June.2004








『the EYE』(『the EYE』 【アイ】)

角膜移植手術を受けた女性が、人間の死に対する予知能力を身に付けてしまい、怖〜い目にあうホラー・サスペンス。

香港・タイ・イギリス・シンガポールの合作らしいです。アタシにとって、こういったアジア混ざりの合作映画を見る機会ってあまりないので、どんなもんかいなと思ったのですが、けっこう面白かったです。アタシが日本人だからっていうのもあるのかなあ、やっぱ怨念系はコワい!!!!! ハリウッドでメジャーなスプラッターやサイコ系ホラーよりも断然コワいよぉ!!!! ちょっと見てみようかなっていう方、エレベーターのシーンにご注目であります(冷や汗出ますわ、ホンマに)

ハナシとしては、以前に『ブリンク』っていう映画が取り上げてた題材と似ているので、特に目新しいというワケでもないし、「それで結局どうなるの?」と、人によってはオチにやや消化不良な部分が残るかもしれませんが、全体的にはなかなかいいカンジに仕上がってます。ほんでもって、主人公役のアンジェリカ・リーが本上まなみに似てました(笑)

『視力語彙』って言葉があるんです。目の見えない人って、触覚でモノを判断しますよね。触ってカタチを確かめて、「これはリンゴだ」と判断する。でも、長い間そういう生活を送っていた人が、ある日突然パッと目が見えるようになったところで、いきなりリンゴを見せられても、それが何だかわからない。手にとって感触を味わって、初めてリンゴだとわかるんです。そういうのを視力語彙と言うそうな。これってツラいですよぉ。視覚と他の感覚に大きなズレがあるわけですから。

視力語彙については、7年ぐらい前に、ミラ・ソルビノとヴァル・キルマーが出演していた『At First Sight』という映画で、もうちっと深く取り上げられていました。なかなか切ないビターな作品でした。日本未公開作品でしたが、キャストは結構メジャーどころが揃ってるので、DVDぐらいは出てるハズ。。。。興味のある方はどうぞ♪







『Kill Bill vol.2』(『キル・ビル〜ザ・ラブ・ストーリー』)

主演陣のミョーに気迫溢れる日本語と血なまぐさいストーリーで日本を沸かせた『Kill Bill』のその後。

なんかフツーだったなあ(笑) いや、十分ヘンなんだけど、前作があまりにもアホモード・フル・スロットル!!!ってカンジだったから、すごくフツーに見えた気がする....。登場人物の心情云々とかいうソフトの面よりも、気持ちいいぐらいの大雑把さを楽しむべきですね。矛盾点とか、「ありえねーよ、そんなの!!」みたいな細かいトコにイチイチ気を取られてたら、全然ついていけなくなっちゃう。

前作では伏せられていた各キャラの過去だとか、ザ・ブライドの本名だとか、そういったものが全部明らかになるから、アタシとしては「へ〜へ〜へ〜へ〜」の連発でした。すべてがわかった上でもう一度Vol.1を見たら、もっと楽しめるかも。何よりも見どころは、ダリル・ハンナ扮するエル・ドライバーvsザ・ブライドの壮絶バトル・シーンでしょ!!! あれって....ぎゃーーー!!! 身の毛よだちまくりっす(ぞわぞわ) 踏んづけちゃだめだって、ユマ・サーマン(笑)

自らアホになってゲラゲラ笑える自信のある方、とってもオススメ!!! 個人的にはVol.1がとってもオススメですが、見るなら両方セットでどうぞ♪







『A Training Day』(『トレーニング・デイ』)

デンゼル・ワシントンのアカデミー賞・主演男優賞受賞作。実は意地汚いやり手の刑事と、新入り刑事の濃い一日。

やるぢゃんデンゼル!!!! アタシてっきり「この人は、悪人を演じられないつまんない役者だ」と思い込んでいたんだけど、これがなかなかどうして。悪役もかなりイケるねえ(感心) オスカー取ったのも納得の演技かな。観てる間、あまりの悪人ぶりに、デンゼルがマジでキライになっちゃったぐらい(笑) 新入り刑事役のイーサン・ホークも、なかなか頑張ってました。最近めったにお目にかからないし、何してんだろと思ってたらこんなトコロに出てたんだイーサン(^^;)

トム・ベレンジャーやスコット・グレンなど、他にも結構ゴーカなキャストが勢揃いでした。一番のビックリどころは、歌手のメイシー・グレイ!! エンドロールで彼女の名前を見つけて「うそぉ、どこに出てたっけ?」と、最初からもう一度早回しで見直しちゃいました。あのカッコじゃわかんないね(笑)声でやっと判別できたってカンジでした。あと、スヌープ・ドッグも出てたので、ヒップ・ホップやソウル系の音楽がお好きな方にはオススメかもです。








『The Day after Tomorrow』(『デイ・アフター・トゥモロー』)

ニューヨークでは巨大津波で自由の女神が溺れ、東京ではメロンパンみたいな雹が人々を襲い、イギリスでは冷凍ビッグ・ベンが一丁できあがり。突然起こった異常気象で、北半球が氷河期に突入してしまうオハナシ。

これ、まぢでスゴいっすよ!!!!! 映画代ケチって「レンタルで観ればいいや」なんて思ってるそこのアナタ!! それってかなり愚考かも。ストーリー云々と細かいトコロを語る以前に、これは大画面で見るべき作品だと思います。プロットがワザとらしかろうが「あり得ねー!!」と叫びたくなろうが、それは横っちょに置いときましょ(爆) とにかく、目の前に繰り広げられる脅威の自然現象を見る事が一番大切なポイントです。実際に女神の頭部にまで上った事があるアタシには、それがどれぐらいの高さかが想像できるので、津波が女神をパックリ飲み込んじゃった時、どんだけ怖かったか!!!

とにかく怖い、怖い、怖すぎる。前回のローランド・エメリッヒ作品『インディペンデンス・デイ(=ID4)』が(アタシにとって)かなりスカみたいだったから、今回もちょっと心配してたんだけど、予想を気持ちいいぐらい見事に裏切ってくれました。とは言え、逃げ惑う人間と大統領演説は完全に『ID4』の焼き直し。ま、それはご愛嬌ですかね(笑)

『ディープ・インパクト』よりも怖く、『アルマゲドン』ほどクドくない。なかなか良くできたパニック映画じゃないかと思います。ただ、ちょいと気になったのは、東京の町並みかなあ。現在の東京のハズなのに、なんだか昭和初期か戦後復興直後の日本みたいだった。だから言ってんぢゃん、映画撮る以上は、ちゃんとリサーチしなさいって。

別に名指しするつもりはないけど、あんたもそうだよ、『パールハーバー』のブラッカイマー!!!(刺)








『One Hour Photo』(『ストーカー』)

自分が写真屋で働いている事を最大限に職権乱用し、ある一家を徹底的にストーキング。果ては警察沙汰になるまで一家をひっかき回す、超ご迷惑オトコの悲しい人生ストーリー。

ロビン・ウィリアムス、めっっっっっちゃ怖ーーーーい!!!! こんなヤツいるんか!?ってぐらい精神的に病んじゃってるよぉぉぉ!!!! でもねぇ、認めたくはないけど、やっぱどこかにいるんだろうなあ、こういうヒト。と言うか、ここまでとはいかなくても、似たような人っているよなぁ。ヒトの一挙手一投足をつぶさに観察してるヤツ。そんで、自分でも「んな事言ったっけ?」みたいな、記憶にさえ留まってないような細かいトコを「Amandaちゃんはね・・・・」とかって、いちいちツッコミ入れてくる。気持ちわりーからやめてくれっつの!!!! まったく、うかつに動けないなあ、と、ちょっとウンザリしちまったです。

ところで、『ER』のベントン先生が刑事役で出演していました。始まって早々どアップでのご登場に、「あれぇ!?!?」と同時に叫んでしまったAmanda母娘だったのでした(笑)








『About Schmidt』(『アバウト・シュミット』)

保険会社をめでたく定年退職....したのはいいけれど、趣味も楽しみも持ってないシュミットさん。あげく、ヨメさんが突然死するという人生最大の危機に見舞われてしまった(慌) 第二の人生を求めてアメリカ各地をさまよう、オジさん版さすらいのロードムービー。

「身につまされる作品」とはこーゆーのを言うんだと思う。特に、趣味も持たずに仕事一辺倒で生きてきたオヤジ達には、ぜひご覧いただきたい(うちの父親じゃねーか!!・爆)

『第二の人生に戸惑う中年男』という結構シリアスな題材なので、ちょっと笑い事では済まない雰囲気もあるんだけど、ジャック・ニコルソンにシュミット役を演じさせる事でコメディ色もうまく出てたので、暗すぎずシリアス過ぎずの程良いサジ加減になったんじゃないかと思う。最近のニコルソンは「さえないオヤジ」役がかなりウマくなってきてるから、そういう意味ではとても安心して観る事ができた。これをダスティン・ホフマンやアル・パチーノにやらせたら、きっと面白くないんじゃないかなあ。最近ミョーにコメディ路線を意識してるデ・ニーロだと、小指の先ほど程度には面白いだろうけど、いまいちイメージに合わない。ダニー・デビートなんぞにやらせたら、しつこ過ぎて可愛げがなくなりそう(苦笑)

この映画には、シュミットの他にもう一人、影の主役がいる。シュミットが定年退職し、たまたまテレビで目にして援助を始める事になったフォスター・チャイルド、ンドゥグ君である。彼はスクリーン上に一度も姿を見せないけど、シュミットは劇中、定期的に、ンドゥグ君へ手紙を送っている。その内容がまた....(爆笑) 始めこそ「おいおいぃぃぃ〜〜〜!!」って、思いっきりツッコミ入れたくなる。でもこれが、シュミットにとっての『王様の耳はロバの耳!!』って叫ぶ穴のような存在で、すごく面白い。やたら面白いクセに、最後には泣かされた。くそっ、やられた(笑)