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北欧写真館  バックナンバー2000年8月号  


ノルウェー国旗第3回 オスロのヴァイキング船博物館(ノルウェー)    

ノルウェーの首都オスロ(Oslo)にある国立ヴァイキング船博物館です。
(Vikingshiphuset)
ヴァイキング史にハマった私が、真っ先に見たいと思っていたのがここ。


入口ホールの2階から見た館内の様子です。ヴァイキングたちは船に死者を収め、墓として埋葬しました。ここにはオスロ・フィヨルドで発掘され、オーセベリ、ゴックスタ、トゥーネと名づけられた3隻のヴァイキング船と、それらとともに出土した副葬品などが展示されています。奥に見えているのはオーセベリです。


オーセベリ船(Oseberg)です。1904年に発掘されました。全長21.44メートル。9世紀。

 ヴァイキング船といえばこの船がイメージされるほどの流麗な船首飾りですが、発掘当時は損傷がひどく、約二千もの断片を学者たちは気の遠くなるような作業の末復元したのでした(ジグゾーパズル…)
 この船に埋葬されていたのは2人の女性です。おそらく若い方が主人で年配の方は殉死した侍女。この女主人はオスロ・フィヨルドに領地を持ったハルフダン黒王の母、オーサ女王ではないかと見られていて、このハルフダンこそ、ノルウェーを最初に統一した覇王ハラルド美髪王の父で、ユングリング王朝の祖というわけです。

 ということは私が偏愛するオーラブ・トリュグヴァソン王(自作「獅子の如く」の主人公です。わからない人ゴメンナサイの…何代前になるんだかの先祖でして、私は極めて手前勝手でマンガ家的な思い入れとともにこの船を眺めていたのでした。


オーセベリにはいろんな副葬品がありました。荷車や橇(そり)や寝具付きベッドの他、女性の墓らしく鉄製のなべや木製の鉢や柄杓(ひしゃく)やお椀など。獣頭柱もいくつか出ました。
 
 船のへさきに魔よけとして付けたとか、宗教儀式に使われたとかあまりよく判ってないみたいです。写真では見えないかもしれませんが、木彫りの頭部には絡み合う空想上の生き物の文様が施されています。ヴァイキングのゲージツって抽象的とゆーかデフォルメきついというか、デザイン感覚はスゴイ。
 
荷車です。こちらにも素晴らしい彫刻が施されています。
絡み獣文様の他に神話の場面らしきものも。


ゴックスタ船(Gokstad)です。1880年発掘。全長23.3メートル。9世紀後半のもの。こちらからは、60歳代の男性の遺骨が見つかっています。航海が好きな首領だったのか、墳墓からは小船も3艘出ました。これも展示されてます。

 もうひとつ、トゥーネ船(Tune)は小型の実用船ですが、損傷がひどく大部分が失われていたために、復元せず発掘時のまま展示されています。

なにしろ超有名な博物館なので、ヴァイキング関係の本には必ず写真とともに詳しく載ってますので、興味のある人は見てね。


(訪れた日;’89年9月21日、’95年6月25日)

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