[3.早指しと15分・30分が同じ1局って・・・]

 

 2.で述べているように、R点は絶えず振動を繰り返す性質を持つ。

 しかし「最近50局で推移したR点の平均」などをとるようにすれば、一定値

に落ち着くことが期待できる。

 この期待は正しく、100局経過後に上記の操作をした「平均R点」が、実力

値から±80点以内にある確率は約95%である。

(一方「現在のR点」はこうならない。どうなるかは不明だが、恐らく、標準偏差

 が120ぐらいの正規分布になると思われる→[計算してみた]参照)

 したがって、最近50局のR点推移を尺度として使うのが望ましいだろう。

 しかし、ここで大きな問題が立ちはだかる。

 それは「早指し局・15分局・30分局が同じ1局である」ということである。

 

 実は、早指し局と15分局・30分局に必要な棋力には若干の違いがあり、はっきり

言ってしまえば「別のゲーム」といえるのだ。

 早指しに必要な能力は、第一感でミスの少ない手が浮かぶか否か、ということ。

他の能力はさほど重視されない、というか乏しくてもかまわない。勝敗は相対的

なものであり、他にどんな能力があってもこの能力だけで勝負はほぼ決まってしまう。

 しかし、15分局や30分局では、第一感能力が乏しくても、時間を掛けて誤り

を修正する能力や客観的な判断力があれば十分闘うことができる、というよりこれら

の能力のほうが重要であり、通常将棋というゲームではこれらのほうが重要視される。

 

 さらに、早指しであれば1日に10局以上指しこなすことも可能である。時間が短い

のも理由だが、より重要な理由は「考える必要が無いから頭が疲れない」からである。

これが15分局ではそうは行かない。1日5局指しこなすことはできるが、よほどの

実力者でもない限り、5局目の内容は1局目より明らかに悪い。

 さらに言うと、よほどの実力者で無い限り、たとえ有段者が指していても早指しの

将棋のほとんどは「鑑賞に耐えられない」。

 このような将棋ばかりの50局と、15分局・30分局の50局とを同列に比較して

公平であると言えるだろうか?

 

 個人的には、早指し局と15分局・30分局で配分率を変える事を提案したい。

  30分局: 4% (16±15)

  15分局: 3% (12±11)

  早指し局:0.5%( 2±1 )

ぐらいが妥当ではないだろうか。

 また、推移局数は「30分局の50局分」とする。

 すべて15分局であれば67局、すべて早指し局であれば400局分を必要とする。

 

 

[4.につづく]

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