ＰＡＧＥ．４３

つたない自分の舌で感じてくれるのが嬉しい。もっと乱れてほしい・・・岬は一生懸命柚月に口づけをする。
何か柚月を食らっているみたいだ・・・そんなことを思ってしまうが、それだけ自分の欲望が抑えられなかった。

「・・・っ・・・！」

「ねぇ・・・どうしてほしい？」

「ちょ・・・ちょっと・・・待て・・・」

そんな彼に抵抗を見せる柚月。そんなお願いなど、嫌だ。止めさせるものか・・・と押さえつける岬だが、力は柚月のほうが上だった。あっけなくはがす柚月。
不満そうに見つめる岬だったが、全身で息をしながら柚月は言葉を告げる。

「焦らさないで触って欲しいんだけど・・・」

ある一点を指差す。嫌ではなく、良すぎたのか・・・そんなお願いをする彼に苦笑しながら、岬は言うとおりはちきれそうな柚月のそれに手を添える。



「先輩・・・ここですか・・・？」



優しく握り、指先でそっと先端の割れ目をなでる。

「ん・・・そこ・・・気持ち・・・いいよ・・・」

目をつぶり、柚月はふっと息を吐く。触ってやるたびに口からはかすれた吐息が漏れる。

「・・・っ」

「先輩って・・・変態。ここ・・・もうこんなに濡れてる・・・」

岬が触ったところから溢れ出てくる透明の液体。それが岬の指に絡まってくる。まるで岬におねだりしているかのようだ。

「男は誰でも・・・変態・・・だろ」

こんなときにも軽口をたたく柚月。余裕があるようで・・・ちょっとむかつく。苦笑しながら岬は刺激する力を強くする。

「んぁ・・・！」

途端柚月の肢体が大きく揺れる。『自分の指で気持ちよくなっている』そんな嬉しさを胸に岬は熱く燃え盛る柚月自身を上下させる。

「あ、あ、あ・・・気持ち・・・いぃ・・・」

「こう・・・ですか・・・？」

「ん・・・そ。もっと・・・して・・・」

「ここもですか・・・」

柚月自身を上下しながら、岬は突起をぺろっと一舐めする。すると、電撃が走ったかのように柚月が身悶えする。

「あ、そこ・・・！」

いつもの自分のペースに巻き込む柚月とは違い、今は完全に岬に身を任せている。
そんな柚月を見ることが出来るのは自分だけなのだ・・・そんな優越感があったのだが、それよりも辛さのほうが勝っていた。岬は動かす手を止める。



「岬・・・？」



刺激が止まった柚月は辛そうに岬を見つめる。

「どう・・・した・・・？」

「先輩・・・自分だけずるい・・・」

「・・・へ？」

確かに自分に任せてくれるのは嬉しいのだ。だが、柚月は自分の快楽ばかり求めてしまって、熱い岬自身のことを忘れているのではないか・・・。

「だから・・・俺のも・・・触って・・・」

「そうだったな・・・悪い」

苦笑しながら柚月は岬自身に手を添える。

「ひぁ・・・！」

びくん！軽く触られただけだったが、岬の全身に電流が巡った。

「気持ち・・・いいかい？」

低く澄み渡った・・・例えるなら腰にくる声で耳元で柚月がささやく。それもまた岬にとって刺激にしかならなかった。

「うん・・・」

それだけ答えるのが精一杯だった。ただ触られているだけのはずなのに、自分でいたすのとは比べ物にはならないほどの快感だった。


（う・・・上手すぎ！）


一気に主導権が奪われた。岬の口からかすれた声が漏れる。隙だらけになった岬を柚月の指が緩急不規則に襲ってくる。

「ん・・・は・・・ぁ・・・！」

激しい動きで岬を翻弄したかと思えば、さざなみのように柔らくなでて、岬を焦らしていく。
少し落ち着いたかな・・・そう思ったときに一気に上下させる。柚月のペースが掴めず、岬はなすがままにされていた。

「あ、あ、あ！」

「岬・・・手、止まってるよ・・・」

急に岬を動かす指を止め、意地悪く耳元で囁く柚月。
彼の刺激を受け入れるのに精一杯で岬にそのような余裕などあるはずがないのだが・・・柚月は自分が動かさないと刺激してくれないのだろう。やっとの思いで再び柚月に手を触れる。
すると、許してくれたのか、柚月は岬への愛撫を再開する。

「ん・・・そう・・・岬、上手いよ・・・」

うっとりと目をつぶる柚月。だが、岬を動かす手は止めない。どう見ているのか・・・的確に首筋、鎖骨などを愛撫しながら、ねっとりと指を絡める。

「や・・・やだ・・・先輩・・・」

「いやのかい？」

岬の片方の乳首を舌で弄ぶ柚月。ここを刺激されたのは初めてなのに・・・感じてしまう自分が恥ずかしかった。

「っ・・・いやじゃ・・・ない。でも・・・おかしくなりそ」

「いいよ。思いっきり狂って・・・」

自分が自分でなくなるような感触。柚月が口付けた場所から、熱が注ぎ込まれて岬の気が狂ってしまいそうだった。

「・・・ッ・・・ぁ・・・」

「可愛いよ・・・岬・・・どうしてほしい・・・？」

「先輩・・・もっと・・・いじって・・・」

恥ずかしいという自覚はある。だが、それ以上に柚月の手でいろいろとされたかった。だが・・・その希望とは裏腹に、柚月は動きを止める。



「先・・・輩・・・？」



「俺は『先輩』って名前じゃないよ」

「え？」

「俺には・・・柚月という名前があるんだけどな」

またもや岬から離れる柚月。乳首だけをいじりながら、じっと岬を見つめている。自分でしごこうとしても、彼の強い力で止められる。
岬自身は元気がありすぎて、いつでも触ってくれるのを待っているのに、柚月はそれを許さない。

「・・・っ・・・ぁ・・・」

「だから、俺は先輩と言う名前じゃないんです」

今度は突起からも離れ、回りの部分をやわらかく刺激する。
この微妙な快感がなんとももどかしい。恥ずかしいからあえて先輩と呼んだのに・・・名前で呼ばないと許してくれないようだ。
悶絶するのをこらえて何とか口を開く。

「ゆ・・・柚月さん・・・」

「どうした？」

「お願い、焦らさないで・・・触って・・・」

『よくできました』そういわんばかりに満面の笑みを見せると、岬を押し倒す。
そして、望みどおり・・・かどうかはともかく、いやらしく音を立てながら全身に口づけする一方で、右手では岬を追い詰めていく。

「あ、あ、あ」

岬に何か考える余裕はなかった。ただ快感の波に翻弄されるばかりだった。気持ちが良すぎて。柚月に染められていくのが嬉しくて。

「あ、や・・・ちょ・・・だめ・・・あ・・・！」

「だめじゃ・・・ないだろ・・・」

「じゃなく・・・て・・・ゃ・・・あぁっ！」

ただ、これ以上触られると、危険だった。終わりを迎えてしまいそうだ。柚月を抱こうとしたのに、自分だけ先に達してしまいそうだった。

「いいよ、イって」

腰にくるような甘い声で囁かれても我慢しようとする岬。だが、快楽の誘惑を前にして、我慢などできるはずがない。

「でも・・・先輩・・・まだ・・・」

「俺のことは気にしなくていい。このままだと辛いだろう？」

「だけ・・・ど・・・んぁっ！」

意地を張ろうとする岬だが、着実に柚月は追い詰めていく。身体のありとあらゆるところを攻められ、岬は獣のような鳴き声を上げる。

「あ、あ、あ・・・そこ、だめ・・・い、イク！」



柚月の指だけでは足りず、自ら腰を振って快楽を求める。気がつけば自分の身体に熱情が降りかかっていた・・・。



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