設定集決定版1:歴史編 |
1.精霊族の誕生 遥か昔の、原初の世界「ダイ・アモル」では、さまざまな魔法実験が行われていました。 その一つとしてホムンクルス(魔法生物)製造が上げられますが、その実験は困難を極めたといわれています。 数え切れない失敗の末、どうにか下等生物の製造には至ったものの、人間に代表されるような高い知能とを持つ生物の作成には至らなかったといわれています。 しかし、その実験の最中、ある事故が起きます。魔法生物の核を作り出す段階で、通常を遥かに超える『マナ』が流れ込み、制御が出来なくなってしまいます。実験施設の大半が使用不能になる中、その中心には一人の赤子がいたのです。 外見はエルフのようですが、明らかに違う存在。いつからか、研究者達は『マナ』を統べる伝説の存在「精霊」の名をその赤子に与えたのでした。 2.精霊族の独立 その後、技術の進歩や製造過程の見直しから、次第に精霊はその数を増やしていきます。魔法生物でありながら知能と感情を持ち、また自己の子を残す事もできた精霊達はいつしか他の種族達の手を離れ、人知れぬ森の中に自分達の国家「インブライト」を作りました。現在、精霊界の名前となっているインブライトの由来はここにあります。 優れた魔法技術を持ち、次第に勢力を強めていく精霊達。彼らと妖精たちは、もともと価値観や種族としての特性が近かったため、友好関係にあったのですが、人間達は彼らの存在をあまり良く思っていなかったようです。なぜなら人間の目から見た場合、彼らは他の魔法生物同様、兵器や奴隷でしかなく。彼らを滅ぼす機会を狙っていたのです。 また、精霊が人間の手によって作られた事も後の悲劇を招く結果となったのです。 3.精霊狩り 人間達は彼ら精霊族の弱点を熟知していました。まず第一に、マナが無ければ生きていけない事。これはマナから生まれそれを生命活動のエネルギーとしているためです。第二に、精霊族の核こそ彼らの本体であり、心臓であり、そして弱点であること。また、その核自体が強力は魔力を持った結晶で、加工次第で魔法の品として使えると言われていたのです。 いつしかそれは「精霊の核を手に入れれば大金に化ける」という形として広まり、世界中の無法者や軍隊達が彼らを狩りあさったのです。もちろん人間の中でも彼らと共存していく事が必要と言う者もいました。しかし、その声に耳を傾ける者は無く、逆に反逆者として裁かれて行ったのです。 また、妖精達は彼らを守る側に付きましたが、それでも守りきれるほどではなかったのです。当時人間は人口、軍事力共に、他のどの種族の比ではなかったためです。 次第に数を減らし、追い詰められていく精霊達。そんな中、最後に生き残った2人の精霊は、自らの持てるすべての力を開放し、その結果ダイ・アモルとは異なる世界が誕生しました。 4.インブライトの誕生とダイ・アモルの崩壊 新たな世界を作り出した2人の精霊は、その時の過負荷によって核が砕けてしまったのですが、その破片からこの世界の最初の住人となる12人の精霊が誕生します。12人の精霊達は、かつての精霊族ほどの魔力は持ち合わせていませんでしたが、断片的に記憶を引き継いでいました。 そして、その記憶からこの世界の名を、かつての精霊国家の名である「インブライト」と定めたのです。 一方、ダイ・アモルでは無計画なマナの使用により、世界自体が崩壊の危機にありました。残り少ないマナをめぐり、世界中で争いが起こったのですが、それはやがて、人間と妖精との戦いへと変化していきます。普通であれば人間側の圧勝で幕を閉じていたでしょう。しかし、かつても精霊との共存を訴え、そしてその思想に共感する者が次々を妖精たちの側についたのです。しかしその結果、戦いは激しさを増し、ついにはダイ・アモルそのものが崩壊してしまうという皮肉な結果となってしまったのです。その際、世界は2つに引き裂かれ、一方は人間達が住む世界「アルディン」。もう一方は妖精と彼らとの共存を望んだ人間が住む世界「エピード」になったのです。 5.ゲートの発見 時を経て、代を重ねるごとに、精霊達から、かつての惨劇やダイ・アモルの事は忘れられ、次第に創世記のような存在になって行きました。しかし、ある事件がその事実を再び精霊達に知らしめたのです。 何も住まない極北の地で、ある冒険者が発見した光の柱。そして、それ程の規模では無いものの、いくつかの光の柱が見つかったのです。また、古くよりある日突然人が消える現象「神隠し」もしばしば起こっており、この柱が何なのかの研究が行われるようになりました。 その結果、この光の柱は他世界へと繋がる扉であり、世界を超えて対流する『マナ』の通り道だったのです。そして、この扉を用いて他世界に行く事が出来る。そう考えられるようになり、この柱を「ゲート」と呼ぶようになったのです。また、インブライトでもしばしば目撃されている妖精(フェアリーやスプライト等、小型の物に限られます)や、魔物はゲートを介してインブライトに紛れ込んだのでは…という説が、後々の通説となっていきます。 ちなみに、巨大ゲート(グランド・ゲート)を発見した冒険者は、その後更なる冒険を求めてゲートへと身を投じたと言われていますが、彼がその後どうなったのか…それを知る者はいません。 6.マナ機関の発明〜現在 雷精都市ラバハキアで発明され、今や生活の一部として溶け込んでいるマナ機関。その始まりはほんの小さな偶然でした。 ある学者によって、水晶に魔力を蓄える力があることが分かり、それを研究成果を発表する最も効果的な方法として、水晶を用いたランプ(後に水晶ランプと呼ばれる物です)を作りそれを発表したのです。 当時としては画期的な技術であり、またその学者もそのノウハウを教えたいという考えから、ラバハキアに学校を建設しました。そしてその卒業生達によってその技術は世界中へと広まり、今もなお、研究や改良が続けられているのです。 しかし、このマナ機関には一つ重大な欠点もあったのです。それは、その機関の大きさに比例した『マナ』を消費していくのです。前述の通り、マナが無ければ精霊は生きる事すら出来ません。そのため現在では、ある一定以上の出力を持つ機関の製造は、著しく制限されています。 ちなみに、現在最大と言われているのが、大陸間連絡線「クイーンサイレン号」の機関として使われている物ですが、これ以上の物を作ることは、現実的に不可能と言われています。 時代設定としては、現実世界の16〜17世紀。しかし文明レベルは産業革命の頃という世界…それが、後にアルフ達が生まれ、育ち、そして冒険へと旅立つ世界「インブライト」なのです。 |
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