Side Shun

光輝兄は散々なデートだったと思っているけど、俺は幸せだな・・・なんて思っている。光くんのメアドをもらった。やっぱりこういうことを隠さないで済む友達はありがたい。
それに・・・光輝兄がヤキモチやいてくれたから・・・。好きだと言ってくれたものの、それからはあまり態度で示してくれるようなことがなかったので、怒られたときはもうお終いかな・・・と思ったけど、今はすごく嬉しかったりする。

「・・・どうした・・・?」

俺がにやけているのを不審に思ったらしい。

「だって、光輝兄俺のこと、抱きたいんだろ?」

「な!」

「そんな照れなくても」

「・・・・・」

冗談。これは俺の照れ隠し。兄が俺とセックスしたいと思うはずがない。でも、セックスで得られる以上のものを俺は得ている・・・様な気がする。





「お前・・・いつの間に花好きになったんだ?」

気がつけば俺たちは花屋の前にいた。今回ばかりは無意識だったけど、時々兄と一緒にいくことがある。

「知らないうちにはまっちゃってさ。結構癒してくれるんだよね」

「・・・水をやってるのはどこの誰だかわかってるんでしょうかね、お姫様」

愚痴を言う兄を無視して物色していると、ある花に興味をそそられた。まだ咲いていないんだけど・・・。

「ホトトギス・・・。渋い趣味だな、お前」

兄の言うとおり、花の写真を見た限りでは、派手と言うよりも、和風の空間に似合うというべきだろう。

「別にいいじゃん。気に入ったんだから」

「やれやれ・・・いくらだ?」

「今日は俺が出す」

安かったこともあり、俺が出した・・・この花を選んだ理由は・・・あの時の会話にあることは、秘密ということで。



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