「なぁ、先生?大丈夫か?」

「大丈夫って何が?」

「完璧に振られたことになるんだろ?」



晶は倉科のことを心配していた。
長い間人生の支えとなっていた人への想いを断ち切った。
それが倉科の心にどんな傷を与えたのかが心配でならない。
ただ見ただけではすっきりしているが、内面は教えてもらわないと分からない。


「夏目も歩もそうだけど、俺ってそんなに弱そうに見えるか?
確かに心配してくれるのは嬉しいけど、俺は大丈夫だ。



ま、少しは寂しいけど・・・それはお前がその身体で癒してくれるんだろ?」




「・・・だからその言い方はやめろって。まさか夏樹にもそんなことを?」

「いや?それはお前だからさ。お前じゃなきゃそんなことは言わないさ」

「お前じゃなきゃ」という言葉に、一瞬幸せ〜な感じになる。
あぁ、俺って愛されてる
(ハート)な感じで。とはいえ、よくよく考えてみたら。


「要は俺をからかうのが楽しいって事だろ?」

「ご明察。どうもお前にはいじめてオーラがあるような気がするんだよな」

「どんなオーラだよ!これから先、不安だ・・・」



これから先ずっと倉科に頭が上がらないと思うと、憂鬱で仕方ない。もう少し優しくしてもいいと思うのに。



「安心しろ。不安なのは俺も同じだ」



根本的な問題が違う気がする。それは倉科も知っている。
晶は倉科にいじめられるのが不安で、倉科はこれから先どういう付き合いをしていけばいいのか。
まぁ、それはじっくり考えていこうかと思っている。二人は始まったばかりなのだから。



Fin



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