●日朝平壌宣言を破棄して北朝鮮と戦え

  

 政府は六月九日入港の北朝鮮の万景峰号について、現行法の下では入港禁止はできないとの判断をし、また港湾法改正により入港を禁止することもせず、立ち入り検査や荷物検査を厳格に実施することで対応することを決めた。国の尊厳と国防をないがしろにする信じ難い政策である。米国等の正常な国家であれば絶対にあり得ない。

 金正日は万景峰号で、日本攻撃用の核・化学・生物兵器やミサイルの製造機械類や部品を日本から密輸し、それらを購入する資金も日本から不正に持ち出し、対日工作指令を伝達し、そして日本での武装蜂起計画の伝達とそのための武器の持ち込みも行ってきたのだ。

 それだけではない。金正日は日本国民を数十人も拉致してきた。日本領土に侵入して拉致したのである。明白な侵略行動、テロである。日本がもし正常な国家であれば、経済制裁や武力行使をして同胞を奪還する。これは法の支配、本来の憲法九条の支配を受ける日本政府の義務である。米国政府なら必ずそうするし、戦わない政府は国民が許さない。しかし日本ではそうではなかった。

 去年九月、小泉首相は田中均のお膳立てで平壌まで出掛けていき、「拉致被害者八名の死亡」を告げられたが(嘘であるが本当だと信じた)、席を蹴って帰国するのではなく、拉致の「ら」の字も書かれていない日朝平壌宣言に署名したのであった。「宣言」には、日本は過去の植民地支配を痛切に反省し心からおわびし、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注し、十月から正常化交渉を再開する。日本は国交正常化後に経済援助・協力を実施する。「双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した」「双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を順守することを確認した」と謳われている。

 この宣言は、金正日への屈服・支援宣言であり、売国外交以外の何物でもなかった。金正日は自国民を侵略支配して三百万以上を餓死させ、自由ゼロの恐怖支配体制を敷いている。この北朝鮮に謝罪するなど断じてしてはならず、することは人類に対する大犯罪である。日本のかつての朝鮮統治は、金正日体制より比較できない程すぐれたものであった。また金正日が、関連するすべての国際的合意を破って日本攻撃用の核兵器を既に製造保有していることは周知の事実であり、訪朝前にも、直接米国から首相に伝えられていたことであったのだ。

 金正日独裁体制が存続する限り、核兵器問題も拉致問題も解決しない。それなのに日本政府は、金正日の北朝鮮との間で国交を樹立し、大金を提供し、北東アジアの平和と安定を維持強化するために協力するとの政策をとったのだ。これは漫画ではない。日本の国益と国の存立と何十人もの同胞を敵国に売り渡す売国外交なのである。また二千万の奴隷的支配を受けている北朝鮮の国民を見捨てる外交だ。日本内部の敵である反日侵略勢力である日共や社民党が行う外交である。

 これは、単なる政府の思想的な誤ちや不十分さのためだけでなく、田中均をはじめ反日左翼が多く、日本の政策決定の中枢に潜入していることを物語っている。政府から左翼を一掃しなくてはならない。

 首相はサミット後、核・拉致問題を解決して平壌宣言に基づいて国交を正常化していきたいと語った。未だ誤りを認めず右宣言に執着しているのだ。万景峰号その他を入港禁止にしないのも、宣言を維持したいためだ。こんな思想では敵と戦えない。日本の存立がかかっているのである。国防と国民防衛は、法の支配が政府に課した最大の義務だ。直ちに宣言を破棄し、米国と強く連携しなくてはならない。国民も政府を厳しく批判していく必要がある。

                 二00三年六月六日記


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