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明日へ
ナイツ達がワイズマンを倒した。
あまりにも大きな出来事がナイトディメンションをおおい尽くす。
創造主を失ったメアン達は混乱した。
ナイトピア消滅を最も望んでいたものがいなくなったのだから。
この計画は、どうなるのだろう?そしてナイトメアはどうなってしまうのか・・・
本来なら、メアン達を再びまとめ計画を続行すべき最強のナイトメアン
・・・彼は、何を思っているのだろう。
「リアラ様 御命令を!」
「リアラ様!」
メアン達は新たな司令官を頼って次々にやってくる。
しかし彼は椅子に座ったまま言葉を発しようとはしない。
「リアラ様!」
「黙れ!・・命令などない!」
驚いたメアン達が引き下がった後、リアラはまた物思いにふけってしまう。
・・自分は創造主の命令に従い計画を実行するために創られた。
ついこの間までただひたすら命令に従い動いてきた。主を失った自分に、もう、価値は・・・ない。
そんな自分が・・・命令など下せる訳がない! 自分は何をすれば良いのかさえわからないのに。
誰か・・・誰か教えてくれ・・・!
そんな思いばかりが頭の中を巡る・・・そんなある日。
ナイトメアの片隅から起こるざわめきに気が付き、近付いていくと
聞き覚えのある声がする。忘れようとしても忘れられない声。
「お前らまだわからないのか!?ワイズマンはもういない!
ナイトピアを消滅させるなんて、バカな考えは捨てちまえ!」
「ナイツ!!」
「・・・よォ、リアラ。元気にしてたか?」
「・・何故戻って来た?」
「忘れたかった。・・・・こんなイヤな世界は捨ててしまいたかった。でも
捨てられなかった。忘れようと、いろんな所を飛び回って、疲れ果てて、それでも、
ナイトメアの事、ワイズマンの事・・・・お前の事、頭から離れなかった。
・・・だから壊した」
「貴様、そんな理由でマスターを・・・!?」
「そんな理由ってなんだよ!俺は自分の意志で生きてるんだ!それに比べてお前・・・
命令されないと何もできないみたいじゃないか。まだワイズマンのオモチャでいるつもりなのか?
ハン、確かに、楽だよなぁ。命令に従うだけなんて、自分は何にも考えなくていいもんなぁ?」
「確かさっき言ったな。マスターを忘れられなくて、だから壊したと。俺も壊すのか」
ドカッッ!!
「目を覚ませ!!もう、自分に何かを教えたり与えたりするものはない!
これからの事は自分自身の力で切り開いていくんだ!」
リアラは殴られた右の頬を抑えながらナイツを睨み付ける。
「お前は俺と同じ力を持ってるはずだ。それに気付いて欲しい。お前なら・・」
「今さら何を言っているんだ?俺がお前に劣るとでも言うのか?」
「・・・わからないなら確かめてやるぜ!」
リアラは、確かにあの時、やられてしまった。だけどそれはナイツがビジターと協力していたためだと
思っていた。今回は自分もナイツも一人で戦う。だから絶対負ける気はしなかった。
それなのにどうしたのだろう、リアラは防戦一方で手も足も出ない。そんなはずはないのに・・!
「どうした?お前の力はそんなもんじゃないはずだぞ?本気でやれよ」
やってるんだ!本気でやってるんだ!・・・それなのに・・・
奴が強くなったのか?それとも・・・やっぱり俺が弱いのか・・?
「どうしてお前が俺に勝てないのかわかるか?」
「!」
「それ、ワイズマンに教わったんだろ、お前はいっつも同じ戦い方しかしてないんだ。
だからお前の動きは見え見えなんだよ。状況によって戦法を変えなきゃ勝てるわけないだろ!」
戦い方を変えろ、だと?この俺に?そんなの無理だ・・・
「どうしてそんな事ができないんだよ!俺にはわかる、お前はただのリモコン野郎じゃない。
考えてみろ。今俺と戦ってるのは誰の命令だ?・・・お前の、自分の意志なんだろ?」
その時ようやく気が付いた。
今までもそうだった。マスターは自分達が協力する事を望んでいた。でもいつも俺達は対立していた・・・
そうだ、誰の命令でもない、自分の意志だ。だから妙にお前と戦うのが楽しみだったんだ。
そんな簡単な事に今まで気が付かなかったなんて・・・お前はとっくに気付いていたのに。
そうして出遅れた事をどこかで感じていたのかもしれない。でも後に続く事を、 お前の真似をするような
気がしてためらっていた。でもそうじゃなかった。俺はお前に追い付こうとしているだけだ。ためらう事は何もない!
「わかった・・・俺の本当の力を見せてやる。さあ、かかってこい、ナイツ!」
「よく言ったあぁ!!」
猛スピードで突進してくるナイツに向かって、リアラは拳を固め、渾身の力を込めてナイツの胴体に突き刺した。
さらに動きが止まったナイツの首を掴み地面に叩き付けた。
「うおおおおぉぉぉぉぉっ!!!」
土煙の中で体中に激しい痛みを感じながらナイツは不思議な気持ちになった。
これがあいつの力、とんでもない力だ。・・・負けるかもしれない。でも何だかワクワクして、
もっともっと戦いたくなってしまう。こんなに興奮するなんて生まれて初めてじゃないか。
「・・くそぉ〜、やりやがったなぁ〜・・・」
「どうだ、これが俺の戦い方だ!」
「お・・面白くなってきたじゃねぇか!!」
お互いとっくに倒れていてもおかしくないのに、何かが二人を奮い立たせ、戦いは長く続いた。
でもそれも限界に達し次の一撃が最後になるという時。
「へへ・・どうやら気付いてくれたらしいなぁ」
「ああ・・・・・お前は、とっくに気付いてたんだろ?」
「いやぁつい最近なんだ。それまで何にも考えてなくて、ただ縛られるのが嫌なだけだった。
でもワイズマンを倒してから気付いたぜ。自由ってのがどんなに辛くて、楽しいものか・・・
俺は後悔なんかしてない。だからこうして、伝えに来たんだ」
「なるほど。それは有り難い事だな。お前の言いたい事が伝わったかどうか・・・見せてやる!」
最後の一撃、リアラは自分のパラループにナイツが飲み込まれていくのを目の前にした。
やっと・・・・やっとお前に追い付く事ができた・・・・・
リアラはそのまま意識を失った。
一方ナイトピアではピアン達が群がっていた。
「?」 「?」
「?」 「?」 「?」
「?」 「?」
「や・・・やられたぁ・・・・・や、やっぱあいつ凄ぇ・・でも・・う、嬉しいぜ・・・」
「?」
数日後。
「メアン達を集合させろ!」
「リアラ様!」
「リアラ様がお呼びだ!」
メアン達が喜々として集まってくる。待ちに待った新たな指導者の命令だ。
ひしめくメアン達の視線の先でそれを見下ろすリアラ。彼にもう迷いはない。
俺は自由を恐れていた。自由になって、全ての責任が自分にのしかかってくるのが恐かった。
でももう逃げたりはしない。その向こうに、お前がいるとわかったから。
俺は今、お前のお陰で前を向く事ができた。待っていろ、すぐに行って叩きのめしてやる!
「ナイトピア消滅計画は中止だ。イデアキャプチャーを破壊し、全てのメアンを撤退させろ。
そして、ナイトメアの再構築を開始する」
メアン達にどよめきが広がった。今までやってきた事を全て無にかえそうと言うのだ。いくらなんでもそれは・・・
「どうした!俺についてくる者はいないのか!?」
一瞬の静寂の後・・・
メアン達から歓声が沸き起こった。リアラの確固たる意志を感じ取ったのだった。
そしてその中で確かな手ごたえを、リアラは感じていた。
俺達の勝負は始まったばかりだ。今の気持ちを忘れない限り、きっと・・・また会うだろう。
その時を楽しみに待っていよう。それが俺とお前との約束だから。
いかがでしたでしょうか〜(^^
あんまり深くないけど、二人にはいつまでも
お互いを磨きあうような良いライバルでいてほしいという
願いがこもっています。
リアラの戦い方について、私はナイツが素早くてリアラが
力が強そうというイメージがあって、格闘させてしまいました。
最後の2行は二人の共通の思いなのでどっちのセリフとか考えてません。
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