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X年前の真実
 
 
ガンツとジャンガとの因縁を、彼等の証言等から推測して描いた彼等の過去です。
もちろんこれは勝手な推測なので正しくはないし、矛盾も多く残ります。
だいたい暴走してますから。
でも「なんとなく…」ではスッキリしないので、自分の考えを書き留めておこうという程度です。
みなさんはみなさんなりに、彼等の過去を描き出してみてください。
 
〜事件前の様子〜
 
バッツとジャンガの出会い
 
ジャンガは元々バッツを利用するつもりで近付いたのだと言っていました。
ジャンガと出会う前からバッツは腕利きのトレジャーハンターだったのです。
しかも幼いガンツを連れていながら。
(母親はどうしたのかわからないけど、話の中に一切出て来ないので
 ガンツが物心つく前に亡くなっていたという事にしときます。)
もちろんジャンガ自身も当時からかなりの実力者だったと思います。そうでなければバッツは手を組まないでしょう。
ただでさえ子供連れてるのにこれ以上足手まといは困りますからね。
そういうわけで元々ジャンガにはそういう下心があったんですが、
二人が組めば仕事の効率が上がるのも事実で、この段階では共生関係と言えます。
やがて二人は名コンビとして知られるようになります。
 
3人の生活
 
彼等はトレジャーハンターという仕事柄、ほとんど定住せずに世界中を旅していたと思われます。
そのためガンツには同年代の友達はなく、いつも遊び相手はバッツとジャンガしかいません。
…この辺から孤独に育ってます。でもこの頃はまだ良かったんです。
ジャンガにとってバッツは大事な金づるですし、ガンツにも優しく接していたことでしょう。
そして、実際に仕事に出かける時は、まだ幼いガンツを危険な場所へ連れて行くわけにはいかないので
宿屋かどっかに預けて出かけて行ったのでしょう。ガンツは一人で留守番…孤独です。
 
バッツのヒーローメダル
 
ガンツが持っていたヒーローメダルはバッツの形見でした。
しかしガンツはバッツがゴールドメダルだった事を知らなかったようです。
メダルの色を知らないということはメダルを持っていた事自体知らなかったのでしょう。
普通に身につけていれば気付かないはずはないので、バッツはヒーローメダルを隠していたと思われます。
もちろんガンツに対してだけではなく他の誰に対しても。そうでなければバッツは結構有名だったんだから
ゴールドメダルの事だって噂になっているでしょう。そうなればガンツの耳にも入るでしょう。
何故隠していたのかは今となっては知る由もありませんが、
恐らく「見せれば欲しがる」からではないでしょうか。それこそ、クロノアみたいに。
もちろんバッツもいずれはガンツにもメダルを持たせるつもりだったんでしょうが
メダルに振り回されるような男にはなって欲しくない、だからそうならないくらい成長してから与えるつもりだったと。
ジャンガが知っていたのは偶然見つけたか、バッツがジャンガにだけ見せてくれたのか。
 
 
〜事件発生〜
 
==※警報:ここから先は妄想スピード全開でお送りいたします。==
 
事件が起きたのは、ガンツがクロノアと同じくらいの歳の頃、だいたい5年前にしておきます。
彼等はムゥンズの遺跡へやってきました。
 
「噂以上にでけぇ遺跡だなぁ。こりゃお宝も期待できそうだぜぇ」
「だが手強そうな相手だぞ。油断すればこちらがやられる」
「へ、油断なんかするかよ」
「…なぁ、オヤジ」
「ん?」
「オレにもそろそろ仕事、手伝わせてくれよ。まだ本物の銃だって撃たせてくれないじゃねーか。
 もうオヤジにいろいろ教わったし、オレだって結構役に立つと思うぜ!」
「キキキ、ボウヤ、俺達の仕事はそんなに甘くないぜ?おとなしくねんねしてた方がいいんじゃねぇか」
「フン、オレだって銃さえ使えれば…」
「そうだな…いつまでも子供扱いしてはいられないな。お前もいつかは独り立ちするんだからな」
「じゃあ!」
「だが今回は初めての仕事にしては危険すぎる。ここでの仕事が済んだら、次からはお前にも手伝ってもらおうか」
「やった!約束だぜオヤジ!」
「フフ…仕事は厳しいぞ」
「足手まといにはなるんじゃねぇぞ」
 
いつものように、ガンツを宿に預けて二人は遺跡へ入っていきました。
 
「見ろよ…この辺りは誰も手をつけてないぜ…キキキキ、ワクワクするねぇ」
「…」
「どうした、バッツ」
「…襟元がざわつくんだ…何か嫌な予感がする」
「おじけづいたか?お前らしくもない。見た所大した罠もなさそうだぜ。さっさとお宝をいただこうじゃねぇか」
「確かに罠はなさそうだ…逆にそれが妙に引っ掛かるんだが…」
「そういえばさっきまでに比べて妙に広くなってきやがったな。ずっと奥に来てるはずなのに」
「もしかしたらここは、聖域に近い所なのかもしれない」
「聖域ねぇ。神サマでも住んでるってのかい?」
「わからないが、何かとてつもないものが隠されているような気がする」
 
そして、二人は遺跡の最深部へ…
そこで二人が見たものは、英雄ナハトゥムの伝説…そして…
 
「スターメダルだ!!スターメダルは実在するんだ!!こいつは…すげぇ…とんでもねぇお宝だ…」
「スターメダル…本当にあったのか…」
「すげぇぜバッツ!スターメダルを見つければ世界をまるごと手に入れたようなもんだぜ!」
「…」
「どぉしたよ?お前は最高のハンターだ…手を組んどいて良かったぜぇ!世界は俺達のもんだ!」
「ダメだ…忘れろ、ジャンガ!」
「あん?」
「これは俺達の手に負えない!見つけてはいけないものだったんだ!忘れろ!」
「何言ってんだよ!?お前それでもハンターか?最高のお宝を見逃すってのか!」
「俺は世界など欲しくはない…いや、世界は誰のものでもない、誰かが支配するなんて、それはあってはならない事だ」
「…おじけづいたかバッツ。てめぇゴールドメダルのヒーローだろうが!」
「バカを言え!俺はそんなつもりでメダルを持っていたつもりじゃない!スターメダルなど俺には必要無い!」
「そうかい…さすがにゴールドのヒーローは言う事が違うねぇ。御立派だよ」
「ジャンガ…忘れるんだ。スターメダルは、伝説の中で眠っていればいい」
「お前には参ったよ。わかった。ここは諦めて引き上げる」
「…ああ。行こう。ここが二度と見つからないように封印しなければ…」
「…」
 
        −−−−====≡≡≡≡≡====−−−−
 
    −−−−====≡≡≡≡≡====−−−−
 
−−−−====≡≡≡≡≡====−−−−
!!
 
「ジャン…ガ…!?」
「困るねぇ、封印なんかされちゃ…」
「お、お前っ!」
「わからねぇか?俺が諦めると言ったのは…てめぇだ、バッツ」
「な…」
「これ以上利用する価値はなくなったって事さぁ。安心しな、スターメダルは俺が見つけてやるぜ」
「待て!!」
「せっかくだからその銃も土産にもらっとくか。じゃあ頑張って毒がまわらねぇうちに医者でも探すんだな。
 おっと、ここは遺跡の最深部だったなあ。医者なんているはずねぇや、キキキキ」
「う…く、くそ…」
「ああそうだ。てめぇの可愛いボウヤにも別れの挨拶をしとかなきゃな」
「!!お前、まさか…」
「心配すんな。殺しゃしねえ。どのみち世界は俺のものになる。キキキ…」
「ガンツ…!」
 
その頃宿屋にいたガンツはいてもたってもいられなくなり、遺跡の側までやってきていました。
 
「オレももうすぐハンターの一員になるんだ…ちょっとぐらい慣れておかなきゃな。
 …オヤジ…早く帰って来ないかなあ」
「お?ガンツのボウヤ、こんな所まで来てたのか?」
「ジャンガ!?…オヤジは?」
「ああ、それがなあ、バッツの奴、罠にはまって身動きできねぇんだよ。俺一人じゃどうしようもなくて、
 助けを呼びに行くところなんだが…お前、その間バッツを見ててくれないか。頼むぜ」
「オヤジが!?あ、ああ、わかった!」
 
ガンツは遺跡の中へ入っていきました。
 
「…見つけられたらの話だがな。キキキキ、親子揃ってのたれ死にか、可哀想になぁ。さて、あの場所を
 誰にもわからないよう細工しておくとするか。どうすればいいかなあ」
 
ジャンガの毒は速効性ではなく、バッツはまだ辛うじて生きていました。そして息子を想う一心で
自力で出口付近まで這い出て来ていました。
 
「オヤジ!?どうしたんだよ!しっかりしろよ!」
「ガンツ…こんな所まで…来た…のか?」
「オレだってハンターだぜ!待ってろよ、すぐに医者を…」
「ガンツ…ジャンガを…止めるんだ」
「え…」
 
見るとバッツの背中にはくっきりとツメの痕が。
 
「ジャンガが…?まさか…」
「ジャンガは危険だ…ガンツ…あいつを…」
 
そう言ってバッツはガンツに何かを差し出しました。そして―
 
「…オヤジ?…オヤジ?嘘だろ?…返事しろよ…オヤジ…」
 
その時バッツの手からこぼれ落ちたのは…
 
「ヒーロー…メダル」
 
主の命とともにその輝きは失われましたが、遺志は確実に引き継がれたのです。
 
「………ジャンガあああああああぁぁぁッッ!!!」
 
ガンツはバッツの亡骸から銃を拾い上げ、走り出しました。
遺跡から出るとすぐにジャンガと出会いました。
 
「その銃…そうか、バッツには会えたか。偉い偉い」
「お前がぁ…お前がオヤジを!」
「その銃をどうするんだ?俺を撃つのか?」
 
じりじりと歩み寄ってくるジャンガ。銃を構えながらも恐怖で身動きできないガンツ。
父がジャンガに殺された事はわかっていました。ジャンガが憎らしくて仕方ありませんでした。
でも、つい昨日まで仲間だったジャンガを、彼は撃つ事ができません。
 
「なんで…オヤジを…殺したんだよ…仲間なのに…仲間なのに」
 
ガンツは銃を落としました。
 
「良い子だ、ボウヤ…」
 
ジャンガはそっとガンツの頭をなでました。昨日までと同じ、優しい笑顔で。
 
「あ…あ…」
「余計な事は考えるな。さ、宿に戻ってゆっくり休みな」
 
そう言ってガンツの側を通り過ぎ、遺跡へ向かって行きました。
ガンツは、頭の中が真っ白になりました。
 
―――…ジャンガを…止めるんだ―――
 
「!!」
 
ガンツは取りつかれたように銃を拾い、振り向き様に――
 
BANG!!
 
初めて撃った実弾の衝撃。深い哀しみと恐怖。多感な少年のか細い心と身体は、その場に崩れ落ちました。
 
    あいつ、笑ってやがったな。
 
          ◯
 
          ○
 
          о
 
          ・
 
ガンツが目を覚ましたのは、もう夜も更けた頃でした。
目が覚めてるのか、夢を見ているのか、ガンツにはわかりません。
 
    嘘だ。全部嘘だ。悪い夢見てんだ、オレは。
 
その時、一匹のムゥがガンツに襲い掛かりました。
 
「うわっ!」
 
驚きながらも、ガンツはとっさに、自分でも驚く程冷静に銃を撃ちました。弾は確実にムゥを貫きました。
弾けたムゥの身体からこぼれた夢のかけらがガンツの手のひらに落ち、吸い込まれるように消えました。
 
「オヤジ…?」
 
ガンツは感じました。父から教わった銃の知識と技術、そして父譲りの天性の射撃センスが彼を助けたのです。
父はここにいる。自分が銃を持っている限り、父が自分を護ってくれる。
ガンツは立ち上がりました。
昨日を振り返る自信も、明日を考える余裕もない…でも、自分は今、生きている。
 
「わかったよ、オヤジ。明日から…いや、今から、オレはハンターになる。
 そしてオヤジに…あいつに追いついてやる!」
 
ガンツが再び取り出したヒーローメダルはさっきまでのくすんだ色からブロンズに変わっていました。
 
 
〜それから〜
 
血なまぐさい話でしたね。これ本当に「クロノア」でしょうか。
随分暴走していましたが、もちろん信じちゃダメですよ。
以前描いた「ガンマン誕生」の絵にもつじつまが合うように無理矢理盛り込んだりしてますし(笑)
これが本当ならガンツが平気な顔してムゥンズに来られるはずはないんですから。
 
で、こういう事があってガンツは賞金稼ぎになって、「金色の死神」なんて異名がついて、今に至ると。(←簡単すぎ)
トレジャーハンターと賞金稼ぎでは微妙に違うようですが、英訳すればどっちもハンターだし、いっか。(ぉ
本当はクロノアも「1」で親を失う体験をしてるんですけど、ヒーローズではなかった事になってるようで。
ジョーカーの顔も忘れてんだもんな〜…
 
この「事件」がヒーローズの物語の全ての発端になったと考えると、
やっぱりヒーローズの主役はガンツということに…もちろんクライマックスはジャンガとの対決です。
ジャンガを倒した後も、ナハトの闇、つまりバッツが見つけてしまった「遺産」の後始末ってわけで
やっぱりガンツが主役ですよ。
じゃああのゲーム内容はというと、これらをクロノアの視点で描いたものだったというだけですよ。
だから、本当の意味での主役はガンツです。結論。
 
…ああ…すみません、すみません。

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