Mirror
  
− written by 月音sama@月の音色 (arrenged by 相川氷牙)



 
 




 

 

 



    
                  い鋏は驚くほどよく切れた



           
大きな鏡は赤い絵の具をべっとりと付け そこにかな虚像をすことはない




     誰も本当のあたしを知っているものはいなかった

     あたしでさえ知らない「あたし」を 一体
が知っていると言うのだろう






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           だけが 本当のあたしを知っていたのかもしれない

     傷付く事を恐れ 嘘にまみれた偽りのあたしを いつも蔑んだ瞳で 鏡は
ていた





     
偽りの「あたし」を演じ続けてきたあたしは いつしか本当の自分を失ってしまったのだろう





               
きな鏡には 演じ続けてきた偽りの「あたし」がつまっている

               鏡に閉じ込めたたくさんの嘘は あたしを飲み込んで すべてを
し去ってしまった









           
鏡に映るあたしは 臆病で冷酷で時に優しく時に残酷










        
「だって   傷付きたくなかったの
                      
本当はひとりになりなくなかったの」








                      お願い



      誰もあたしを責めないで 
誰もあたしを傷付けないで 誰もあたしを嫌わないで









           
嘘でれた鏡は それ以上嘘を抱え込む事が出来ずに

             そこから 真紅に染まった
をこぼし始める






      
り落ちる 赤い雫

                     
りのあたし

                                     壊れた



























                
は 驚くほどよく切れた





                                               偽りのあたしを 切り刻むほどに









コメント(by氷牙)  “月音さんありがとう!!”    2001.1.6

月音さんのサイト【月の音色】で4664という線対称なカウンタを踏んだ記念にいただきました。
鏡のようなので、リクエストも「鏡」。単純すぎ(^^;)
それしか指定しなかったのに、ちょっぴりダークな、相川好みのものを書いてもらってしまって、相川かなりご機嫌です(笑)。相川の、‘VesperVerse’の中のPoem10『Sadistic Romanticism』に少し通じるものがありますかね。
どうもありがとうございました。
ちょっと、勝手にあちこちフォントをいじくってしまったんですが、良かったでしょうか……?

月音さんのサイト【月の音色】へは こちらからどうぞ。
壁紙も素敵だし、BGMまでついてるし、月音さんちで見た方が断然Goodです!


 

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