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早朝勉強会報告メール 11月7日


1. スポーツ選手の社会貢献活動

 先日のテレビ番組で読売ジャイアンツの松井選手のことが取り上げられていました。松井選手はプロ入りしてから今までに総額5億円以上(金額は未確認)も、色々な団体に寄付しているらしいです。
 日本ではプロ野球選手の社会貢献活動を対象にした「ゴールデンスピリット賞」という賞があり第1回は松井選手が表彰されています。その他、大阪近鉄の中村選手なども表彰されています。
 海の向こう、大リーグでは松井選手の10倍以上も寄付している選手がいるそうです。それがサミーソーサ選手らしいのです。何十億円もの寄付をしている計算になります。それは、凄すぎます。大リーグでも社会貢献活動を対象とした賞があるのですが、賞の名前が分からない為に次回までの宿題となりました。
※その後、この賞の詳細が分かりました。

2. 腸脛靭帯の張りについて

 アメリカンフットボールの選手で腸脛靭帯が張る選手がいます。競技の特性上腸脛靭帯が張るというのは分からなくもありません。選手はほぐしてほしいというのですが、ほぐして良いものなのでしょうか。また、どのようにすればよいのでしょうか。という質問でした。
 まずは肉の部分と腱、膜の部分を分けて考えることです。例えばアキレス腱は下腿三頭筋であるヒラメ筋と腓腹筋が合流して腱になった部分です。アキレス腱に対してのマッサージと腓腹筋に対するマッサージが違うように腸脛靭帯に関しても、大腿筋膜張筋の肉の部分と靭帯の部分とを別に考えてアプローチした方が良いと思います。
 筋が張っていると腱、靭帯の部分も張ることもあるので、まずは筋の部分をほぐします。腱、靭帯の部分はまず、アイシングそして、徐々にストレッチをかけながらのマッサージなどをしてみてください。マッサージは深部の筋をほぐすイメージをもって行うことがポイントです。
 今すぐに運動しなければならないときは、ホットパック、ウルトラサウンドで暖めた後に、レッドホット、ベンゲイ、ホットスタッフなどカーッと熱くなる薬を使い、ニオプリン(ウエットスーツのような素材)の少しきつめのサポーターをつけると良いかもしれません。他には大腿四頭筋が硬い場合が多いので、チェックしてください。いろいろ試してみてください。

3. 非特異的なトレーニングについて

 筋力トレーニングを始めるとき、筋よりも、腱のほうが順応に時間がかかるそうですが、そのための非特異的なトレーニングについて教えてください。という質問でした。
 まずはスーパーベーシックである捻りのない2次元的な動きのみのトレーニングから始めます。軽い負荷で回数を多めにし、筋腱移行部に刺激をいれていきます。正確なフォームで行うことが大切です。次にPNFやアイソキネティック的な動きのトレーニングを行っていきます。
 以上のトレーニング期が終了したところで各スポーツの特異的なトレーニングに移っていくのが良いと思います。最後はどれだけ現場のニーズにあったトレーニングをやっていけるかです。
 腱、靭帯に負担がかかりケガをする恐れがあるからなどということで、ベンチプレスの際、肘の角度は90度以下にしない、背筋のトレーニングの際に脊柱を反らさないなどトレーニングの禁忌とされているものがあります。しかし、その禁忌とされる動きでも、実際のスポーツの動きでは重要な動きとなるものもあります。そのようなものも、種目の特異性を考えたうえで、強すぎない負荷で行ったほうが良いと思います。 頑張ってください。

4. 膝のケガでの癒着

 1ヶ月前、交通事故に遭い、膝の前十字靭帯、内側側副靭帯が伸びていると診断された選手がいました。その後、癒着を起こしているといわれたのですが、癒着とはなんですか。また、どうアプローチすればよいのでしょうか。という質問でした。
 手術した後、安静にしすぎていると軟部組織同士がくっついてしまうことがあります。膝の場合は筋と筋、腱、靭帯同士がくっついてしまうのです。これが癒着です。すぐにできるものではないと思います。大事に大事に2、3週間しないとできません。
 もしも、癒着が起きてしまったらちょっとやそっとリハビリしたくらいではどうしようもありません。完全に癒着してしまっているときは手術の適応です。話を聞いただけでは分かりませんが、癒着ではなく、今の段階ではただ、硬くなっているだけかもしれません。目的に応じてROMの回復、温めること冷やすこと栄養に関してもアプローチします。膝にかんしては腫脹コントロールがどれだけできるかということは重要です。また、慢性の炎症がある場合は表面からだけでなく、消炎鎮痛剤を内服しとほうがよい事もあります。

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