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済まない・・・とは言っているが、柚月に反省している様子は全く感じられない。
どう考えても岬がその先を望んでいるのを知っていて、わざと手を離したのだ。
それもそのはず、彼は岬が『柚月とセックスしなくても平気』という意味のようなことを言ったのをずっと根に持っているのだ。
もちろん岬が何を意図してそう言ったのか・・・ということはしっかりと理解できているが、理性と感情は別物なのだ。
「そんな・・・ことは・・・」
「しかも・・・さっき『やだ』って言ったじゃないか」
何も触れずとも天を向き、小刻みに動いている岬自身は意図的に無視し、わき腹をそっと触れてやる。
触れられた岬の身体が大きくしなった。
「こんなところも感じるんだな」
わざと感心したような声でつぶやく。ちょっと意地悪気味な言葉にすら岬が煽られることを、彼は知っている。
「は・・・ぁ・・・」
「本当に・・・エロいよな、お前って」
そんな身体にしたのは柚月なのだが・・・。
「うん。気持ち・・・いいから・・・これ・・・はずしてください・・・」
いい加減自由にならない腕をどうにかしてほしい・・・岬は懇願するが、柚月の答えはなんとも残酷だ。
「別に、そんな必要ないだろ」
「な・・・」
珍しく強引な柚月に岬が戸惑っている。
普段の柚月なら岬がお願いすれば、基本的にそのとおりにする。柚月はそんな男だ。
だから岬には『ヘタレ』扱いされるのだが、たまには意地悪したくもなる。
「はずして逃げられても・・・困るしな」
さっきの気楽なものから少し口調のトーンが下がる。
『逃げられたら困る』この言葉にはそれだけで表すことのできない柚月の本音も混じっている。
岬を腕の中にいつまでも閉じ込めておける自信は持っていない。
「いっそのこと・・・」
がんじがらめに縛ってしまえばいい。そうすれば・・・。
「先輩って・・・俺を信じないんですか・・・?」
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