6.

生まれて二十数年、需要自体少なかったものの、それでも女に不自由しなかったため、男の身体には興味はないと思っていたが、三上のは特別だな、柄にもなく思った。
高校生の裸など幼いだけだと思っていたが、三上は着やせするタイプのようで、それなりにしっかりとした身体が出来ている。
インドア派だからといって、甘く見すぎたようだ。


「ん・・・」

三上にリードされ、全身を愛撫しつつ、胸の突起に舌を這わすと、痙攣しているかのように三上が震える。
先ほどまでの冷たい顔とは違い、背筋が凍るほど熱かった。
これはサキュバスか。西洋の話に存在する、夢に現れて男を狂わせる夢魔を思い出す。
夢魔に取り付かれた男の末路は決まっているが、それはそれで仕方がない。
誘ったのは夢魔のほうだが、滅亡を選んだのは自分だから、覚悟を決めた。


「気持ち、いいか?」

頑なに口を閉ざし、答える気配がなかったので、片方を舌でやんわりと攻め、もう一つを手で弄んでやると、我慢ができなくなったのか、か弱い鳴き声をあげる。

「き・・・気持ち・・・いい・・・」

その言葉に満足し、広岡は熱い三上自身に手を沿え、上下する。

「あ・・・そこ・・・や・・・やだ・・・」

三上が剥がそうと手を動かしたけれど、広岡はそれをさせなかった。

「嘘つけ。よさそうだけど」

普段主導権を握れない広岡は、ここぞとばかりに耳元で囁き、先端の割れ目をそっと指でなでる。すると三上は驚くほど痙攣する。

「あ、あ・・・だけど・・・今は・・・あなたが・・・欲しい・・・」





「痛いか?」

ローションなんて便利なものはなかったので、仕方なく唾液を指につけ、頑なに閉ざしているつぼみをこじ開ける。
使われた形跡のあるそれは、広岡の想像より簡単に中を暴いていくが、進むたびに三上の顔が苦痛にゆがむ。


「へ・・・平気だから・・・」

そうか、ほんの少し安心して指を最奥まで挿入し、中でかき回すようにして動かすと、弱いポイントにでも当たったのか、苦痛とは違う愉悦のような、実に色っぽい顔に変化していく。

「・・・ぁ・・・」

ここが弱いんだな?見つけたポイントを執拗に擦ってやると、自ら腰を振って貪欲に快楽を得ようとする。

「ぁ、ぁ・・・そこ・・・もっと・・・擦って・・・」

言葉とは裏腹に、不満そうな顔もする三上。
そろそろ平気か?指を増やすと、最初は裂けるような悲鳴をあげたが、それでも三上に合わせながら動かすと、苦痛が快感に変わるのが分かってくる。


「ん・・・ふ・・・ぁ・・・いいから・・・来て!」

「もっとほぐさないと痛いぞ?」

「痛くても・・・いい・・・。だから・・・お願いだから・・・ぁ・・あぁ」

普段だったら絶対しないであろう「お願い」につい顔も緩んでしまう。
それに気づいた三上が真っ赤になりながら睨むが、本人もそこまで怒っていなかったようだ。
自分から足を開いて、広岡自身を受け入れようとする。


「くっ・・・」

女のと違い、男に挿入すべき場所は本来逆に使うところなので、勝手が違う。
指はすんなり入っても、それよりも一回りも二回りも太い自分自身を挿入させるのは、想像を絶するほど重労働である。
ましてゴムをつけているため、滑りやすくなっている。
だから、慎重に慎重を重ねて、しかし強引にねじ込んでいくしかない。
充分に慣らしていない状態だけでなく、広岡自身男に関しては素人であるため、三上の目尻に涙が浮かんでいるが、健気にも歯を食いしばってその痛みに耐えている。

そんな三上のためにも、さっさとするべきだな。

それこそ鈍い音がするくらい強く深く差し込もうとすると、耐え切れなくなって色気のかけらもない叫びを上げる。


「俺を殺す気です・・・か!」

「仕方ないだろう。きついんだから」

自分の下手さを知られたくなくてわざとデリカシーのない言葉を選ぶと、確かにそうだ、苦笑する。

「ったく、これだから・・・。しょうがない、あなたは寝ていてください」



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