● 新生ロシアの正体

 

 一、ソ連偽装解体消滅の芝居

 

 私は拙文「ソ連=新生ロシアの大謀略戦争」(九九年八月二○日記)でソ連解体消滅が超高等な騙しであることの証拠をいくつか述べた。まずそれを簡潔に繰り返しておこう。

 (1)自国民を四○○○万〜七○○○万も殺したあの全体主義国(独裁国)ソ連で、「共産党保守派」「共産党改革派(ゴルバチョフ派)」「反共・反ソのエリツィン派」の三勢力が権力闘争・内戦を展開したのであれば大量流血の大惨事になるのは必至なのに、死者はゼロに等しかった。そればかりか東欧で起ったような大規模な反政府デモも大脱走的な大量移民もなかったのである。それなのにソ連解体をめざすエリツィンが国家権力を握ったのである。

 (2)共産党保守派の軍事クーデターは、党も軍も政府も国民も全てを監視している秘密政治警察KGBの議長、内務省軍(治安部隊)を率いる内務相、そして国防相という暴力機関のトップも参加しているのだから勝利は明らかであるはずだ。だがクーデター軍は、エリツィンと議会前広場に集まった非武装の民衆の前に腰砕けとなり、内部分裂して無抵抗のまま三日間で降伏してしまったのである。

 (3)何百万もの民衆が結集したのだろうか。違う。わずか三万程度にすぎず、残りの九九七万のモスクワ市民は普段どうりの生活を送っていたのである(共産党員が動員されてデモ隊の演技をしたわけである)。

 (4)「反共・民主派のエリツィン」が国家権力を握ったのに、ソ連時代の共産党・KGB・内務省軍の国民殺害、迫害を告訴・告発する民衆はただの一人も現れていないのである。

 (5)クーデターの首謀者は誰一人として処刑されていないばかりか、暫くすると全員が恩赦で社会復帰してしまったのである。

 (6)新生ロシア政府の指導者には、ソ連時代の反体制派は一人としていない。全員が(元)ソ連共産党員である。

 嘘はスケールが大きければ大きい程本当らしく思える。西側自由主義国は、国民を国家テロルの恐怖で徹底支配する共産主義国の実態を知悉しておらず、自国のイメージからの類推で考えるから、ソ連共産党のエリートが国家ぐるみでソ連偽装解体消滅の「八月政変」の芝居をする、またそれが可能である、ということは夢想だにできなかったのである。

 だがもしも謀略の第一弾が九一年のソ連の「八月政変」であったならば、西側のエリートたちも疑ったことは間違いない。余程の無能者でないかぎり疑問を抱くはずだ。だからゴルバチョフは謀略の第一弾として「東欧革命」を演出していったのである。東欧諸国はソ連共産党の支配下にある。東欧諸国の軍も秘密警察もその国の政府には属してはおらず、ソ連軍とKGBの指揮下にあるのだ。ゴルバチョフは東欧諸国の共産党と軍と秘密警察に「民衆デモを弾圧してはならない」と秘密命令を出したのである。だからこそ東欧諸国の共産党政府は倒れることになったのである。

 これを見た西側のエリートも国民も、ゴルバチョフの秘密指令など知らないから「民衆の力の偉大さ」(幻想)を信じ込んでしまったのである。また介入しなかったゴルバチョフのソ連を「人間の顔をしたソ連」と信じ込むようになっていった。この第一弾があったからこそ、ゴルバチョフが一党独裁の放棄、複数政党制導入の政治的自由化、民主化の芝居を開始したときも、西側の人間の理性は麻痺して働かず、それらを無批判的に信じることになっていったのである。そしてソ連でも東欧諸国のような民衆の革命が勃発することを期待するようになっていった。だからゴルバチョフが謀略の仕上げである「クーデター」と「八月革命」の芝居を発動したとき、西側のエリートも国民も理性は消失し、ただただ熱狂的に盲信していくことになったのである。(なぜこのような大謀略を実行しなければならなかったかについては別の文で書いた)。新生ロシアはソ連の偽装国家なのである。

 人間は一度信じてしまうと、もう疑問を抱くことは出来なくなる。信じたことがらを大前提にして思考していくようになる。だから新生ロシアが発動する謀略についても理性は働かず、批判的に検討することはできず、盲信していくだけである。この間の西側諸国の状況がこれである。西側は洗脳されてしまっているのだ。

 洗脳から脱するためには、ただただ理性をもって論理的かつ批判的に現象を分析してみることが要求される。

 ソ連共産党のエリートたちが、西側を騙すために謀略戦争を仕掛けているのだとの仮説を立てて眺めてみれば、先の(1)〜(6)もその他のことも全て合理的に納得される。国を守る責務を負っている政治家、官僚、また思想家には、この思考実験を試みてみる義務がある。以下に補充していきたい。

 

 二、ロシアでは国家テロルの恐怖が支配する

 

 (1)以前、探検家・関野吉晴の「グレートジャーニー」というテレビ番組を観た。九七年(か九六年)の春にアラスカからカヌーでベーリング海峡を渡ってロシアのチュコト半島へ上陸したときの映像である。潮に流されて予定時刻も着岸場所も大幅に狂ってしまい未明に上陸したため、当地のKGBも対処できなかったのだろう。そのためにロシア人のありのままの姿がビデオカメラに収められていたのである。

 関野は路上に立って、朝工場へ出勤してくる労働者に微笑みながらロシア語で「おはようございます」と声をかけたのだ。一人で出勤する男性労働者三、四人にそれぞれ挨拶をしたのだが、誰一人挨拶を返す者はいなかった。そればかりか全員がにこりともせず、いちべつしただけで完全に無視した態度で通り過ぎてゆく者や、いちべつさえくれず関野たちがそこに存在しないかのように無表情で通り過ぎてゆく者ばかりであった。テレビで見慣れたロシア人と比べて全く異様な光景であった。

 だがこれこそが本当のロシア国民の姿なのだ。無許可で外国人と言葉を交わすことは厳禁されており、それを犯せば厳罰に処せられるのである。これがロシアである。西側のテレビに出てくるロシア人は全て演技をしているロシア人だ。一般庶民であれば、KGBからこのように振舞えと詳しく指示されて演技しているのである。こうして「お人好しのロシア人」(虚像)が創られているのである。これが「民主国家ロシア」の真の姿だ。徹底した国家テロルの恐怖によって支配されている自由ゼロの国家である。

 (2)次は妻が観たテレビ番組で、エリツィンの兄と母親を紹介したものである。多分NHKであろう。九○年代の初め頃だと思われるが正確な時期ははっきりしない。エリツィンの兄はレンガ職人であり、粗末な作業服姿で小さな家から出てきたのであった。また一緒に住む母親もエプロン姿で気さくなロシアのおばあさんという格好でいたというものだった。

 これはロシア国民が観れば子供を含めて全員が一発で嘘の芝居だとわかる代物である。なぜなら、ソ連時代であれ新生ロシア時代であれ、国のエリート(独裁者)たちは全員がその家族を含めて立派な宮殿や御殿に多くの召使いをかかえて住んでいるからである。日本のテレビ局はKGBにうまく騙されて、「市民派エリツィン」を日本国民に印象づける宣伝番組を作ったわけである。

 ソ連やロシアでは、エリートたちはどんな嘘の芝居でも平気で自ら演じ、また演じさせていくことができる、ということをこのテレビ番組は雄弁に物語っている。もしも日本の有力な政治家が同様な芝居をしたとすれば、すぐに暴露されて即刻辞任に追い込まれてしまう。だがソ連=ロシアでは、この嘘の芝居を暴露してエリツィンを批判した報道機関も民衆も誰ひとりいないのである。言論の自由、報道の自由は否定されている。KGB、内務省軍による国家テロルの恐怖が国民を骨の髄まで支配しているのだ。ソ連=ロシアがどれほど恐ろしい国かがわかるだろう。だが日本では外務省もロシアでは自由が保障されていると盲信してしまっているのだ。

 さらに極めて重大なことがこの芝居からわかる。この芝居の時期が「八月政変」の前であれ、その後であれ、エリツィンと共産党は敵対関係にあるから、共産党はこの嘘を取り上げて猛烈にエリツィンを攻撃しなければならないのに、そんなことは全くなかったのである。つまりエリツィンと共産党の対立そのものが嘘、芝居であるということなのだ。だから「クーデター」「八月革命」も演技であったということである。ゴルバチョフをトップとするソ連共産党のエリートが、エリツィン派(プーチン派)、ロシア共産党、その他の政党の役割を分担して対立の演技をしてきたのが「政治的自由が保障された新生ロシア」なのである。

 (3)昨年の秋、八六年のチェルノブイリ原発事故で被曝したロシアの子供たちが、日本の医療支援を受けたお礼にと首相官邸を訪れたことがあった。私はこのニュースをテレビで観たが一目で芝居だとわかった。なぜなら二十数名の子供たちであったが、女の方が圧倒的に多く、全員が一見して特権階級の子供であることがわかり、かつ美女美男ばかりであったからだ。彼らは被曝者ではなく、モスクワに住むエリートの子女なのだ。ロシアではエリートの子供も国家的謀略の一翼を担っているのである。もちろんこのことを暴露する者はロシアにはいない。その自由はない。

 笑って子供たちを迎えている小渕首相が写っていたが、このような選ばれた子供を見れば日本政府も国民もロシアに対して好感を抱くことになる。ロシアのエリートたちは、北方領土を餌にして子供たちをも使って日本からカネと技術を獲得し(奪い)、日本企業に極東、シベリア、樺太、北方四島を開発させて、日本侵略のためのエネルギー、工場、港湾施設、交通網等、軍需産業基盤を強化しようとしているのである。また日露友好協力関係を創り出して日米離間を狙っているのだ。ロシアに「法と正義」は無縁だ。侵略国ロシアは北方領土を返す意思など全く持っていないのに、ナイーブな日本政府は小さな子供のように騙されてしまい、上記の亡国外交を続けているのである。これは国家・憲法と国民に対する犯罪である。真正なエリートでないと国は守れないのだ。

 

 三、平然と嘘をつける日本共産党からの類推

 

 日本共産党委員長・不破哲三が『新日本共産党宣言』で次のように書いている。「私たちが、党の組織のあり方をなぜ『民主集中制』と呼ぶかというと、それはまず、党がものごとを決めるときには、民主的に議論をつくすからです。これが『民主』です。またいったん決まったことは、全党が、それを統一した方針としてその実行にあたる。これが『集中』です。私は、この二つの面をきちんと踏まえて活動するということは、近代的な政党なら、当たり前のことだと思っています。/方針を決めるとき、集団的な討論をしないで、党首ひとりで決定し、それを上から党に押しつけるのでは、民主的な政党とはいえません。・・・・・/だから、私たちは、党の大会というものをたいへん重視しています」(六九頁以下)。

 日共の恐ろしさはこうした真っ赤な嘘でも平然と書けることである。不破がこういう明確な嘘を公言しても党員は誰一人批判しないのである。上命下服の鉄の規律による独裁支配が「民主集中制」の本質であるからだ。日本共産党規約第十四条は「党の決定は、無条件に実行しなくてはならない。個人は組織に、少数は多数に、下級は上級に従わなくてはならない」と明記されているのである。

 九八年に日共を除名された国会議員秘書の兵本達吉という人が『正論』九九年十月号で「新日本共産党宣言を嗤う」という文を書いていた。彼によると日共の党大会とは次のようなものなのである。(1)大会決議案は党大会の直前になるまで知らされることはない。(2)発表されるとよく「学習」するようにと申し渡される。(3)党大会の代議員になる者は党の指導部が決定する。(4)代議員は党大会で賛成意見を述べ、拍手するだけである。

 つまり党大会は論議機関ではなく、指導部が決めたことを無条件に拍手でもって受け容れるだけの機関なのである。ソ連の共産党大会と全く同じなのだ。

 彼はさらに次のように述べていた。(5)党中央委員会は党幹部会の報告を聞くところである。(6)党幹部会は党常任幹部会の報告を聞くところである。(7)党常任幹部会は委員長(不破哲三)の報告を聞くところである、と。

 つまり日本共産党はソ連共産党と全く同じなのである。不破が「ものごとを決めるときには、民主的に議論をつくす」と事実を真向から否定する嘘を公言しても、党内から批判は一切出ないのである。そればかりか党員全体が日本国民を騙しているのである。自由主義国である日本においてさえこうなのだ。

 日共のことを書いたのは、共産党が国家権力を握っているソ連(=ロシア)や中国や北朝鮮がどんな国になるかを想像してもらいたかったからである。国家権力を取っていない日共ですらこうであるから、国家権力を握るソ連共産党ならばどんな嘘の芝居でも演じていくことができるのである。兵本達吉氏のような存在はソ連ではありえない。共産党を批判する者はすぐに監獄に入れられてしまうからだ。国家テロルによる恐怖による支配が貫かれている。だからこそ九一年の「クーデター」と「八月革命」の芝居も可能だったのであり、それを暴露する者が今日になっても出てこないのである。

 なお日共は〈日本共産党は自由と民主主義を守る〉〈議会制民主主義と複数政党制と政権交代制という民主主義制度を日本共産党が政権を取っても堅持する〉と言っているが、この甘い言葉は国民を騙すための宣伝であって真っ赤な嘘である。日共が政権を取ったら、ロシアや中国と結んで独裁支配を開始するのである。これらについては別の機会に書くことにしたい。

 

 四、偽装して支配するソ連共産党とKGB

 

 ソ連のKGB(国家保安委員会)とはいかなる機関であるのか。それは、ソ連共産党員の中でも最も忠誠心が厚く優秀な党員が所属する機関であり、ソ連閣僚会議(内閣)と同格の国家機関である。KGBはソ連共産党書記長(ゴルバチョフ)の指揮下で、全党、ソ連軍、内務省軍、全ての政府機関、全ての国民と全ての在ソ連外国人を常時監視する巨大な組織であり、国民弾圧機関である。また対外謀略工作を行なう機関である。

 西側諸国は、「ソ連共産党の解体とソ連消滅にともないKGBも6分割されて解体されたのだ」というロシア側の嘘宣伝をそのまま信じ込んでしまっている。だがKGBは解体などされていない。これは、KGBの総局や局に独自な名称を名乗らせて言葉の上だけで「独立」させたものであり、騙しである。KGBを解体するとは、共産党員である全メンバーを罷免し、ソ連時代の反体制派をもってその目的・機構を根本的に再編成したときにこそ言い得ることである。だがそのような事実は微塵もない。メンバーもソ連時代のままである。

 すなわち、新生ロシアのFSB(連邦保安局)やSVR(対外情報局)やFPS(連邦国境警備局)等の6組織はKGBそのものなのである。KGBの第2、第3総局と第4、6、7局、第10管理部等がFSBを名乗り、第1総局がSVRを名乗り、国境警備隊総局がFPSを名乗っている・・・だけである。国民恐怖支配の機関がそのまま存続しているのだ。KGBの存在は、ロシアが民主国家であるというのが真っ赤な嘘である明白な証拠である。

 元ロシア首相のプリマコフは、海外での謀略工作を担当するソ連KGB第1総局(海外諜報総局)の出身である。KGB出身なのに罷免されるどころか、ロシアSVRの初代長官に就任し、次いで外相となりそして首相になった人物である。大統領代行兼首相のプーチンも、ソ連時代はKGB第1総局に所属して東独で秘密工作活動をしていた。そして九八年七月にKGBの中核であるFSB長官となり次いで首相になった人物である。前首相のステパシンもソ連内務省の出身ではあるが、九四年にFSB長官に就任している。プリマコフ、ステパシン、プーチンと3代続けてKGB(FSB、SVR)出身者が首相になっているのである。そしてプーチンは次期大統領になる。

 KGBが存在している以上、ソ連共産党が解体してしまっているということなどありえない。ソ連共産党は厳として存在している。ただ、姿を隠し偽装しているだけである。KGBを支配できるのはソ連共産党しかいないからだ。ソ連共産党書記長・ゴルバチョフは、KGB(FSBやSVR等)を使って引き続き国民を恐怖で支配し、正規軍や内務省軍や政府機関を監視し、海外で謀略工作を行っているわけである。もちろんエリツィン前大統領もプーチン次期大統領も首相、閣僚も、ソ連共産党のエリートが偽装して演じているのである。与党の「統一」等も野党の「ロシア共産党」や「祖国・全ロシア」や「ヤブロコ」等もしかりだ。それらの人事もソ連共産党書記長が決定しているのである。

 新生ロシアはソ連の偽装なのだ。だから国民は誰一人として、ソ連共産党、KGBの大虐殺と大弾圧を告訴・告発しないのである。

 もう少し補足しよう。昨年十二月ロシア下院選挙が行われた。ステパシン元首相は反エリツィンの改革野党の「ヤブロコ」を支援した。その前の首相プリマコフは反エリツィンの中道左派の野党「祖国・全ロシア」を率いた。エリツィンに任命された首相が次には反エリツィンになる。こんなめちゃくちゃなことになっているのも芝居であるからだ。ソ連共産党のエリートは「ロシア大統領は、西側と部分的に対立することはあるが基本的には協調路線を堅持する。だが国内には、政権は取れないがあなどれないロシア共産党などの左派勢力がいるし、また多くの政治勢力が互いに対立しており、かつ離散集合を繰り返していて、ロシアは国内が安定しない弱国になっている」「ロシアではどんなことでも起り得る」と、西側自由主義国を騙しつづけているのである。

 ソ連時代、最大の軍事組織である軍隊がクーデターの動きを微塵も見せなかったのは、ソ連共産党・KGBが一枚岩で全てを監視していたからである。軍に少しでも怪しい動きがあれば、KGBがすぐ察知して即座に弾圧されたのである。

 もし新聞で報じられているように、KGBの中核であるFSBの長官を歴任したステパシンが改革野党「ヤブロコ」を支持して、その後のFSB長官であったプーチンと対立するのであれば、KGBは一枚岩ではなくなり、こんなことでは軍・政府・国民の監視は不可能になる。またエリツィンに任命された首相が解任されたら次々と反エリツィンになり、いくつもの政治勢力が互いに対立し合っているというのが本当であるならば、最大の軍事力を持っている軍隊も黙っているわけがない。軍事力を持つ組織が一番強いから直ちに反乱を起こすはずである。

 だがそうではない。つまり目に見える表層部分は全て演技であり、その裏ではソ連共産党・KGBが鉄の規律で全てをコントロールしているのである。理性を持って冷静に分析すれば見えてくるはずである。

 

 五、アメリカの保守主義者へ伝えて頂きたい

 

 日本はロシアにカネと技術を出して沿海州と樺太とを海底トンネルで結ぶプロジェクトを進めようとしているし、樺太と北海道を道路で結ぶプロジェクトも提案されている。これらは日本侵略用の軍事道路だ。

 私にはソ連=ロシアの政治(隠された意図)が見える。私の主張は親露の日本政府や保守の言論人には耳に痛いものだろう。だが自由主義国の政治は法に基づく政治である。憲法(正当な九条)は国防の義務を政治家、官僚、国民に課しているから、政治家、官僚には国を守る義務がある。これを私益、党益、省庁益のために無視するのは犯罪なのである。

 二十一世紀に日本と自由主義諸国が生き残るために、我々は戦いを開始していかなくてはならない。自由主義世界を守る力を持つのはやはりアメリカである。私の主張に一部でも共鳴できるならば、ぜひアメリカ各界の保守主義者のリーダーたちに提起をして頂きたい。

                 

                                   二○○○年二月二三日記



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