理想とするロケット

さて、現状で理想に近いロケットというとなんになるのでしょう?

アリアン?ソユーズ?
本当は、H2Aと言いたいところですが、あえてここは「サターン」といきましょう!

理由は、現在唯一の「宇宙船」だから・・・

よく勘違いされるところなのですが、H2Aにしろアリアンにしろ、実際には地球の周りをちょっとまわる程度の高度にしか上がっていないんですよね。
第一宇宙速度を突破することと、地球圏を突破することはイコールではありません。なぜ、アポロがつきに向かう際、何度も地球の軌道上を周回してスイングバイをかけたのか?第2宇宙速度を得て、地球の引力圏を脱出するためなのです。
月が地球の「離れ」に過ぎないという見方があるにせよ、他の天体まで人間を運んだのは、いまのところ「サターン」型(アポロ)だけです。
やはり、ロケットと名乗る以上、限りなく「宇宙船」に近づいてほしいところです。
実際には、現状の宇宙開発、宇宙ステーション建造が軌道に乗れば、「宇宙船」そのものは軌道上で組み立てるという方法で他天体への足がかりとするでしょう。
そうなると、宇宙空間と地上を結ぶのは、現状のシャトルを改良したもの、或いはHSSのような超高高度旅客機が主流になるでしょうね。
また、クラークが自作の「楽園の泉」で書いている通り、地球環境への影響を考慮に入れれば、遠未来的には「軌道エレベーター」(スカイフック)が注目を浴びることと思います。

何が言いたいのかというと、SF的にもロケットと言う設定はクラシックなものだということです。

でも、ビジュアルで考えると、白煙を巻き上げながら、天空にまっすぐ伸びていくロケットエンジンの描写は絵になりますし、マスドライバー(超大型の発射台と思ってください)を経由して天空に上がる流線型の宇宙船は単純に格好いいと思うのは私だけですか?
他の人はどう考えているかはわかりませんが、私の考えるロケットは、まず第一に「人を乗せていること」、次に「宇宙船」になり得ることです。
もうひとつ言えば、あくまでも地上と宇宙空間を結ぶものという定義です。

軌道上から他天体へと行くものは、宇宙船ではあっても「ロケット」かどうかは微妙だと思うのですが・・・

このあたりの考え方、かなりわたくし基準であり、色々と反論もあるかとは思いますが、いかがでしょう?

H2Aがもっと改良され、私の考える「理想」に近づくといいのですが・・・ただ、日本のシャトル計画というのは、いまでも「無人機」の筈なのです。
HSSをロケットと呼んでいいものかどうか。

一応、いままでを整理するとこうなります。

1、有人機であること
2、発射地点は地上
3、単に大気圏を突破するだけでなく、他天体への航行も可能であること

上の点を考えると、フィクション世界では「テッカマン」に出てくる「ブルーアース」号が一番理想に近いのかな?

遠未来的には、拙作の自作小説「止まらない車輪」に出てくる「力場制御」のようなロケットエンジンを用いない機関が発明される可能性もあるかもしれませんが、あの発射の瞬間のドラマ性には及ばないと思います。


とりあえず戻ろうか・・・