大雑把な天体導入方法

鹿角平天文台では自動導入装置を使っていますが、装置が古いので半手動で使っています。場合によっては、完全手動だったりします(笑)
赤道儀での手動導入のヒントになるかもしれませんので、大雑把な導入方法ですが参考にどうぞ。

大雑把な手動導入方法ですから、明るくメジャーな天体のみです。欲張らず6等前後の肉眼光度の天体を入れて見ましょう。
そうやって見てるうちに星空に慣れ親しんで、暗い天体まで導入できるようになっているはずです。
ただし鹿角平は星空観察に適した場所です。5cmファインダーでメジャーな星団雲が分かりますので、光害地での導入の参考にはなりません。

手動導入には、ある程度の星空にどんな星座がどこにあるのか知っておく必要があります(自動導入でも基準となる星を知らないとできません)。
ファインダーは5センチ程度のものがあれば、メジャーな星雲星団が確認できます。正立ファインダーの方が星図と見比べる時便利ですが、倒立でもけっこう慣れます。また導入用に40〜20mm前後の低倍率アイピースもあると導入のほか大型の星団雲を見るのにも使えます。
星図や星雲星団のガイド本を使って導入します。透明ファイルなどに視野円などを書き込んで、本と実際の星空のスケールをある程度つかんでおきます。ファインダーで見えるように本を逆さにしたり斜めにしたりしてみてくださいね。

導入方法
星雲星団が肉眼ではっきり見えたり、目印となる星とファインダー視野内で一緒に見えいる場合もあります。最初はそんな天体から見ていきますが、
そうじゃない場合のほうが多かったりします。M3球状星団の場合で説明します。

星図を読む

実際の星空


M3は星図でみると、アルクツゥルスとコルカリロの中間に位置します。実際に星空を眺めて、中間の位置にファインダーをあわせてもちょっとわかりません。
二つの星の中間といえ、ちょっと間隔が開きすぎていてみている場所が、中間からづれているのかもしれません。そこでアルクツゥルスとプリケリマと仮想の点で三角形をつくり、中間の精度をあげてやります。どうですファインダー内に見えませんか? 
探す星団雲を仮想の点として、見やすい星で三角や四角を作って(できるだけ正三角や真四角がいい)、仮想点にファインダーを向けるやり方です。
大雑把ですが意外とファインダー内に導入できます。

三角形を作って導入(α-ε-M3でなくα-ρ-M3でも作れる)

赤緯・赤経で導入(視野円7°)

もう一つは、近くにある同じ赤緯・赤経の星を使う方法です。アルクツゥルスとコルカリロの中間付近で一番明るい星が4等星のかみのけ座β星。中間よりズレていますが見つけやすく、隣にやや暗い41番星が並んでいます。βとM3はほぼ同赤経ですから、βをいれて視野分程度、少しだけアルクツゥルスの方に振ってやればM3がファインダー内に入っているはずです。なお基準にする星が離れている場合は、赤道儀の目盛環を読んで導入します。

もうちょっと詳しい手動導入方法は、池さんのHP眼視による星雲星団の世界手動導入マニュアルを参照してみてください。

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