戦いの後に・・・・


「いくわよ! 皆!!」
『おう!!』
 リナを取り囲む全員。
 リナが、詠唱を始める。 
「闇の王が生みだせし、星を紡ぐ五つの光よ、その力もて、
 黄昏よりもなお暗きもの、暁よりもなお眩しきもの、
 導かれし力を束ね、我にただ、天空を貫く一条の矢を与えん!!」
 フィリアとヴァルガーヴが、しずかに見詰め合う。
「でや!!」
 リナの言葉と同時に、ゼルガディスが、シーリウス、アメリア、ガウリイが、同時に武器の力を放ち。
 ゼロスとフィリアが、シャブラニグドゥとスィーフィードの力を導く。
 金色の矢が、ダークスターと融合した、ヴァルガーヴを包んでゆく。
「駄目か!?」
 リナが、舌打ちする。 
「いえ、神魔融合によって、生み出された混沌を虚無から創生へと転換させる!
 すぐにすざましい力が!」
 目を見開き、アメジストの紫の冷たい瞳をして、ゼロスが言い放つ。
 どう!!!!
 どぉぉぉぉぉぉぉんんんん!!!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
「ヴァルガーヴぅぅぅぅ!!!!」
 金色の光の中で、フィリアが、絶叫をあげる。
「これで・・ようやく俺も終われる・・・真っ白になれる・・・・。」
 どどぉぉぉぉぉぉ・・・・・。
 光の中で、消滅してゆく、ヴァルガーヴ。

「終わったな・・・・。」
「とりあえず、任務は終了・・ってことですね。」
 落ち込むリナ達とは裏腹に、冷静にいっているゼロス。
 あたりは、神魔融合によって、生み出された、創生の力で。
 何事もなかったように、すっかりと再生されている。
 違うのは・・・・。
 彼がいない。
 ただ、それだけ・・・・。
「・・・きっと・・無限に続く運命の輪から逃れるのを一番望んでいたのは・・。
 ・・・・ヴァルガーヴだったのかも・・・。」
 ひざを抱え、リナが、おちこみつついう。
 フィリアは、下を向いてうつむいている。
「フィリアさん・・。」
「ようやく勝てたのに・・この後味の悪さは・・何だ・・。」
 アメリアがフィリアの様子を心配して、ゼルガディスがぽつりという。
 勝利。 
 だが、払った犠牲は・・はてしなかった。
 結局。
 ヴァルガーヴを救えなかったのだから。
 ひゅうううう・・・・・。
「何!?」
 フィリアが、はっとなり駆け出す。
 上空から、舞い降りてくる、透明なまでの白い羽。
 空に、一つの、女性らしき影がうかび。
 その手の中から・・ひとつの、物体が、静かに舞い降りてくる。
 白く半透明に輝くその球には。
「・・・・・ヴァルガーヴ・・・。」
 幼生体となった、ヴァルガーヴの姿。
 すでに、漆黒の竜神ナイトドラゴンヴォルフィードの手により、
 ガーヴの力はぬけて、そのままの、古代竜エンシェントドラゴンとして。
 自分達の世界にここの世界の存在を巻き込んだ。
 それが、ヴォルフィードにできる、唯一の、償い方法だったのだから。
 そっと、舞い降りてきたオーブを握り締めるフィリア。
「これで終わりなんかじゃい・・これが、彼方の始まりなんです・・。」
 リナ達が、フィリアを取り囲む。
「おやおや・・。」
 ゼロスが何か言っているようだけど。
 どうやら、今の気配が、誰のものか、判断してのようである。




「向こうの世界に帰っても、頑張ってね。
 ガウリイ、本当に、光の剣、あげちゃっていいの?」
「ま、もともとあっちの世界のものだしな。」
 あっさりしているガウリイ。
「あっそ。」
「我らは、自らを高めるためにある。それが我らの忘れていたことだった。」
 シーリウスがいう。
「さらばだ!!スィーフィードの世界のものたちよ!」
 ゴルンノヴァ・ガルヴェイラ・ボディーガー・ラグドメゼギス・ネザード。
 勘違いしているようだが、シーリウスは。 
 この武器が、実は、デュグラディグドゥの力を分断するための武器ではなく、
 闇を撒く者の、直属の部下でもある腹心であるということを。
 武器の形態になっている、彼らを伴い、自分達の本来の世界に戻ってゆく。
 しゅん。
 後には、のこされた、リナ、アメリア、ガウリイ、ゼルガディス、フィリア、ゼロス、ジラスが残るのみ。
「さぁてと、フィリア、今回の依頼料、貸しにしとくわ!!
 さぁてと、皆!! 帰るわよ!皆!!!」
『おお!!』
 リナの言葉に、駆け出すガウリイ、アメリア、ゼルガディス、アメリア。
 フィリアが、それを微笑みながら、見送る。
「さて・・じゃあ、僕も・・。」
 ゼロスがいいかけると。
「なあ、リナ?」
「何よ?」
 走りながら、ガウリイがリナに一言いう。
「どうやって、俺達、帰るんだ?」 
 ずごがしゃぁぁぁぁ!!!!
 ガウリイの一言に、走っていたリナ達が、まともに地面とキスをする。
 よろ。
 どうにか立ち上がった、ゼルガディス。
「・・・そういや、船はもうないんだったな・・・・。」
「ここ、結界の外・・なんですよね?」
「定期連絡船でもでてるのか?」 
 のほほんといってるガウリイ。
 そんなものがあるわけがない。 
「だ・・・だぁぁぁぁ!!!!」
 リナはその事実に気づき、頭を抱える。 
 つまり。
 ここは、自分達が住んでいた場所とは違う場所。 
 俗にいう、結界の外。
 結界の中にある自分達の世界にどうやって戻るのか・・。
「おやおや、そういえば、人間は不便ですよねぇv」
 ゼロスは、そんなリナ達のあわてブリをみて楽しんでいる。
「フィリア!! 私達、全員、移動させて!」
 リナがむちゃくちゃなことをいっている。 
「無理いわないでください! 私も力・・のこってません!!」
「あ゛ぅ゛・・・・。」
 まてよ。 
 戻るだけなら・・あれ・・つかっても・・・。 
 うん。 
 そうしよう。
 リナが、とあることを決心すると同時に。 
 ―ひらり。
 何か、紙のようなものが、空から舞い降りてくる。
 ぴとり。
 アメリアの顔に張り付くそれ。
 「何ですか? これ?・・・リナさんあて??」
 そこには、リナ=インバース様。と書かれてある、手紙のようなもの。
 なぜ、それが空から降ってきたのか、アメリア達は知る由もないのだが。 
「リナさん、リナさんあてのようですよ?」  
 アメリアが。はい。
 といって、顔に張り付いていたその手紙らしきものを手渡す。
「・・あたしに?」
 かさり。
 ずざぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
 一気に顔色が、顔面蒼白とかし。
「い・・・・いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
 やらないから・・・助けてぇぇぇぇ!!!! 姉ちゃぁぁぁぁぁぁぁんん!!!」
 すごい勢いで、ピラミッドをつくり、それに閉じこもっているリナ。
「な・・なんか、リナさんから、ものすっごい、
 おいしい負の感情がでてるんですけど・・。(汗)」
 さすがのゼロスも、そのリナのうろたえように、ちょっぴし引いている。
「一体?」
 かさり。
 ゼルガディスがそれを手にとる。
 リナが放り出したそれを。
 ―もし、箱舟使ったら、お仕置きねvv 自力で戻ってらっしゃいvv
  姉よりvv―
「いやぁぁぁぁぁ!!!!」
 泣き叫んでいるリナ。
 ずざ!?
 おもわず、辺りを見回すゼルガディス。
「ゼルガディスさん?」
 不思議に想い、アメリアもそれをみる。
「・・・・え゛!? リナさんのお姉さんから!?」
 思わず、アメリアも、辺りを見回す。
 ここにいるはずのない人からの手紙。
 みてる・・・見てる・・・姉ちゃんが見てるぅぅぅ!!!!
 リナは、すでに、パニック。
「っ・・これって、リナの姉ちゃんからの手紙・・だよな。」
 ちら。
 フィリアもそれを覗き込み。
「そうですね。ルナさんからの手紙ですね。」
 ル・・ルナ!?
 い・・いや、偶然です・・偶然です・・・偶然です・・。
 ゼロスは、本当に、冷や汗を流していたりする。
 その名前に、一つ、心当たりがあるがために。
「とゆーか、何で、こうタイミングよく、手紙が振ってくるんだ!?」
 ゼルガディスもこころないか、青ざめている。
「おおぉぉぉぃ、リナぁぁぁ?」
 ガウリイが、リナをつつく。
「いやぁぁぁぁ!!!!!
 許してぇぇぇぇ!!! 姉ちゃぁぁぁぁんん!!!!
 箱舟使って、戻ろうとはしないからぁぁぁぁ!!!!」
 ???
『箱舟??』
 リナの言葉に、ただただ、首をかしげるしかできない。
「ひっく・・えぐ・・えぐっ・・・。」
 すっかり、幼児化しているリナをガウリイがなだめつつ。
「・・で、どうやって戻る?」
 ゼルガディスが、冷静に判断する。
「僕には関係ないですから♪」
「あ!! ゼロスさん!! 卑怯ですよ!!」
 アメリアがいいかけると。
「僕の役目は終わりましたからvv それで・・・ぴっ!?」
 それでは。
 といいかけた、ゼロスの顔を覆ったのは。
 またしても、空から降ってきた手紙。
 ひょい。
「あら、何ですの?」
 それをフィリアがつかむ。
 何か、いやぁぁぁぁぁぁな、予感がしているゼロス。
「ええと・・何何?
 ―この写真をばら撒かれたくなかったら、
 リナ達と行動行動をしばらくするように?―Sより―
 ・・・何ですの?これは?」
 ぷぴっ!!
 ゼロスは、その言葉に、噴出した。
 かさり。 
「あ、何かが入ってますわ。」 
 フィリアが、それを封筒から出そうとする。
「だ・・・だぁぁぁ!!見ないでくださいぃぃぃぃい!!!」
「何ごみがムキになるのがあやしいですわ!!」
 かまわずに、フィリアがそれを取り出そうとする。
「実力で・・阻止してみせます!!」
 本気で、目を見開いているゼロス。
 ひょい。
 にらみ合いをしているフィリアの手から、
 ガウリイが、それをひょい。 
 と、掴み取る。 
「あれ? 何だ? これ? ゼロス・・これ、お前だろ?」
 ―ピッキィィィィィィィィィィィィンン!!!!
 みごとなまでに、ゼロスは凍りついた。
「何ですか? ガウリイさん?」
「何だ?」 
 子供に衰退しているリナはまだ泣きじゃくっている。 
 興味心身で、覗き込むアメリアとゼルガディス。 
 その刹那。
『ぶわっはははははははははははははははっ!!!!!!』
 大爆笑の渦をアメリア達を襲う。
 ひらり。
 手にした、その写真をみたフィリアは。
「・・・・ぶっ!!!!!!!! ぷくくくくくくくくくくくっ!!!」
 必死に笑を抑えるのに、一苦労。 
「あ゛あ゛!!! 見ないでくださいぃぃぃぃ!!!!!!」
 ゼロスが抗議する。 
 リナ達は、写真。
 というものは、まだ知らないが。
 そこに映っていたのは。
 子供の姿をして、しかも女の子v
 ふりふりのレースのドレスをきて、
 大きなレースのリボンをつけられているゼロスの姿が(笑)
 オプションとして、おおきなヌイグルミまで、抱きかかえていたりする。
 しかも、服の色は、ピンク!!
 かなり、かわいいv
「あ゛・・・あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
 混乱するゼロスを尻目に。
 それをみて、ようやく、リナも正気にもどり。 
 かくして。
 ゼロス以外の全員で。
 それをみて、爆笑の渦に、小一時間以上、見舞われていた。


「ひぃ・・・あぁ・・くるひい・・・。」  
「ぷくく・・・・ゼロスさん・・あれ・・何ですか!?」
「ひぃ・・・似合ってますね、生ごみのくせに。」
「いやぁ、久しぶりにわらったぞ。」
「というか、あれ、今のゼロスより、かなり若いときのだな。」
 さすがガウリイというべきか。
 あの写真だけで、あれが、ゼロスが誕生して、間もないときに取っているというのを把握していたりする。
 写真に写りこんでいる気配から、探れたらしいが。
 おそるべし、野生の感である。
 口々に好き勝手なことをいっている、リナ、アメリア、フィリア、ゼルガディス。
 そして・・ガウリイ。
「ガウリイさん!?写真だけで、あれが、僕が創り出されて間もないときだって、
 どうしてわかるんですか!?」 
 ゼロスがうろたえている。
 ・・面白いv
「まあ、ガウリイだしねぇ。
 で、やっぱ、このSって・・?」
 リナがくすくすと笑っている。
「・・・上司命令じゃしかたないです・・・・。
 しばらく、リナさん達と、もう少し、行動します・・しくしくしく・・。」
 リナは何となく、誰からか、想像がついている。
 ガウリイもだが。
 アメリアとゼルガディスは理解してないが。
 ―ひらり。
 ゼロスが告げると、またまた、白い手紙が舞い降りてくる。
 ―二ヶ月以内には、戻ってくることv By姉より―
 ずざっ!!
 その一文を読んだとき。
 リナ達全員が、辺りを見回した。
 だが、辺りには誰もいない。
「うう・・・・・。姉ちゃん・・・視てるな・・・・・。
 下手なことはできないよぉ・・・。」
 どこかの造船所でも説得して(脅して)船を作らせようか。
 ふと、リナがそんなことを思いつくと。
 ひらり。
 またまた紙が舞い降りてくる。
 ―自力で、どうにかすること♪あ、そこのお金も自力で、調達しなさいね♪ By姉より―
「い・・・いやぁぁぁあ!!」 
 絶対に、姉ちゃん・・・覗いてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!
 ここまで、完全に思考を読まれている!
 ということは!?
 姉ちゃん、さては、一部始終・・みてたな!!?
 リナは確信する。
 まあ、姉ちゃんだから・・・・。(汗)
 リナは、姉であるルナが、そんなことをかるくできる。
 というのは、身に染みて・・分かっていた。
『・・・・一体・・・リナ(さん)の(お)姉ちゃん(さん)って・・・・。』
 ガウリイ、ゼルガディス、アメリアの台詞が一致した。
 フィリアといえば、まだ、ゼロスをからかっていたりする。
「生塵にも、こんなにかわいい姿するときがあったんですねぇ。
 どこをどうやって、そんなふうになったのか。」
「きぃぃ!!とかげの貴女には、いわれたくありません!!」
 旗からみれば、恋人同士のじゃれあいにも見えなくはないが。
 これが、魔力が、飛び交っている喧嘩なもので。
 普通の存在が、これに巻き込まれれば、間違いなく、怪我をする。


「んじゃ、とりあえず、戻るためにも、資金の調達にいきますか。」
「私もいきます。」
「ほぉぉぉぅ、今度は、リナさん達をどんなに利用するおつもりですか?
 フィリアさん?」
「利用するなんて、人聞きの悪い!!
 私は、次の人生のプランを実行に移すだけですわ!!
 それに、生塵のあなたと同行するリナさん達をほってはおけませんし!」
 ひく。
「ああ!また、生塵といいましたね!!生塵というほうが、
 生塵なんです!!!」
「お黙りなさい。変態生ごみ魔族!!」
「変態とは何ですか!?」
「魔族の彼方が、あんなに愛らしく、写真移りがいいのが、何よりの、罪です!!」
 論点がズレてるフィリア。
「仕方ないじゃないですか!!あれは、海王様が無理やりに!!」
 はた。
 口をつぐんでいるゼロス。
 というか、よく、誕生してから、一年のときのことを覚えているものである、
 ゼロスは。
 すぱぱぱぁぁぁぁぁぁぁん!!
 リナの、スリッパ攻撃が、ゼロスとフィリアを直撃する。
「はぁぁい、はいはい、夫婦漫才はそれくらいにして!!」
『何ですってぇぇぇぇ!!!!!』
 かなり、ぴったり息があっているゼロスとフィリア。
 にっこり。
「じゃ、フィリア、また、お勘定、よろしくねv」
 リナの言葉に。
 きっばりと。
「ありません!」
「・・・・は?」
 思わず、目が点になるリナ。
「ですから、ただでさえ、少ないお給料で、リナさん達が、
 ばかばかと食べられましたし。それに、今私は無職です。
 だから、お金はありません。」
 きっぱりと言い切っているフィリア。
「そういえば、フィリアさん、首になりましたしねぇv」 
「違います!!私は、自らの意志で、巫女を辞めたんです!!」
「ほぉぉう、とてもそうは見えませんでしたが?」
「ゼェェェェロォォォォォォスゥゥゥゥゥ!!!!」
 きぃぃぃぃ!!!
 メタモルフォーゼして、暴れ始めるフィリア。 
「・・・やれやれ・・・。」
 またか。 
 といううんざりしているゼルガディス。
「・・・リナより、キレやすいかもなぁ・・・。」
 ガウリイが、いってはならない一言をいう。 
「んっんっんっ?(はあと) どういう意味かなぁぁぁぁあ(はあと)」
「ま・・・まて! リナ!!おちつけ!!!」
「問答無用!! 増幅版ドラグスレイブぅぅぅぅぅ!!!」
 ドがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!!
「ひどいですぅぅう!リナさん、何で私達までぇぇぇ!!」
 アメリアがふっとびながら、抗議する。
「うどわあああ!?」 
 リナの呪文によって、空の彼方へと、飛ばされている、
 ガウリイ、アメリア、ゼルガディス。
 一番とばっちりくったのは・・ゼルガディスであろうが。
「・・・・やれやれ・・・。」
 くすり、と笑っているゼロス。
 いつもの風景。 
 本当に退屈しませんよね♪
 リナさん達といると(はあと)
 未だに、フィリアは、レーザーブレスをはきまくりながら、暴れていたりする・・・・。


 ぼろっ・・・・。
 ぼろぼろになっている姿で、アメリア達が戻ってくる。
 さすがに、体制が出来てるらしく、ガウリイは、傷一つついてない。
「さて・・。とりあえず・・・・。
 今晩の寝る場所と・・・・資金調達よ!!」
 いろいろと、抗議してくるアメリアを無視して。
 リナは、ガウリイをひっぱって。
 森の方へと進んでいった。 
 すでに、日は、傾きかけている・・・・・。


 とりあえず、今後の対策を練るために。
 リナ達は、フィリアが持っていた、残りのお金を使って。
 宿を取ることにした。
「これで、本当に、一文なしですわ。私・・・・。
 ああ・・・・スィーフィード様、見守りください!」 
 祈りを捧げているフィリア。
 
 作戦会議中・・・・。
「じゃ、文句・・ないわね!!」
「リナさん、一つでも、悪を懲らしめましょう!!」
「・・好きにしろ。」
「とゆーか、ここ、どの辺りなんだ?リナ?」
 ガウリイの言葉に、次の言葉を詰まらせるリナ。
 そだ!
「ゼロス!! あんた、ワードマップ、もってるでしょ!!
 出して!!」
 リナがいうと。 
「え゛え゛!?何で、リナさん、その名前を知っているんですか?!」
 ゼロスが驚愕する。 
 リナが、世界地図のことを知っていたために。
 当たり前だが。
 ワードマップというのは、この惑星の全てを記載してある、地図のこと。
 いってみれば、この星の全体の地図。 
 リナ達のいた地域では、結界の中だけの世界。
 つまりは、北のほんの一部しか、地図なんてものはない。
 まあ、ゼフィーリアには、世界地図、はっきりと、おおやけに売ってあったりするけども。
 ゼロスが渋るのをみこしてか。
「悪夢の王のひとかけよ・・・。」
 リナが、ぶつぶつとつぶやいている。
「ださせていただきます。(涙)」
「よろしい(はあと)」
 ゼロスが、ふっ。
 と、錫仗を一振りする。
 と。
 虚空に、地図が、浮かび上がる。
 つまり、話し合いをしているリナ達の、ちょっと、斜め上に。
 半透明の姿で。
 立体映像のごとくに。
「これ、何ですか?」
 アメリアが聞いている。
「これは・・!?」
 フィリアが驚愕している。
「ちよっと!?なまごみ!何で、彼方が、この星の、地図なんて、
 もってるんですか!?
 私達でも、滅多と手に入らないのに!」
 フィリアが食って掛かっている。
 何しろ、ゼロスがもっているのは、精密なもの。
 ・・・・あたしも持ってるけど・・。
 リナは、思うが・・いわないことにした。
 何しろ、ゼフィーリアでは、それが当たり前でも。
 何しろ、未だに。
 ほとんどの人々は。
 この世界が、平らで混沌の仗の上に成り立っている。
 そう思っているのが実情だから。
 リナは、物心ついているときから、真実をしっている。
 だから、水竜王にあれだけの知識を聞かされただけで、
 金色の王のことを完全に理解した。
「まあまあ、・・で、今、どのあたり?」
 リナは、何でもない振りをして、ゼロスに話しを振る。
 ガウリイが、それが面白くない。
 というように、顔をしかめているのを気づかずに。
「今は・・ここですね。」
 ゼロスが、仗で、とある一点を指し示す。 
「ゼル!!私達のところの地図をだして!!」
「あ・・ああ・・・。」
 がさり。
 ゼルガディスが、地図を開く。
「・・・・うぅぅぅぅぅん。ここからだと・・・・。
 一番近いのは・・・・・。」
 ゼルガディスのもっている地図と、空中に浮かんでいる地図を見比べつつ。
 ・・・支店、探したほうが早いかも・・。
 リナにふと、そんな考えがよぎる。
 ―ぺと。
 リナの考えを見越したように、いきなり、リナの視界を白い紙がふさぐ。
「・・何?」
 リナがそれを手にとると。
 ―支店を利用するのも、却下vvBy姉より―
 と。
 ずわあぁぁぁぁ!!!!
 リナは、全身から血が引いてゆく。 
「いやぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!
 ぜったぃぃぃぃぃいに、姉ちゃん・・監視してるぅぅぅぅぅぅぅぅう!!!!!」
 リナの絶叫が。
 静かな村にこだました。


 一体・・・リナさんのお姉さんって・・・何者!?
 アメリアが汗を流し。
 というか、どうやって、あの手紙・・送って来ているんだ!?
 ゼルガディスもまた。
 いきなり、出現するその手紙に。 
 ただ、冷や汗を書いていた。
 まあ、ゼフィーリアの人ですから・・・・・。
 ゼロスは、半ばさとってはいるが。
 断固として、リナの姉であるルナが、あのルナであることを認めようとはしなかった。
 認めたくなかったから(笑)


 チユどぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんんんん!!!!!
「うーん、大量vv 大量vv」
「リナさん!! これで、悪が一つ、滅びましたね!!」
「これで、平和に一歩、近づきます!」
 森の奥で。
 ガッツポーズをとっているアメリアと。
 お宝を物色しているリナの姿。
 そして、
「あ、これいいです(はあと)」
 そこにあった、骨董物の、壷を手にとって見ているフィリア。
「・・結局、いつもと同じパターンか・・。」
 ゼルガディスがうんざりしたようにいう。
「何よ? ゼル? じゃあ、また野宿でもして。
 宿にも泊まれなく、ひもじい思い・・してもいい・・と?」
「いや、それは、遠慮しておく。」
「でしょ(はあと)やっぱり、これが一番の方法なのよ♪
 悪人に人権はないんだし♪
 悪人さんのお金を有効利用♪
 お宝さんも、喜ぶってものよ♪」
 リナは、うきうきとしていたりする。
 結局。
 先立つものがないと、何もできない。
 というので。 
 リナの説得(脅し)で、
 了解のもと、全員で、盗賊をつぶすことが決定した、会議の結果。
 リナは、こころゆくまで、盗賊をいじめて・・もとい。
 退治しているのである。
「いやぁぁ♪ ほんっとうに楽だわvv」
 何しろ、ここは、魔法を使える人間が、はっきりいっていない。
 だから、リナの魔法の前に。
 面白いほどに、すんなりと、盗賊の一味がまた一つ。
 と、壊滅してゆく。


 一週間もたたないうちに。
 すでに、リナ達が、壊滅させた、盗賊団は・・・・。 
 すでに、百を超えていた・・・・・・。


続くー


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