日付と時刻」の利用
 「当日」の入力には,リボンの「挿入」タブの右端の方にある「日付と時刻」を利用することもできます。
 このボタン(左図)をクリックすると,次のようなダイアログ(右図)が表示されます。
日付入力 日付入力
 西暦か和暦かの選択をし,入力したい表示形式を選択して[OK]をクリックすれば,その書式の日付の入力ができます。基本仕様では半角表示ですが,「□全角文字を使う」にチェックを入れれば,全角での挿入ができます。

3 カレンダー入力
 以上の方法は当日を入力する場合ですが,当日しか入力ができないかといえば,Wordでは,カレンダー表示から,日にちを選択して,当日以外の日付を入力することもできます。
 リボンに「開発」タブが表示されている場合には,挿入位置にカーソルを置き,「コントロール」から「日付の選択」をクリックし,表示される入力枠の右側の▼印をクリックすれば,カレンダーが表示されます。表示の日にちをクリックすれば,当日(今日)以外の日付が入力できます。
日付入力   日付入力   日付入力
 表示形式の変更は,「日付の選択」の右側に配置された「プロパティ」をクリックし,日付選択コントロールのプロパティのダイアログから設定します。

 しかし,この方法でも,基本仕様が半角表示のため,全角表示にするためには,[ホーム]タブに戻り,先に説明した文字種変換のボタンにより全角に変換し,また,入力枠を右クリックメニューから削除する必要があります。
(注)開発タブを表示させるには,
(1) Word2007の場合 Word画面左上角のofficeボタン→「Wordのオプション」→「基本設定」の「Wordの使用に関する基本オプション」で「□[開発]タブをリボンに表示する」にチェック印を入れます。
(2) Word2010の場合 Word画面左上角の「ファイル」タブ→「オプション」→[リボンのユーザー設定]で,右側の「リボンのユーザー設定」の項から,「メインタブ」中の [□開発] にチェック印を入れます。

4 より快適な入力方法をめざして
 以上の入力方法では,(1)「当日」しか入力できない,(2)カレンダー表示により別の日にちが入力できても,半角入力が基本仕様である,(3)入力に付随して全角変換,入力枠消去などの手間をかけなければならないなど,不便が伴います。
 日本語の文書作成(日本のビジネス)の道具としては,基本的に,和暦で簡単に全角文字入力ができるものが,まず必要です。
 法律実務では,時期や時間が大きな効力の判断要素になりますので,訴状,準備書面,期日調書,判決書等を作成する場合には,事実の日にちの特定,手続の期日や期限等の記載が不可欠であり,文書の作成上,日付の年月日を記入する機会は数多くあります。その日付から法律的意味合いを深く検討しなければならない場合もあります。
 それだけに,日付の記入には,当日だけでなく,別の日にちについても,簡単,快適,確実に入力することが求められます。

5 Wordの友における年月日の入力
(1)カレンダー表示による和暦・全角日付の入力
 Wordの友Ver.12では,「当日」の年月日を入力する場合は,全角での入力を基本とし,(1)[計算]タブを選択,(2)[年月日]ボタンをクリック,(3)表示されたカレンダーから[転記]ボタンを押せば,当日の日付が即Word画面に転記される仕組みになっています。
 このカレンダーを表示させれば,和暦と西暦の対応,その年が閏年か否か,その月のいつが休日,祝祭日かも,すぐ知ることができます。
Wordの友の日付入力  Wordの友の日付入力

 数字を半角で入力したい場合には,年月日表示の右側の▼印をクリックすれば,右図表示のように和暦,西暦により種々の表示形式が表示されますので,入力したい表示形式を選択することができます。

(2)日付と時刻の入力
 また,このカレンダーでは,日付の年月日のほか,時刻も設定記入ができ,午前か午後か,12時間の時間設定,5分刻みの分設定ができ,分設定では直接数字を打ち込めば1分刻みの入力ができ,この時間設定の日付も入力することができ,時刻までを必要とする日時,期日の記入などには便利だと思われます。
 ここでも,入力したい表示形式を選択することができます。
Wordの友の日付入力  Wordの友の日付入力

(3)翌日,1週間後の日付の入力
 Wordの友のカレンダーでは,「当日」の表示,入力のほか,[翌日]ボタンをクリックすれば,カレンダーには翌日がマゼンタ色で表示され,さらに[1週間後]ボタンをクリックすれば,その1週間後がマゼンタ色で表示され,必要ならば,[転記]ボタンで,Word画面にその日付を挿入することができます。
[翌日]ボタンを3回クリックし,
3日後を示したところ
Wordの友の日付入力
さらに[1週間]ボタンを1度クリックし,
1週間後を示したところ
Wordの友の日付入力

(4)カレンダー表示による日にち間計算
 このカレンダーでは,「12/10」をクリックし,続けて「12/27」をクリックすると,この日付間の日数計算をし,その結果を日数表示欄に表示する機能もあります。
Wordの友の日付入力
 また,日数表示欄に,例えば「100」などと日数を入力すれば,基準となる「12/10」から100日後の日付を求め,これをカレンダーに表示させることもできます。

(5)Word画面に記載の日付をカレンダーに表示する
 さらに,このカレンダーでは,Wordに記入済みの日付をなぞって(範囲指定して),[計算]タブ→[年月日]ボタンによりカレンダーを表示させれば,その日をカレンダー上に表示させることもできます。
 こうした方法でも,その日付を基にして,和暦と西暦の対応,閏年か否か,何曜日か,休日,祝祭日か否か等の情報をたやすく得ることができます。
Wordの友の日付入力

 こうしたカレンダー表示による入力方法により,文書作成上の日付入力と日付間の日数計算は,大幅に効率化が図られていくものと思われます。




法律実務家のための文書作成ツール(Word機能拡張ソフト)の活用

2013.12
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