ストラトス4に思うSFと萌え・・・

◆ストラトス4とは・・・

近未来の地球。オールトの雲(SFではお馴染みの設定だ)に太陽系は突入。未曾有の彗星、隕石の大ラッシュに遭遇した人類。
「天体危機管理機構」を設立した人類は、軌道上のオービタルステーションからの迎撃を担当するコメットブラスター(以下CBと略)と、地上の航空基地より超高高度迎撃機で成層圏での迎撃を任務とするメテオスイーパー(以下MSと略)に組織を分け、地上防衛に当たっていた。
本編は、CBを目指し、MS基地で訓練に明ける16歳の主人公本庄美風と、その仲間たちの物語である。
余談だが、原作と監督を担当したもりたけし氏は有名なトレッキーであり、随所にSFテイスト満点な設定が息づいている。
しかし、詳しくは公式サイトを見てもらえば分かるのだが、http://www.stratos4.jp/
設定の随所に、昔懐かしい「謎の円盤UFO」を感じるのは、私がお達者なせいだけか?(笑)
ちなみに私はネット配信にて、全話視聴しました。

◆魅力的な設定

まず彗星の破砕方法であるが、某○ルマゲドンのように、気合の入った石油採掘技術者は使いません。彗星本体に乗り込むなどもってのほか!
この作品では、トライデントミサイルと呼ばれる特殊兵装を用います。ミサイルは、目標の手前で三方向にエネルギーが拡散、後に集約。力場中央よりプラズマを放射。そのプラズマがカッターとなり彗星を破砕するというものです。ここでよく考えれば、力が作用反作用で無効化される宇宙空間では、そんなことをするより、ミサイルの拡散方向をもう一方向増やして、四方より囲えば(三角錐ですね)完全に力の逃げ場所が抑えられるのではないのかとも思うのですが・・・禁句っすか?(^_^.)
さて、彗星も質量がかさめば、CBのトライデントミサイルだけでは処理し切れません。
そこでMSの出番となります。
高度数万メートルまで、一気に上昇したMSは、たった一撃のミサイルで彗星の破片の破壊に向かうのですが、このあたりの緊迫感はなかなかの出来栄えです。また、CBもMSも機体のデザインが良く、いわゆるアニメ絵なデザインとは一線を画しているといってもいいでしょう。特にCBの機体は、いささか合体メカの余韻はあるものの、単にアポジモーターを用いるのではなく、地球の重力と上層大気で軌道をコントロールする設定といい、現状のシャトルのデザインを用いたデザインといい、ロケッティア的には気に入ってます。
MSの使用する超高高度迎撃機、TSRにしても同様、無駄のないシルエットで、考案した人はかなりの航空機マニアと見た(^o^) 私的には、NASAのXシリーズを思い出しましが・・・分かる人だけ頷いてください・・・
ところでしつこいようですが、私はTSRの設定を見て、インターセプターを思い出しました・・・

◆確信犯としての萌え

まず、各主要登場人物のほとんどが若い女性である(笑)
むやみに短いスカートをはいている(笑)
そして、やたらとパンツを見せやがる(笑)
お約束の入浴シーンはありやがる(笑)
女の子の一人は、妙に寡黙でやがる(笑)

・・・いや、あのね・・・オジサンはもうそういうのでは喜ばないのよ(汗)
エロには、もっと「愛」を入れようよ・・・いや、そうじゃなくて^_^;

これだけ、SF的、科学的に本格的な世界観を作り上げたくせにこういうお話・・・てめえら、企画を通す時、絶対に「美少女もの」なら儲かるというような文言を入れただろう!!といいたくなります。
もはや、商品としてアニメを作る時には、「萌え」は欠かせないのか?
少なくとも、それでだまされる大きなお友達は・・・まだいるかも知れないなぁ^_^;

それと他の不満な点
(以下ネタバレ)お話の中で、エイリアンの侵略なんて本当に必要だったのか? 仲間との友情を描くのに、エイリアンの侵食というテーマ以外の方法はなかったのか?もっとも、それによる非常事態がなければ、最終回でのクライマックスは描けなかったのでしょうが・・・
もうひとつは、タイトルになっているストラトス4! 結局、地上からの宇宙迎撃機であるストラトス4(本当の機体名称はストラトス0)が活躍しなかったこと。
余談だが、このストラトス4、機体単体の性能としては、描写はさりげないにしろ、とんでもない性能である。なんといっても「普通に滑走路を離陸して」宇宙に行くのである!! カタパルトも、マスドライバーも用いません。
成田発の航空機で宇宙に行く・・・そんな感覚だと思えばいいです・・・この機体は、全面特殊樹脂か、超高密度カーボンか!?

◆SFのお約束

SFに美女、美少女は不可欠なものかもしれません。
古典ではバーバレラしかり、スターウォーズのレイア姫だって、見る人が見れば、美人でしょう(私の好みではないが)
最近では、トゥームレイダー、国産では「星界」シリーズか?
萌えの種子は、古くからSFマニアの間でばら撒かれ、それがアニメファンに流布したのか?とふと思ってしまった私は、考えすぎなのでしょうか?
しかし、短いスカートにむやみやたらに興奮する、といった単純なものでいいのでしょうか?
私が、「物語」に主眼を置いて、作品を見るからなのか?
いや、ストラトス4の場合、作品の世界観がなまじ良く出来ているだけに、なぜ無闇に萌えの要素を入れたのか、商売的な意味以外では理解できないのですよ。
こんあ考え方、古臭いのでしょうか?
でも、本当に良く出来た世界観だっただけに勿体無い(しつこい!)

こういう「失敗(?)」を犯した作品、他にもあるかも知れませんね。

しかし、ロケッティア的には、メカニックスだけは満点を差し上げたい!!

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