はじまりの日

──written by 紫月@LightLabyrinth



「今、何と言いました?」
ルヴァは本棚に本を入れようとした姿勢のまま振り返り、目を大きく見開いて問い返した。いや、本当はランディが何を言ったのかよくわかっていたのだ。だが、聞き返さずにいられなかった。

「あなたが好きですと、そう言ったんです」

ランディは、必死な面持ちでもう一度その言葉をルヴァに告げた。驚かれることは予測していた。そして、拒否されることも。それでも言わずにはいられなかった。募る思いは日増しに強さを増して、ランディの体の中をぐるぐると駆け巡っていたから。

「あー、私もあなたが好きですよ、ランディ」
「俺は、そういう意味でいっているんじゃないんです」
「………」

再びルヴァは、わかっていてわざとそう言った。彼の真っ直ぐな想いをどう受け止めたらいいのかわからなくて。どう応えたらいいのかわからなくて。

「ルヴァ様……すみません、俺ッ」
すっとランディは、本棚を背に立っているルヴァに近寄ると、本を持ったまま立ち尽くしていた彼を抱きしめた。
「こういう意味で、好きなんです」
「あーその……私はあなたと同じ男ですよ?」
「わかってます。でも、好きになってしまったんです。ダメだって思っても、どうしようもなくて」
「……あなたより8歳も年上ですよ?」
「年齢なんて関係ないです……え!?」

ランディは、そのルヴァの言葉に驚いて身を少し離して、同じ高さにあるルヴァのグレイの瞳を見返した。青空色の瞳に見つめられた地の守護聖の耳が、あっという間に真っ赤になる。

「ルヴァ様、今の言葉は……」
「ずっとかわいい弟のようなものだと思っていたんですけどねえ。いつのまにか背もこんなに高くなって……。ほら、この前私が転んで捻挫した時、ランディ、あなたが私をおぶってくれたでしょう?なんだかこう、頼りになるなってそう思って」
「ルヴァ様……」

ランディは、もう一度ぎゅっと強くルヴァの身体を抱きしめなおした。腕の中で軽く身じろぐルヴァの耳元に、訥々と想いの言葉を囁く。

「俺も、そうなんです。ずっとルヴァ様のこと、いろんなことを知っていて頼りになるし、尊敬してはいたんです。でも、あの日初めてあなたを守りたいって、そう思ったんです」
一度自覚した想いはあっという間に大きく膨らんで、気がついたらルヴァのことしか考えられなくなっていた。でも、それは自分ひとりだけではなくルヴァも同じだったなんて。

「俺、幸せです」
「……私もですよ」
「ルヴァ様?……キス、してもいいですか?」

けれどランディは、ルヴァの返事も待たずに行動に出た。彼の頬にそっと手を添え、柔らかな唇に触れる。突然のキスに、ルヴァの瞳は見開かれたまま。その唖然とした様子にクスリと笑うと、ランディは改めて目を閉じて欲しいと懇願した。

今度は触れるだけではなく、しっかりとその舌をルヴァの口腔へと忍ばせた。まだ、ぎこちないものでしかなかったけれど。躊躇いがちに応えてくるルヴァに、さらに愛しさを募らせて。

「あっ……ラン…ディ…」
「ルヴァ様、あなたを愛しています」
「……私もですよ」

お互いの想いを確かめ合うような口づけは、繰り返し繰り返し飽くことなく続けられた。部屋の窓からカーテン越しの茜色に染まった光が差し込むまで。




                  <END>

さんくすめっせーじ(by ひろな)     2001.3.5

うひゃ〜〜んっ! Viva!ランルヴァッ♪(笑)
紫月さんどうもありがとうございますv
いや〜、最初ランルヴァって聞いたとき、正直言って「へっ!?」とか思いましたが(苦笑)、いや、いいですね、ランルヴァ!
ルヴァ様のこと見直したかも私(笑)。今までルヴァ様にはゼッくん、という方程式がありましたが(とか言いつつ夢地もけっこう好き・笑)。
そかー、ランディとルヴァ様って、身長同じなんですよね〜。とか言いつつルヴァ様のプロフィール見直してしまった(^^;)。ごめんねルヴァ様、いつも「るばじい」なんて言ってて(^^;)。
放課後の夕暮れ時の図書館、どきどき告白タ〜イム!なかんじが、とっても純情チックでいいなぁと思ったHIRONAでありました♪ だってこの2人、純情コンビでしょ!? ゼフェル辺りに、見てらんねぇ〜っ!とか喚かれそうだわ(笑)。


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