[計算してみた2:本当の勝率]
現在のR点が50〜150点差あったときの上位者の勝率は、実際には
大体どのくらいだろうか
ほとんどの人が62.5%か、それに近い値を答えると思うが、実は違う。
「現在のR点は真の実力と比較して標準偏差120くらいぶれている」と
仮定すると、計算式は省略するが、2人の差は標準偏差170くらいでぶれる
ことがわかる。
ここで、2人の実力差が150広がる確率を20%、縮む確率を20%とする。
(※これは標準偏差170から荒っぽい計算で導いた結果である。)
残り60%は平均的な結果となる。通常であれば2人の実力差が変わらないのが
平均的な結果である。
しかし、R点には、それが表示されているだけで実力が変化する「R点の
心理的効果」が存在する。そのため、R点の上位者が下位者と対戦するとき、
上位者は実力が発揮できず、逆に下位者は実力以上の力を発揮する、といった
ことが良くある。
そこで、心理的効果を考慮し、平均的な結果を、実力差が減少する側に50
移動する。さらに、差を広げる確率を20%→10%に変更し、差が縮むか
逆転する確率を20%→30%に変更する。
結果、50〜150差の場合に発揮できる実力、確率、勝率は
+300 : 10% × 83.9%
+50 : 60% × 56.8%
−100 : 30% × 36.6%
∴ 勝率 : 53.45%
となり、意外に接近していることがわかる。
ちなみに実際にある時期の対戦結果から勝率を計算すると、ほぼ互角だった
らしい。
150〜250差の場合も理論上75%の勝率のはずだが、実際は・・・
+400 : 10% × 90.0%
+150 : 60% × 70.5%
±0 : 30% × 50.0%
∴ 勝率 : 66.30%
となる。
これも実際の結果から計算した勝率は約65.9%となっていたが、計算
結果と極めて近いため、ここまで行なってきた仮定は妥当なものではないか
と考えられる。
したがって、実際のR点差から導かれる勝率と、現実の勝率が異なる理由
は、R点自体のぶれと心理的効果によるものなのだ。