かんたんな解説 アニメ版「ジャスティスリーグ」








●〜知らなくても問題ない前提1〜ワーナーアニメ版DCユニバースについて

原作版「ジャスティスリーグ」が「バットマン」「スーパーマン」などのDC作品とリンクしているのと同様に、アニメ版「ジャスティスリーグ」もまたアニメ 版「バットマン」などと同じ世界観、タイムラインを共有している。
具体的には、92年から製作されたアニメ版「バットマン」から始まる、プロデューサーのポール・ディニ、デザイナーのブルース・ティムという二人のクリエ イターを中心に制作された作品がこれにあたり、その順序は―

バットマン(92-95/後半部分日本未放送)、スーパーマン(96)
      ↓
The New Batman Adventures(97/日本未 放送)
      ↓
The New Batman/Superman Adventures(97 -99/上記バットマンとスーパーマンの再放送。新作エピソードが追加されており、日本では「スーパーマン」枠で追加エピソード分が放送された)
      ↓
ジャスティスリーグ(2000−2003)
      ↓
Justice League Unlimited (2004-2006/日本未放送)
      ↓
バットマン・ザ・フューチャー(98/バットマンが引退、その後継者 の活躍する未来世界が舞台。上記「JLU」では過去から来たジャスティスリーグと共演している)

―となる(これ以外にもいくつかの作品があるけど)。
これ以前のハンナ&バーベラ製作「スーパーフレンズ」やフィルメーション製作「電光石火バットマン」「スーパーマン」などは当然、このタイムラインには含 まれず、また、「ティーンタイタンズ」(2003-2006)、若き日のバットマンの活躍を描く「ザ・バットマン」(2004−2008)などは同じワー ナーによる製作だが、上記ワーナー版DCユニバースには含まれない。





●〜知らなくても問題ない前提2〜原作版ジャスティスリーグ

原作版ジャスティスリーグは1960年2月に発売された「ブレイブ&ボールド#28」で初登場。
この28号で登場した、ワンダーウーマン、フラッシュ(アニメ版の先代 に当たる二代目フラッシュのバリー・アレン)、グリーンランタン(補欠扱いキャラであったアニメ版に対し、純然たる主人公キャラだった二代目GL・ハル・ ジョーダン)、マーシャンマンハンター、アクアマンで構成されたチーム、ジャスティスリーグがヒット。さらにオブザーバーとしてスーパーマンとバットマン を参加させたことによりその地位は確固たるものとなり、程なく独立誌「ジャスティスリーグ オブアメリカ」も創刊。ジャスティスリーグはDCを代表するヒーローチームとなった(余談であるが、ジャスティスリーグ初登場の「ブレイブ&ボールド #28」ではジャスティスリーグは「以前から存在していた」という扱いで登場しており、その誕生エピソードが描かれることになったのはリーグ登場から2年 後の「JLA#29」でのことであった)。

なお、スーパーマン、バットマンの二代人気タイトルの編集者はこのオールスターチームの存在によってスーパーマン、バットマンそれぞれの個人タイトルの人 気に悪影響が起きることを危惧して、例え二人が主演であっても「ブレイブ&ボールド」、「JLA」の表紙にこの二大ヒーローの姿を載せることを許さなかっ たのだが、DC上層部は「スーパーマンもバットマンもおまえらのもんじゃなくてDCのもんじゃ!それでタイトルが売れるんなら表紙だろうが中身だろうが 使ってなんぼじゃい!」とアメリカンエコノミックスピリッツ丸出しの命令を下し、JLA誕生から2年、晴れてスーパーマンとバットマンもジャスティスリー グのメインキャラになったとさ。

以下完全な余談。当時、DC編集部にいたジャックさんという人は当時の弱小出版社アトラスのボスのゴルフ友達で、ある日ゴルフで彼をぼっこぼこにした挙 句、「最近、うちのジャスティスリーグってマンガ、売れて売れて困っちゃうんだよガハハハ」というような自慢をした所、アトラスのボスは涙目(だったかど うかは知らんが)でアトラス編集部に戻り、縁故入社の若い編集者に「ヒーローがチームを組んだマンガを考えろ!」と命じた。幸い、若い編集者は「アイディ アの館」だった。こうして一つのタイトルが世に出ることとなる―「ファンタスティック・フォー」、その若い編集者の名はスタン・リーといったそうな。






●登場人物(この項のみ原作よりもアニメ設定優先で紹 介しています。大変わかりにくくなっております申し訳ございません)

・スーパーマン(地球人名:クラーク・ケント/クリプトン人名:カル・エル)
 声優:花田光(代表作:純情ロマンチカのうさぎ先生)

1938年「アクションコミックス#1」で初登場。
クリプトン星崩壊の際に父ジョー・エル母ラーラ・エルによって地球に送り込まれた赤ん坊、カル・エル。アメリカの田舎町スモールヴィルの親切な夫婦ジョサン・ケントマーサ・ケント夫妻に拾われた彼はクラークの名を与えられ、一家に迎え入れられ た。
成長したクラークは徐々に自分が普通の人間ではないということに気付いていく。実はク リプトン人は太陽のエネルギーを吸収して、地球などの太陽の影響を受ける場所においては超人的な能力を発揮するのだ。
ケント夫妻からその理由を聞かされたクラークはショックを受けるが、家を出てすぐに飛行能力を発現、ひとっ飛びしてふっきれたのか、即座に運命を受け入 れ、その力を人々のために使うことを決意するのだった。
やがて、大新聞社ディリープラネットに就職したクラークはそれとほぼ同時に「スーパーマン」としての活動も開始。同僚できつめのツンデレ美人ロイス・レーンやカメラマン見習いでお調子者ショタのジミー・オルセン、編集長ペリー・ホワイトなどと知り合うとともに、最大のライバル、レックス・ルーサーやジョー・エルの仇とも言うべきコンピューター生命体ブレイニアックなどの強敵たちとも邂逅することとなった… 大筋はアニメも原作も設定は共通している。

性格は超善人。萌えキャラといってもいい。機転は利くし、頭もいいのだが、いい人過ぎて損をするタイプ。チームものだと特に割を食う(活躍させると「スー パーマンだけでいいじゃん」ということになってしまうから)おかげで「ジャスティスリーグ」ではロクな目に合わない。
バットマン、フラッシュとは「ジャスティスリーグ」以前からの知り合い(アニメ版「スーパーマン」にゲスト出演)で、特にバットマンとはロイス・レーンを 巡っての三角関係を演じたり、その過程で互いの正体を知ってしまったり(そのため、この二人は「クラーク」「ブルース」とみんなの前でも名前で呼び合う) した因縁浅からぬ仲。


 


・バットマン(本名:ブルース・ウエイン)
 声優:玄田哲章(代表作:たくさん)

1939年「ディテクティブコミックス#27」で初登場。
両親とともに映画を観て、家路につくブルース・ウエイン少年にとって、その夜はまさしく運命の夜だった。暗闇から現れた強盗、そして放たれた銃弾は少年の 両親―トーマス・ウエインマーサ・ウエイン夫妻の命をいともたやすく奪っていった。その光景を目に焼き付 けた少年は、誓った。自らの生涯を犯罪との闘いに捧げようと。
自分の体を鍛え上げるとともに、ありとあらゆる科学、精神医学などを頭に叩き込んだブルースは、ある日自分の部屋に飛び込んできたコウモリの姿にヒントを 得て、犯罪者にとっての恐怖の存在「バットマン」として活動することを決めた。
優秀な執事アルフレッド・ペニーワースの助け(ブルースが幼い頃、ウ エイン家の資産を管理する、など)や莫大な資産を活かしての各種装備などを駆使してアメリカ最大の犯罪都市ゴッサム・シティにおける犯罪者との直接的な戦 いを開始したバットマンは、相棒ロビン(初代:後にナイトウイングとして独立するディック・グレイソン、二代目(原作では三代目)ティム・ドレイク)やゴッサム市警のジェームズ・ゴードン本部長とその娘でバットガールであるバーバラ・ゴードン(但し、本部長はバットマン、バットガールの正体を知らな い)といった犯罪と戦う仲間を得た。
そして、バットマンは今夜もまた、ゴッサムの夜の闇を狂気で彩る犯罪者―ジョーカー、ハーレィクイン、ペンギン、キャッ トウーマン、トゥーフェイス、リドラー、ミ スターフリーズ、ポイズンアイビー、キラークロック、スケアクロー、クレイフェイス、マッドハッター、ラズ・アル・グール―たちとの果てしなき戦いを繰り 広げる。

やはり、原作と設定はほぼ共通。
他のメンバーと違い、完全な常人で使用する装備もそうたいしたものではない、が、自身の肉体と装備、そして悪魔を超えた頭脳を最大限に有効に活用し、チー ム最強といってもおかしくないほどの活躍を見せる。スーパーマンとは正反対に、チームものだと得をするタイプ。
基本的に善人のはずだが、とてもそうは思えないほどの極悪振り。「殺さない」という誓いこそ守るが、他はありとあらゆる手段を躊躇いもなく行使する。
スーパーマンとの仲は基本的にこじれており、スーパーマンからは「彼は誰も信じていない」(これは本当)「おまえだけがいつも正しいと思うなよ」(しか し、バットマンはいつも最終的には正しい行動をとるので始末に終えない)などとスーパーマンらしからぬ冷たい言葉を投げかけられるほど。だが、実際には互 いを尊敬しあっており、必要なときには必ず手を結ぶ。要するに高度なツンデレ。





・ワンダーウーマン(本名:ダイアナ)
 声優:安達まり(代表作:エルフやF&CのOVAの主題歌)

1941年「オールスターコミックス#8」で初登場。
女だけの国セミスキラの姫。母親はギリシア神話に登場する女神ヒッポリタ
怪力、飛行能力、銃弾をはじき返す黄金の腕輪と意のままに敵を絡めとる黄金の投げ縄を持っているが、ヒッポリタからは地上での諍いにかかわることを禁じら れていた。
だが、エイリアンの襲来により世界が危機に瀕した際、我慢できずにセミスキラを出発。ワンダーウーマンとしての活動を開始した。
しかし、それ故にセミスキラ、ひいては母ヒッポリタとの関係に亀裂が生じ、セミスキラを舞台にしたさまざまないざこざに度々悩まされることとなる。
ワンダーウーマンがチーム内では新参ヒーローとなるのは原作コミックスの「クライシス」以後に改変された設定によるものか、もしくはスーパーマン、バット マンと匹敵するスーパーウーマンヒーローのオリジンをアニメーションにおいて描いておく必要性を感じたからか。また、原作版の有名な設定である「ヒッポリ タの作った粘土の像に女神アフロディーテが命の息を吹き込んだことに よってワンダーウーマンが誕生した」という設定も特に触れられていない。
なお、母親の教育が身にしみているためか、プライドが高く、男性や男性社会にへつらうような女性を蔑む傾向がある。





・グリーンランタン(本名:ジョン・スチュワート)
 声優:楠大典(代表作:ギャラフォのギャラコン、SDGFの嵐の騎士トールギスなど)

1971年「グリーンランタン(2)#87」で初登場。
銀河系の治安を守るグリーンランタン隊のメンバー。緑のエネルギー ビームでほとんどどんなことでも出来るパワーリングを持つ(24時間ごとにランタン型の 充電器での充電が必要)。その万能ぶりは惑星を破壊するほど。
冷静な戦士タイプの性格だが、フラッシュといっしょのときはツッコミ役を務めることも。
原作コミックスにおける彼は、二代目グリーンランタン、ハル・ジョーダンに対する補充メンバーで、地球人二人目のグリーンランタンなのだが(初代GLのア ラン・スコットはGL隊が結成される遥か以前に地球に飛来したランタンパワーを得た、という設定)、いわゆる主人公キャラではなく、ジャスティスリーグへ の正式参加も2000年代になってからである。なお、性格もアニメ版に比べるとマイルド。
また、アニメ版「スーパーマン」において、この時期に原作「グリーンランタン」関連タイトルで主人公を務めてい た5代目グリーンランタン、カイル・ライナーが登場、その誕生エピソードが丹念に描かれていたのだが本作にはほとんど登場しない。本作においてジョンがメ ンバーに選出された理由はおそらく、彼が黒人であることに起因していると思われる。

以下、原作における歴代地球人グリーンランタンの主なものを
初代グリーンランタン(アラン・スコット/1940年の「オールアメ リカンコミックス#16」が初出)・魔法の隕石スターハートの欠片から作ったランタン(一応、ランタン隊のリングと近い起源)の力で戦う。現在はセンチネルと名乗っている。
二代目グリーンランタン(ハル・ジョーダン/1959年の「ショー ケース#22」が初出)・瀕死のGL、アビン・スールから力を受け継 いだ、地球人初のグリーンランタン隊員。魔人パララックスになったり 死んだりしたが、現在は主人公として復帰。
三代目グリーンランタン(ジョン・スチュワート)・ハルと同時にGL 候補(補欠)となっていたガイが活動不可能状態だったため、彼が先にグリーンランタンとなった。
四代目グリーンランタン(ガイ・ガードナー/1969年の「グリーン ランタン(2)#59」が初出)・補欠メンバーの座をジョンに先取りされていたが、その後彼もGLやウォリアーという名のヒーローとして活動。一見オバカキャラだが、アウトロー気 質でもある。
五代目グリーンランタン(カイル・ライナー/1994年の「グリーン ランタン(3)#48」が初出)・パララックスとなったハルに代わって、主人公キャラとなった。その後、イオンというヒーローとなったりこいつもパララックスになったりした。
六代目グリーンランタン(ジェイド/1983年の「オールスタースケ アドン#25」が初出)・初代グリーンランタンの娘。他のランタンと違い、体内にランタンバッテリーを持っている。





・フラッシュ(本名:ウォーリー・ウエスト)
 声優:千葉進歩(代表作:ロックマンエグゼのエアーマン、SDGFの爆熱丸など)

1959年「ザ・フラッシュ#110」にてキッドフラッシュとして初 登場。1986年「クライシスオンインフィナイトアーシズ#12」にてフラッシュに。
三次元世界と隣接して存在する意識を持った運動エネルギーにより構成された世界・ス ピードフォースの力によって超高速で走ることが可能な「地上最速の男」(…ただし、アニメでは上記能力の起源に関する設定は一切語られな い)。
チームの最年少メンバーでお調子者。軽口をたたいたり、女の子を口説いたりと他のメンバーに比べて相当に俗っぽい。正体は一応、メンバーにも秘密にしてい る。
原作コミックスにおいてウォーリーは、後に戦死した(最近生き返った…)2代目フラッシュ、バリー・アレンの相棒キッド・フラッシュとして少年期よりヒー ローとして活躍していたのだが、このアニメ版においてもそうなのかは不明。というか、彼がフラッシュとなったオリジンすら語られない。

以下、原作における主なフラッシュたち。
初代フラッシュ(ジェイ・ギャリック/1940年の「フラッシュコ ミックス#1」が初出)・希少元素ハードウォーターの揮発したガスを吸い込んだことでスピードフォースに目覚めた。スピードフォースとリンクしなくても高 速で走れるらしい。
二代目フラッシュ(バリー・アレン/1956年の「ショーケース #4」が初出)・警察官。研究中に雷に打たれてスピードフォースに目覚める。「クライシス」事件で死亡したが、最近復活した。
三代目フラッシュ(ウォーリー・ウエスト)・上記参照。一応、現在も 主人公。
四代目フラッシュ(バート・アレン/1994年の「フラッシュ(2) #91」にてインパルスとしてデビュー)・30世紀から来た二代目フラッシュの孫。2003年の「ティーンタイタンズ(3)#4」でキッドフラッシュに、 2006年の「インフィナイトクライシス#5」でフラッシュとなった。が、人気が出なかったため速攻で死亡。合掌。





・ホークガール(本名:シェイラ・ホル)
 声優:五十嵐麗(代表作:ダ・ガーンの星史の母さん)

1961年「ブレイブ&ボールド#34」でホークウーマンとして初登場。
地球からはもちろん、グリーンランタン隊であってもその存在を知らなかった惑星ザナ ガーから来た人工の翼で武装した鳥人。電磁メイスを手に敵を薙ぎ倒していく。
ザナガー星人の性分で非常に好戦的な性格。当初は割とフラッシュとフラグがたっていたのだが…
フラッシュやグリーンランタン同様、第一話から当然のように何の説明もなく登場したが、その秘密は後のエピソードで明かされることになる。
なお、原作ではザナガー星から来訪し、地球の治安を守るためにジャスティスリーグにも参加していた2代目ホークマン(カーター・ホル)の相棒兼恋人であり、あまり目立った存在で はない。





・ジョン・ジョーンズ(火星での名前はジョン・ジョンズと発音した方 が近い)
 声優:佐々木誠二(代表作:キングゲイナーのシベ鉄総裁キッズ・ムント)

1955年「ディテクティブコミックス#225」で初登場。
謎のエイリアンクリーチャーに滅亡させられた火星種族最後の生き残り。
火星探査に来た地球人に寄生、支配したエイリアンによる地球襲撃を知らせるため地球に渡るが、エイリアンに捕獲されてしまう。
原作コミックスでのオリジン(火星人の実在を信じる科学者の作った転送装置によって呼び出された)とは大きく異なり、アニメでは彼の地球での活動の始まり がイコールジャスティスリーグの発足となっている。
物静かで優しい性格だが、地球に来て間もなく、またスーパーマンなどと違い異形の容貌をしているため、メンバーや地球人にはうまく溶け込めない一面も。一 応、地球での姿と火星人本来の姿を使い分けているがそんなに変わらなかったりする。
好物はオレオ(食べると酔っ払うという)。弱点は炎だがこれはアニメでは言及されない。また、原作でのヒーロー活動時のコードネーム「マーシャンマンハンター」がほかのキャラ(マンハンター)の名前とかぶるため使 われないほか、人間の姿での職業である刑事などの設定も登場しない。








●エピソード解説


1・ジャスティス リーグ誕生 PART 1
2・ジャスティス リーグ誕生 PART 2
3・ジャスティス リーグ誕生 PART 3
 "Secret Origins"

・ストーリー・
平和のため、世界中の兵器が解体されてから数ヶ月。だが、それはかって火星を滅ぼした寄生型エイリアンの陰謀だった。
エイリアンに立ち向かうため、バラバラに活動していたヒーローたちが団結する。

・ゲスト:エイリアン、スナッパー・カール

・解説・ 
今回の敵となるエイリアンはアニメオリジナルの敵。
正直な所ストーリー的には3話もかけることない話なのだが、アクションシーンのテンポが良く、観ていて飽き指せない。
見所はやはり、それぞれのヒーローの能力のお披露目大会。だけど、ジョン・ジョーンズとワンダーウーマン以外のキャラの周辺設定が一切語られないのは不親 切…
スーパーマンとバットマンのような「前作を参照」するキャラはともかく、突如登場するフラッシュ、グリーンランタン、ホークガールに「?」と顔をかしげる 視聴者もいたのではないだろうか。
一応、フラッシュはアニメ版「スーパーマン」にゲスト出演、グリーンランタンも「スーパーマン」において別人とはいえグリーンランタンの設定が語られては いるのだが(ホークガールに関しては、その起源が後の伏線となっている)…
テレビのリポーターとして、今後もちょくちょく登場することになるスナッパー・カー ルはジャスティスリーグ初登場の「ブレイブ&ボールド#28」より登場したキャラクター。基本的にロビンやワンダーガールといったサイド キックが登場しないジャスティスリーグにおけるサイドキック的な役割もこなす一般市民で、JLAの名誉メンバーでもある。名前の由来は指を鳴らす癖から。 このアニメシリーズにおけるテレビリポーターという役割はアニメオリジナルのもの。





4・暗黒の夜 PART 1
5・暗黒の夜 PART 2
 "In Blackest Night"

・ストーリー・
突如地球に飛来したマンハンター軍団。彼らは銀河の裁判所にグリーンランタンを連行しようとする。なんと、彼が一つの惑星を滅亡させたというのだ。
グリーンランタンは罪を認め裁判に向かうが、リーグのメンバーは彼の無罪を信じて行動を開始する。

・ゲスト:グリーンランタンコーズ(キロウォグ、アーキス、ガリア ス、ラーボクス、ト・マーレ)、ガーディアン、マンハンター、カンジャ・ロー

・解説・
「JLA #140-141」(1977/3-4)を原作にして、グリーンランタンに関する設定を絡めて語られるエピソード。
グリーンランタンに恨みを抱くマンハンターは原作においてもこのエピ ソードが初出。もちろん、原作ではこの時裁判に連行されていったGLはハル・ジョーダンである。

グリーンランタン隊を統括するガーディアンズオブユニバースは1960 年初登場。10億年もの太古に誕生し宇宙の守護者として宇宙最大の警察機構であるグリーンランタン隊を結成した、36人からなる集団。今回のお話ではかな りマヌケだが。
グリーンランタン隊の設定は1959年、ハル・ジョーダンのデビューと同時に語られた設定であり、総勢で3600人ものメンバーがいる(中には生きた惑 星、意識のある数列などのトンデモないものも)。今回登場したメンバーは正直、ブタ顔のキロウォグと鳥顔のト・マーレ以外はマイナーもいいところの面子。しかもト・マーレは台詞すらない ので、覚えておくのは後のエピソードにも登場するキロウォグ(なお、声優はガガガのピッツァやギアスの扇要の真殿光昭)だけでいいかもしれない。ちなみ に、ト・マーレとラーボクスが60年代生まれ、その他のメンバーは 80年代になってから(ジョン・スチュワートが登場して以降の、彼と比較的親交のある面子)登場したキャラクターである。
カンジャ・ローは「JLA#3」から登場したジャスティスリーグの仇 敵の一人で、ドーァ星の独裁者というそれなりの大物だったのだが、今回はただのつかいっぱしりとしての登場である。

本編の見所としてはグリーンランタンとフラッシュの友情とその性格の違いの描き方、スーパーマンとジョンの会話などに見られるキャラ分けの上手さ。あと、 「トランスフォーマー・ザ・ムービー」に出てきたクインテッサ星人の裁判官そっくりの宇宙裁判官あたりか。
ちなみに、クライマックスにてグリーンランタンが宣誓する決め台詞(原語"In brightest day, in blackest night, no evil shall escape my sight, let those who worship evil's might, beware my power, Green Lantern's light! ")は「虎よ!虎よ!」「分解された男」で日本でも有名なSF作家アルフレッド・ベスターが無名の頃に発案したものである。




6・水面下の敵 PART 1
7・水面下の敵 PART 2
 "The Enemy Below"

・ストーリー・
人類と海底王国アトランティスの間で軋轢が生じた。アトレンティスの王アクアマンは地上人類と対話し、平和的解決を図ろうとするが、何者かが彼の命を狙っ ていた。
果たして地上と海底を巻き込んだこの陰謀の真相とはなんなのか。

・ゲスト:アクアマン、ミラ、オーム、デッドショット、スナッパー・ カール

・解説・
今回のゲストはジャスティスリーグの実質的なメインメンバーであったアクアマン。1941 年に初登場した彼は、DC(当時はナショナル社)の代表的ヒーローの一人であり、実際、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン以外に50年代のヒー ローコミック暗黒期に休刊せずに生き延びたDC唯一のヒーローでもあった。それだけに、登場初期のジャスティスリーグにおいても、フラッシュ、グリーンラ ンタン、ジョン・ジョーンスのような”新人”ヒーローとは違い、ワンダーウーマンと共に大御所ヒーローとして扱われていた。しかし、「アトランティスの国王」という設定が災いしてか、近年は彼は絶対的な人類の味方 ではない、中立的な存在として描かれることが多いキャラクターとなっており(要するに、マーヴェルのサブマリナーとほぼおんなじ)今作においても、その設 定に則って描かれている。

アクアマンのアニメへの登場機会は多く、古くはフィルメーションによるズバリ「アクアマン」テレビアニメシリーズ(67〜68)があるほか、ハンナ&バー ベラの「スーパーフレンズ」(73年)においても主人公でアニメオリジナルの双子兄妹ワンダーツインズ、スーパーマン、バットマン、ロビン、ワンダーウー マンと並んでメインキャラクターとして登場。アメリカの一般層にもそれなりの知名度を誇るキャラクターとなっている。

前作にあたるワーナー版「スーパーマン」にもアクアマンは登場。実質このエピソードへの序章となっている。その際には広く知られた、オレンジ色のウロコで 覆われた鎧を身に着けた姿で登場したが、今回は90年代から登場したひげを蓄え、上半身もマントのみとなった姿での登場。この姿になってからの最大の特徴 である左手の義手にまつわるシーンもこのエピソード内に登場するが、原作のものとはまったく異なっている(原作では「敵の罠でピラニアに食われた」という ちょっと悲しいもの)。今回は海賊のような鉤爪の義手を身に着けたアクアマンだが、現在、原作では通常の手と見分けのつかないようなサイバネティックアー ムを身に着けている。

今回の敵となるオームは原作におけるオーシャンマスターというアクア マンの宿敵なのだが、設定がほぼ全面的に改変されているため、アニメオリジナルのキャラクターといってしまってもいいだろう。また、アクアマンの命を狙う 殺し屋デッドショットは1950年に「バットマン」で初登場した古参 敵キャラ(ただし、初登場以来数10年間忘れ去られた。今回登場したコスチュームは再登場時からのもの)。バットマンが彼を脅迫するシーンは、バットマン の恐ろしさがにじみ出ている名シーン(笑)。





8・正義を脅かす陰謀 PART 1
9・正義を脅かす陰謀 PART 2
 "Injustice For All"

・ストーリー・
スーパーマンの宿敵、レックス・ルーサー。自身の身に起きた異変に危機を感じた彼は一計を案じる。
それは、ジャスティスリーグに対抗して「悪のリーグ」を結成することだった…

・ゲスト:インジャスティス・ギャング(レックス・ルーサー、ウルト ラヒューマナイト、シェイド、チーター、ソロモン・グランディ、スターサファイア、カッパーヘッド、ジョーカー、スナッパー・カール)

・解説・
今回登場する悪役たちはどいつもこいつも伝統のあるキャラクターなのだが、いかんせん選出基準が意味不明なマニアックさ。インジャスティスギャング自体は原作にも複数のバージョンが登場するが今回の面 子とはどれも全然違う。

レックス・ルーサー(声優は範馬勇次郎や近年のバッファローマンの乃 村健次)は1940年、「アクションコミックス#23」で初登場したスーパーマン最大のライバル。前作「スーパーマン」では84年以降のジョン・バーンに よる設定改変後の設定が大きく反映されていた(表向きは大企業の社長で、自分は悪事に手を染めない、など。要するにジョン・バーンがそれ以前手がけていた 「スパイダーマン」のキングピン)が、今回はこのエピソードでその職を失い、設定改変前や近年の原作での展開に見られる、単身で悪いことを企む悪人、と いったポジションで登場することがメインとなる。スーパーマンの弱点・クリプトナイトが人体に悪影響をもたらして…というのは原作にもあった展開(それが 原因でルーサーは指を切断しなければならなくなった)だが、クリプトナイトアーマーは原作ではそれ以前から登場しており、アニメでの「病状を緩和させる生 命維持装置」という役割は存在しない(アイアンマンか?)。

ウルトラヒューマナイト
は39年の「アクションコミックス#13」で初登場した、スーパーマン史上初の「超人的悪役」。当初はスーパーマン の宿敵と目されていたが、はげ頭で車椅子の悪人というビジュアルが彼の不幸の元凶となった。同じはげ頭の悪党であるレックス・ルーサーがウルトラヒューマ ナイトをはるかに上回る人気を会得してしまったのだ。こうして忘れ去られた彼だったがなんと40年後に復活。その際には巨大なアリに脳を移し変えていた ヒューマナイトさん、その一年後にはアニメにも出た白い猿に脳を移し変えて、悪の軍団を率いてジャスティスリーグと戦い、ジャスティスリーグの宿敵の一人 としてそこそこ知られるように。アニメ版でもなかなかいい味を出している。

シェイド
は1942年、「フラッシュコミックス#33」で初登場した初代フラッシュ(ジェイ・ギャリック)の仇敵の一人。ステロタイプな悪 人だったが、誕生50年以上たってから、当時人気のあった「スターマン」誌にて格好いいキャラとして扱われるようになり、個人タイトルまで得るほどに出 世。アニメ版はこうした面(特に外見はスターマン版を意識している)を踏まえつつもほぼアニメオリジナルのキャラクターとなっている。

チーター
は1943年「ワンダーウーマン#6」で初登場。アニメでは「研究のため自身の肉体を改造した女科学者が悪の獣人となった」という 設定だが、原作に複数いる「チーター」は「悪の人格が目覚めてチーターの衣装を着たプリシラ・リッチ嬢」「キチガイに改造されたデボラ・デュマインさん」 「南アフリカ奥地で僧侶にチーターへの変身能力を授けられたバーバラ・ミネルバ」のどれとも異なる設定となっている。アニメ「スーパーフレンズ」でワン ダーウーマンのライバルを張っており、メジャーになったキャラ。

ソロモン・グランディ
は1944年「グリーンランタン#61」で初登場した、ゴールデンエイジのDCを代表するヴィランの一人。ハルクのよ うな見た目(実際、アマルガムではハルクと合体)だが、沼地に沈んだ富豪が泥や葉と合体して生まれた沼型ゾンビである。名前の由来はマザー・グースの童謡 (「かわいそうなヒポポタマス」の元ネタ)から。頭の悪いパワーキャラとして使いやすいのか、現在も度々DCの各誌上で活躍している。

スターサファイア
は1962年「グリーンランタン(2)#16」から登場したキャラクターで、グリーンランタン・ハル・ジョーダンの恋人 キャロル・フェリスが仇敵ザマロン人によって悪の化身に変えられた姿。アニメにはハルは出てこないのでこの辺の設定も当然語られることのない、ただの飛び 道具系の女悪党であったが。

カッパーヘッド
は1968年「ブレイブ&ボールド#78」が初出。当初は爬虫類コスチュームを着ただけのザコでバットマン、バットガール、 ワンダーウーマンにフルボッコにされる。その後ヨガを学んで軟体人間になったり、ズバリな蛇人間に変身したりしたが、まあ、マイナーであることに変わりは ない。

最後に、後半から登場するおなじみジョーカー(声優はもちろん、青野 武!)。1940年「バットマン#1」に登場。本名、オリジンなどは未だ不明なバットマンの宿敵。「ジャスティスリーグ」でも度々登場して視聴者を楽しま せてくれる。

本編の見所は、この大量のキャラを豪華に使ったバトルは当然として、ルーサーの苦悩をはじめとするメンバーの描き分け方も。また、いきなり負傷して今回い いとこなしかと思わせるバットマンが実は…という展開は、バットマンが悪党過ぎてもはや笑えてくるほど。一番の悪人はこいつだ。





10・失われた楽園 PART 1
11・失われた楽園 PART 2
 "Paradise Lost"

・ストーリー・
ワンダーウーマンの故郷、セミスキラで異変が起こっていた。セミスキラで暗躍する魔術師の陰謀に翻弄されるメンバーたち。
果たして、彼の目的とは。そしてセミスキラの運命はどうなってしまうのか。

・ゲスト:ヒッポリタ女王、フェリックス・ファウスト、ハデス、ス ナッパー・カール

・解説・ 
ワンダーウーマンの設定が掘り下げられるエピソード。彼女の母ヒッポリタ(1941 年「オールスターコミックス#8」で初登場)は男に騙されてキレたのが原因でアマゾン軍団を作った御方で、ワンダーウーマンに変な教育を施したのを筆頭に これからも様々なトラブルの原因となってくれる人。原作でも当然、色々やらかしている人。彼女と因縁深い今回のボスキャラであるハデスだが、原作では比較的近年からの登場であり、そんなに活躍しているキャラ ではない(同じギリシャ神話の神ならばアレスの方が目立っているかも しれない)上に原作では特にヒッポリタとの関係性については言及されていないようだ。最近の原作ではギリシャ風衣装ではなく現代的なスーツを身にまとうこ とが多いが、どうも今は死んでいるらしい。
ハデスの使いっぱしり、フェリックス・ファウストは数千年のときを超 えて暗躍するDC世界有数の悪の魔術師であり、初登場も1962年の「JLA#10」というジャスティスリーグの仇敵である。ある意味では彼の方がハデス より格上といえなくもないのだが…

ワンダーウーマンとヒッポリタ複雑な親子関係、フェリックス・ファウストの策略、そしてなによりクライマックスのハデス変身体とのバトルなどが見所。





12・戦闘の星 PART1
13・戦闘の星 PART2
 "War World"

・ストーリー・
謎の異星人によって連れ去られてしまったスーパーマンとジョン・ジョーンズ。
二人が連れて行かれたのは専制君主制の元、ひたすら見世物の決闘だけが繰り広げられている暗黒世界だった。

・ゲスト:モンガル、ドレイガ

・解説・
今回の元凶、モンガルは1980年「DCコミックスプレゼンツ #27」から登場したスーパーマンの悪役の一人。彼の生みの親、ジム・スターリンはマーヴェルコミックス出身で「アイアンマン#55」にて狂えるタイタン 人サノスを創作し「DCのダークサイドのモロパクリじゃねーかよ!」と批判されたりもした人物。ダークサイドの鎮座するDCユニバースにおいて堂々と登場 したこのモンガルも見た目といい、性格といい、明らかにダークサイドの影響を受けたキャラであり、ここにきてジム・スターリンはただ「ダークサイドをパ クった」のではなく、「ダークサイドタイプの悪役がどうしようもなく好きな野郎」だということが判明したのであった(その後、スターリンはマーヴェルに 戻ってサノスに対する愛情いっぱいに「インフィニティガントレット」シリーズを創作したり、DCでついに、ダークサイドの主演する「ニューゴッズ」シリー ズの完結編を手がけたりすることになる)。

今回のエピソードの元ネタはスーパーマンが苦悩の末地球を離れていた際にモンガルの支配する惑星にてドレイガと決闘を行った"グラディエーター"というお 話。それまでチャンピオンだったドレイガをスーパーマンが破り、モンガルの意に反してドレイガの命を奪うことを拒否するなど大筋が共通している。だが、今 回のサブタイトル「戦闘の星=ウォーワールド」は原作ではただのコロッセウム惑星ではなく、宇宙の古代文明が残した強力な惑星型兵器のことをさす。モンガ ルはこれを手に入れようとしてスーパーマンと数度、激突しているのだ。

マダオこと立木文彦の熱演もあって、本作ではモンガル以上に印象に残るドレイガは 原作においては決闘後、アニメ以上にスーパーマンを尊敬するようになり、とうとうスーパーマン風の衣装を身に着けることになる。アニメ版において彼が(ど ちらかというと憎しみ故に)胸にSの字を焼き付けるシーンはこうした原作のイベントを反映していると思われる。なお、彼はその後、"パニックインザスカイ "にてスーパーマンの宿敵、ブレイニアックに洗脳されるが、その洗脳を見事打ち破りスーパーマンを手助けしようとしたが、その戦いの最中でその命を散らし ている。

珍しく、スーパーマンが主役として活躍させてもらえるエピソード(笑)





14・知られざる街の危機 PART 1
15・知られざる街の危機 PART 2
 "The Brave and the Bold"

・ストーリー・
洗脳によって人々を操り、ゴリラシティの破壊をたくらむゴリラグロッド。
フラッシュとグリーンランタン、そして善玉ゴリラのソロバーはグロッドを止められるのか!

・ゲスト:ソロバー、ゴリラ・グロッド

・解説・ 
ソロバー、グロッドともに、1959年の「ザ・フラッシュ#106」 から登場したフラッシュとは因縁深いキャラクター。彼らは元は普通の類人猿だったのだが、あるとき、アフリカにて地球外から訪れた宇宙船が事故を起こした のが原因で超知性と特殊能力を得、この宇宙船に乗っていた異星人をリーダーにゴリラシティを建設したのだ。しかし、グロッドはこの街を訪れた探険家を誘惑 して異星人リーダーを暗殺。ゴリラシティの権力を治めると共に全世界を支配しようとたくらんだのだが、ソロバーと彼に助けを求められたフラッシュによって その陰謀は打破される。だが、その後もグロッドは何度も何度も得意のテレパシーによる洗脳と天才的な発明によってジャスティスリーグをはじめとするヒー ローたちを苦しめた。

そのライバル、ソロバーはグロッドと比べると陰が薄い(なんせ、ゴリラシティのリーダー格としてめったに出てこないこの街を守っているのだから仕方がな い)のが残念だが、ゴリラシティの超知性ゴリラの存在を秘密にするため、人間たちの前では知能のない普通のゴリラを演じるなど、涙ぐましい活躍?も見せて いる。

本エピソードではグロッドとゴリラシティの設定を中心に、フラッシュ&グリーンランタンコンビとソロバーの活躍を描いている。なんだかマヌケだけど決める ときは決めるフラッシュがイカス。また、フラッシュの脳裏をかすめる奇妙な回想は「研究中に、雷に打たれてスピードフォースの存在とリンクするようになっ た」フラッシュのオリジンを(ファンにしか分からないような描き方なのはどうかと思うが)イメージしている。原作では、アニメで活躍しているフラッシュ― ウォリー・ウエストは「叔父にあたるバリー・アレン(2代目フラッシュ)の研究所を訪れて、偶然事故にあい叔父と同じ力に目覚めた」という設定なので、こ の回想シーンを見る限りは、アニメ版ジャスティスリーグの世界には2代目フラッシュのバリー・アレンがいたとも、(研究を行っていたのはウエスト自身だっ たとすれば)いないとも解釈できる描写となっている。

なお、理由は良くわからないが、このエピソードの原題はジャスティスリーグの初登場誌でもある”ブレイブ&ボールド”である。





16・憎しみ PART 1
17・憎しみ PART 2
 "Fury"

・ストーリー・
インジャスティスギャングの残党を率いて各地を襲う謎の女ヴィラン・アリシア。
全世界の男を忌み嫌う彼女の目的とは何か。そして、彼女と因縁浅からぬワンダーウーマンはどう戦うのか。

・ゲスト:アリシア、ツクリ、シェイド、チーター、ソロモングラン ディ、コッパーヘッド、スターサファイア

・解説・
またもヒッポリタ女王のうっかりが悲惨な事態の原因となるエピソード。
いろんな意味で無残な今回の悪役(被害者?)、アリシアさんはアニメ 版ジャスティスリーグのオリジナルキャラ(ちなみに、今回初登場の忍者のような女ヴィラン・ツクリもアニメオリジナルのキャラクター)だが、元ネタも一応存在する。 1983年の「ワンダーウーマン#300」から登場したヒッポリタ・”リタ”・トレバーがそれで、ゴールデンエイジのワンダーウーマンとスティーブ・トレ バー(この頃の設定では、戦前、戦中のワンダーウーマンは本編の世界”アース1”とは別の”アース2”の人物とされていた)の娘である彼女がヒーローとし て名乗っていたコードネームこそ、今回のサブタイトルであるフューリーなのだ。

やはりフェミの本場ゆえか、アメリカンアニメにはこうしたフェミニズムを題材としたエピソードが多く、ワーナーのDCシリーズにも「バットマン」の「獲物 に恋する女たち」という快作がある。また、一応DCの(笑)「パワーパフガールズ」にもフェミニズムを大義名分にする女ヴィランが登場。ガールズに対し 「女性はまだまだ権利を得ていない」と田嶋陽子センセのような主張を掲げて自分の犯罪を見逃せと迫る。(その際の「だって、女のヒーローな んて全然いないじゃない」「そんなことないわ、スーパーガールにバットガール…」「そんなのオマケじゃない。ちゃんとメインになってるのはいないの?」 「いるわよ!ワンダーウーマンに!えーと、ワンダーウーマンに…」というやり取りにはついつい苦笑してしまう。しゃあないよなあ)

面白いのはこれらのエピソードの多くが最後は「フェミニズムを声高に叫ぶ女性に潜む男性的支配性」を批判する形で終わること。このあたりにカートゥーンの 「正気」が見えると言ったら言い過ぎだろうか。






18・伝説の英雄たち PART 1
19・伝説の英雄たち PART 2
 "Legends"

・ストーリー・
レックス・ルーサーとの戦いの最中、ジョン・ジョーンズ、フラッシュ、グリーンランタン、ホークガールが行方不明に。
彼らが飛ばされたのは昔のヒーローコミックスのキャラが実際に存在する世界のようなのだが…

・ゲスト:ジャスティスギルド(ストリーク、トム・ターバイン、グ リーンガーズマン、キャットマン、ブラックサイレン)、レイ・トムソン、スポーツマン、ドクターブリザード、ミュージックマスター、スワミ、レックス・ ルーサー

・解説・
ジャスティスリーグの生みの親で、コミック創世記からシルバーエイジまで数えられないほどのコミックの原作を生みだしてきたガードナー・フォックス (1911〜1986)に捧げられたエピソード。名作。
今回登場するキャラクターたちもその設定、展開上アニメオリジナルキャラ(故に、原作を一切知らなくても楽しめる)なのだが、それぞれに元ネタとなるキャ ラがある。

ジャスティスギルドのリーダー格・ストリークは初代フラッシュ(ジェ イ・ギャリック)、トム・ターバインは初代アトム+スーパーマン、グリーンガーズマンは初代グリーンランタン(アラン・スコット)、キャットマンはバットマン+ワイルドキャット(DCには既にキャットマンという キャラがいるが無関係)、ブラックサイレンはブラックキャナリー。そ して、ギルドのマスコットキャラのレイ・トムソンは、DCではなく マーヴェルのアベンジャーズのマスコットキャラ、リック・ジョーンズを意識しているのは明白。

敵キャラもスポーツマンはスポーツマスター、ドクターブリザードはアイシクル、ミュージックマスターはフィドレー、スワミはウィザード…と元ネタが存在している。

ガードナー・フォックスはゴールデンエイジのレトロなヒーローたちの活躍を描き、シルバーエイジでは2代目フラッシュなど、ヒーローの現代的リメイクに貢 献した人物であり、そんな彼に捧げられたこのエピソードではゴールデンエイジ、シルバーエイジの明確な違いのある二つの時代の精神を混在させることで、不 変的なヒーローのスピリットをより鮮明に描き出している。

ゴールデンエイジ風ヒーローたちによるおおらかな時代を感じさせるほのぼのとしたバトルやいかにも前時代カートゥーン的な街の描写に見られるユーモアも楽 しく、それがラストの感動を盛り立ててくれる。

また、上記以外の「元ネタ探し」も楽しく、例えばグリーンガーズマンの弱点が「リングはアルミニウムで出来たものに通用しない」(グリーンランタンのリン グが通用しないのは木)だったり、彼の本名がスコット・メイソン(初代グリーンランタンはアラン・スコット)だったり…





20・影の騎士 PART 1
21・影の騎士 PART 2
 "A Knight of Shadows"

・ストーリー・
かって、魔女モーガン・ル・フェイの誘惑に負け、罪を犯した代償に悪魔と融合させられた男、ジェイソン・ブラッド。またの名をデーモン・ザ・エトリガン。
野望に燃えるモーガンに対し、エトリガンとジャスティスリーグが立ち上がる。

・ゲスト:エトリガン・ザ・デーモン、モーガン・ル・フェイ、モード レット

・解説・ 
エトリガン・ザ・デーモンことジェイソン・ブラッドは1972年(日 本で「デビルマン」が誕生したのと同時期!)、「ザ・デーモン#1」でデビューした、DC移籍後のジャック・カービィによって創作されたヒーロー。
オリジナルでは、「魔術師マーリン(アーサー王伝説のあのマーリン) によって呼び出された悪魔が人間ジェイソン・ブラッドに変えられた」という設定だったのだが、現在では本エピソードでも描かれたような「罪を犯したジェイ ソン・ブラッドが悪魔と融合させられた」という設定に変更されている。

アニメ本編には登場しないが、エトリガンを呼び出す呪文は以下の通り。”Yarva Demonicus Etrigan.Change, change the form of man.Free the prince forever damned.Free the might from fleshy mire.Boil the blood in heart of fire.Gone, gone the form of man,Rise the demon Etrigan!”

今回の敵、モーガンも「ザ・デーモン#1」から登場したまさにエトリ ガンの宿敵なのだが、原作ではあまり目立ったキャラではない。また、彼女の息子として登場するモードレットは(多分)アニメオリジナルキャラクター。アーサー王伝説において 円卓の騎士モルドレッドの母とされるモルゴースはモーガン・ル・フェイの姉妹。父親はかのアーサー王自身だが、モルドレッドはアーサー王に謀反を起こし、 討ち取られることとなる。

なお、本エピソードの序盤、バットマンとジェイソンが親しげに会話するシーンがあるが、これは、日本未放送のThe New Batman Adventuresにおいて、バットマンとエトリガンが競演を果たしていることに由来する。
今回、かわいそうなのは延々過去に苦しまされるジョン・ジョーンズ。周りの人たちももっと気を使ってあげて欲しい。





22・メタモーフォー PART 1
23・メタモーフォー PART 2
 "Metamorphosis"

・ストーリー・
企業の陰謀に巻き込まれたグリーンランタンの旧友、レックス・メイソン。
奇怪な”メタモルフォ”に変貌してしまった彼の運命やいかに。

・ゲスト:メタモルフォ(レックス・メイソン)、サファイア、サイモ ン・スタッグ、ジャバ、スナッパー・カール

・解説・ 
メタモルフォは1965年、「ブレイブ&ボールド#57」で初登場し たキャラクター。
原作でもスタッグの部下でその娘サファイアと付き合っているのは共通しているが、そのパワーの起源は大きく異 なっている。超人兵士製作の実験台となった本エピソードと違い、原作ではスタッグはレックス・メイソンを古代エジプト文明の遺跡を調査するための探険家と して雇っており、彼がメタモルフォとなった原因も、「”ラーのオーブ”と称される謎の放射性物質にさらされたため」である(後にこの宝珠を作ったのはエジ プトの太陽神ラーであったことが判明する。彼は同じくエジプト神話に登場する”不死の蛇”アポピスと戦う戦士を求めてこの宝珠を製作したのだ)。

ジャスティスリーグ以外ではリーグを脱退したバットマンが結成したアウトサイダーズやジャスティスリーグオブヨーロッパなどでもメインメンバーの一人とし て活躍していた。

グリーンランタン=ジョン・スチュワートとメタモルフォ=レックス・メイソンの葛藤。暴走するスタッグとその部下のジャバなど、アニメオリジナルの要素が 多いが、それがこのエピソードを盛り立てるのに一役買っている。クライマックスのメタモルフォVSエレメントマン・スタッグのめまぐるしいバトルは演出も 素晴らしい。





24・歪められた過去 PART 1
25・歪められた過去 PART 2
26・歪められた過去 PART 3
 "The Savage Time"

・ストーリー・
任務をこなし、地球に帰還しようとしたリーグの面々。だが、地球に帰り着くその瞬間、待機中だったバットマンが消失。
さらには地球にもとてつもない変化が…

・ゲスト:ヴァンダル・サヴェッジ、イージーカンパニー(サージェン ト・ロックなど)、ブラックホーク隊、スティーブ・トレバー

・解説・ 
第一シーズンのフィナーレを飾る大作。
今回はゲストやその登場のさせ方が非常にマニアックな作りとなっており、ファンを楽しませてくれた。

悪の親玉、ヴァンダル・サヴェッジは1943年の「グリーンランタン #10」から登場した、DCの代表的なヴィランの一人。アニメでも後のエピソードで詳しく解説されることとなるが、5万年以上もの時を生きてきた、まさに 「最古の悪人」である。声優も衝撃のアルベルト、東方不敗の秋元洋介!なので、まさにシーズンラストを飾るにふさわしい大物の貫禄。

そんなサヴェッジの策略によって捻じ曲がってしまった過去の世界―あまりにも異常な第2次世界大戦を舞台に描かれる本エピソード、大戦中が舞台だけに登場 することの出来るキャラクターたちが今回のゲストとなっている。例えば力を失ったグリーンランタンが同行するイージーカンパニーは1959年、戦争コミックスの「Our Army at War#81」から登場したアメリカ軍の部隊。特に隊員の一人、サージェント・ロッ クは人気、知名度ともに高く、個人タイトルなどをはじめとする関連誌や独自のフィギュアシリーズも持っていた。

スーパーマン、ホークガールとともに大空を駆け回るブラックホーク隊は1941 年、まさしく戦争のさなかに刊行された「ミリタリーコミックス#1」で初登場。ポーランド系アメリカ人のブラックホーク(本名:バート・ホーク)をリーダーにフランス人のアンドレ、ノ ルウェー人のオラフ、ドイツ人のヘンリクソン、中国人のチョップ・チョップなど、世界各国の勇士で構成されたチーム(…なのだが、現在の目で見ると、人種 差別や偏見と思われても仕方がないようなディフォルメでそれそれの国を表現している)。1987年にはより現代的な観点を取り入れてリメイクが行われた が、アニメ版に登場したのは(おそらく)オリジナル版の方。デザインはアニメオリジナルのようだ。

そして、今回ワンダーウーマンと同行し、いい味を出してくれるスティーブ・トレバー。 彼こそ戦争中の1941年、「オールスターコミックス#8」において女だけの国、アマゾンに墜落し、そこで出会ったダイアナをスーパーヒーロー、ワンダー ウーマンとしてデビューさせるきっかけとなった男性(要するにバトル系ギャルゲーの主人公の立場)である。原作においてもアメリカ軍の勇士だっただけに、 今回の登場もアニメオリジナルの展開とはいえ自然であろう。なお、原作におけるスティーブ・トレバーは戦後、コミックスがシルバーエイジに移り変わっても 生き続け(ただし、ゴールデンエイジ→シルバーエイジの移り変わりの中で、第2次世界大戦などで活躍したワンダーウーマンとトレバーは”アース2”に住む 人物であると設定された。この二人は結婚し、子供をもうけている)てきたが、その後は死亡と復活を繰り返すことなり、その都度微妙な設定改変)を受け、更 なる混乱をきたすのだが、結局、1986年の「クライシス」以後はワンダーウーマ ン関連の設定が完全に改変され(アニメ同様、彼女はかなり”最近”ヒーロー活動デビューしたこととなった)、トレバーの位置も以前と似たような、しかし現 代的な設定で安定したが、ワンダーウーマンの恋人、というポジションは消失し(クライシス直後のリニューアルワンダーウーマンはフェミニズムが大きなテー マとされ、ワンダーウーマンは「自立した女性」のイコンとして描かれた)、結局別の女性と結婚することとなる。現在はDCユニバースのアメリカの国防副長 官を務めている。それだけに、今回のそれらのどれとも違う彼とワンダーウーマンの活躍は非常に意義のあるものとなっている。

他にも小ネタが多く、炎をまとって飛ぶスーパーマンが初代ヒューマントーチ(戦中のマーヴェルの代表的ヒーロー)のようだったり、歴史改変された現代世界 でレジスタンスとして一人で戦っているバットマン(また主役かと思ったら出番は最初だけだったり)の部下の少年たちは、歴代ロビンのディック・グレイソ ン、ティム・ドレイク、バットガールことバーバラ・ゴードンだと思われるなど、実にこだわりが効いている。

そして、圧巻はそれらを抜きにしてもダイナミックな第2次世界大戦のバトル描写。こと近代のアメリカアニメにおいては描かれなかった戦争描写がSF分大目 とはいえ、エンターティメント感たっぷりに表現されている。
ヴァンダル・サヴェッジ支配下のナチスは「あのマーク」こそ使用していないものの、ベルリンの地下施設には「あの総統」が冷凍されているなど、「あ、こ れ、いいんだ」というような描写も見られる(笑)。





27・正義の夜明け PART 1
28・正義の夜明け PART 2
 "Twilight (Of The Gods)"

・ストーリー・
神々ニューゴッズの住む異次元世界フォースワールド。悪の世界アポコリプスはその暴走故に疲弊していた。
アポコリプスの王ダークサイドはスーパーマンたちを利用しこの事態を打開しようと企む。

・ゲスト:ダークサイド、カリバック、ハイファーザー、オリオン、 フォレジャー、ライトレイ、ニューゴッズの面々、ブレイニアック

・解説・
第2シーズンのファーストエピソードだが、前回に負けぬ豪華な布陣。
スーパーマン最大の敵、ダークサイドとブレイニアックとのバトルにジャック・カービィ渾身の名作フォースワールドシリーズ(「ニューゴッズ」、「ミスターミラクル」、「フォー エバーピープル」などからなる)にまつわるエピソードが絡むというDCファン感動の一本。

ただし、説明不足もあるので捕捉しておくと、このエピソードは、ワーナー版「スーパーマン」の最終エピソード「継承」の直接的な続編である。この物語にお いて、ダークサイドに操られ地球を攻撃したスーパーマンは、結果的には洗脳を打ち破りダークサイドを倒したが、アポコリプスがダークサイドという「王」な しには存続できない(トップが滅茶苦茶強い北朝鮮みたいなもんだ)のを悟り、彼を見逃し、地球に戻っても洗脳されていた間の事件のことで多くの人々から 白眼視されるようになってしまったのだ。それ故に、本エピソードではいささかやりすぎなのではないかと思うほど「キレた」スーパーマンを見ることが出来 る。

さて、そのダークサイドはジャック・カービィがDCに移籍したての 1970年、「スーパーマンズ・パル・ジミーオルセン#134」にて初登場。暗黒の 世界アポコリプスの王で絶対的な専制君主(当時、カービィはこの暴君をニクソン大統領に対する批判の意味を込めて描いたという)。善の神々の集うニュージェネシスとは一応の和平を結んでおり、その約束として ニュージェネシスの指導者ハイファーザーとは、互 いの息子を交換している(が、これはほぼ崩壊しているようなもの)。ニューゴッズにおける最大の悪の根源であるのみならず、DCユニバースの全悪役の頂点 に立つともいえる存在であり、スーパーマン、そしてジャスティスリーグらにとっても恐るべき、余りにも強大な敵として描かれてきた。

カリバックはそんな彼の実の息子であるが、ワーナー版「スーパーマ ン」でスーパーマンに軽くあしらわれて以来、悲しい位低い扱いを受けている。「ダークサイドに預けられたはずのハイファーザーの実の息子」に関する説明が まったくないため、彼をハイファーザーの息子だと勘違いする視聴者も多いらしいが、彼は一応、ダークサイドの実子。ダークサイドに預けられたハイファー ザーの実子はこのエピソードのラスト、ニューゴッズの面々がぞろぞろ出てくる中に混じっている、ジョン・ジョーンズと似たようなマントを身に着けた赤いコ スチュームの人である。名前はミスターミラクル(本名?スコット・フ リー。初登場は1971年の「ミスターミラクル#1」)。宇宙最高の脱出の名人である彼はアポコリプスを脱出していたのだ。

オリオンライトレイ、そしてハイファーザーらはともに1971年、「ニューゴッズ#1」から登場(ついで に、上のカリバックも)した、ニューゴッズを代表する面々である。特に、今回も活躍するオリオンはダークサイドの実子であり、実質、ニューゴッズにまつわ る物語の主人公といえる。また、彼らニューゴッズを助けることになる(家にかくまっていた、で済むのはどうかと思うが)フォレジャーは1972年「ニューゴッズ#9」から登場。ウィリアーバグと呼 ばれるニュージェネシスの下層民であるが(ライトレイがワンダーウーマンらを「虫」と呼んだのはこれに起因する)、アニメとはまた違った展開でオリオンと ライトレイを救うこととなる。

彼らニューゴッズはDCユニバースと直接リンクしながらも、また別の、一つの神話体系ともいえる物語を紡いできたキャラクター(そして、世界観)たちであ る。現在、原作ではニューゴッズは滅んでしまったが、悪の勢力だけはより現実的な(マフィアのボス・ダークサイドとか…)存在に転生し、DCユニバースの 新たなる暗黒時代の到来を告げんと暗躍している。

最後にスーパーマンの宿敵、ブレイニアックについて。初登場は 1958年の「アクションコミックス#242」。クリプトンの都市キャンダーを瓶詰めサイズに縮小した異星人のような存在として現れたが、実は彼は故郷コ ル星のコンピューター・タイラントが製作したマシンであったことが後に発覚し、1980年には緑色の異星人の姿から完全なマシンの姿にイメージチェンジし た。その後、クライシス後のリニューアル(1988年「アドベンチャーズオブスーパーマン」)において、彼は「コル星の科学者だったがクーデターを企み、 処刑され、その精神だけがテレパシーや念動力を駆使しコンピューターに自由にアクセスできる精神生命体ブレイニアックとなった」設定に改変されたのだが、 アニメ版ブレイニアック(声優は、∀のハリー・オードやデカレンジャーのドギー/デカマスターの稲田徹!)はこれらとはまったく違う、「スーパーマンの 父、ジョー・エルが作ったコンピューターが自我を持ち、人類に敵対的な存在として活動するようになった」という設定で、クリプトン星崩壊による生存者が スーパーマンのみとなった原因でもあり、原作以上に、スーパーマンの仇敵というポジションを宿命付けている。また、その目的も支配や征服、破壊そのもので はなく、「宇宙に存在する惑星のデータをすべて記録すること」(惑星の破壊はデータの収集が完了したことを意味する)というなかなかスタイリッシュなもの となっており、彼をある意味原作以上に屈指の悪役として成立させている。

かようにルーツの深いキャラたち(特にニューゴッズ関連はまだまだ主要な事柄を解説し切れていない)が混戦するこのエピソードだが、こうした知識をもたな くともそのスペクタクルを十二分に楽しむことが出来るのはさすがである。特に、異常に刺々しいスーパーマンと、彼に冷たい言葉でしか助言することの出来な いバットマンの距離感は人物描写という点でアメコミ、カートゥーンが日本のそれにまだまだ負けていないことを示す好例といえる。





29・コピー PART 1
30・コピー PART 2
 "Tabula Rasa"

・ストーリー・
自分の会社、レックスコープを追われ、さまようレックス・ルーサー。
仲間の科学者の遺産をもってしてもう一度這い上がろうとするルーサーだが、その遺産であるアンドロイドの力はあまりにも強力だった…

・ゲスト:アマゾ、レックス・ルーサー、マーシー・グラヴェス、アイ ヴォ博士

・解説・ 
最後まで名前を呼ばれないかわいそうな今回のゲスト、アマゾは1960 年、「ブレブ&ボールド#30」が初出。悪の科学者アイヴォ博士に作 られたというその起源も同様だが、一言も喋らない、というか顔すら見せないで死亡する本作のアイヴォ博士と違い、原作では現在も存命。悪の学者として活躍 中である。吸収能力を持った敵といえばアニメ「スーパーマン」にも登場したパラサイトが有名だが、触れることで相手のパワーを吸収するパラサイト以上に、 見るだけで相手の能力をコピーできるアマゾの方が厄介かもしれない(体力こそ吸収しないが)。原作においては割と様々な形態を持ち、人間の姿をとることが 多いアマゾだが、本作ではいかにもアンドロイド的な姿で活躍する。

今回、ルーサーに複雑な感情を見せる彼の元秘書マーシーはアニメ版 スーパーマンのオリジナルキャラクター。自分を拾ってくれた、だが、平気で捨て去ることもいとわないルーサーに愛憎半ばする感情を抱いており、「スーパー マン」において、スーパーマンから仲間であっても平然と裏切るルーサーからは離れろと説得されても、彼から離れることは出来なかった。

その他、見所はまたしても苦悩するジョン・ジョーンズ。テレパスの回線を開放した結果、精神が支障をきたすというのは名作「キングダム・カム」で廃人と なってしまった彼の末路を思わせるのが辛い。また。アマゾから「おまえからは何も得るものはない」と言われたバットマンだが、表情一つ変えずに…という シーンはホークガールならずとも「怖い男」と呟いてしまうこと必至。





31・悪夢 PART 1
32・悪夢 PART 2
 "Only a Dream"

・ストーリー・
鬱屈した精神を抱える囚人、ジョン・ディーはヒーローを虐殺したいというゆがんだ欲求を抱えていた。
彼が志願した超能力実験はディーに、ジャスティスリーグに何をもたらすのか。

・ゲスト:ジョン・ディー(ドクターディスティニー)、ファイヤーフ ライ、ルミナス、ヴォルカーナ、スナッパー・カール

・解説・
今回の敵、ドクター・ディスティニーは1961年「JLA#5」が初 出の古くからのジャスティスリーグの敵の一人。だが、こんなマニアックなキャラで普通に前後編を作るのはかなりの冒険であろう(笑)。
原作当初は割とステロタイプな「悪の科学者」だったのだが、その後JLAに挑んだ際には謎のルビーの力によって、リーグのメンバーを夢の世界に引きずりこ む戦法に出るようになり、これが彼の最大の特徴となった。結局、リーグに敗れ、精神を病んだディーはゴッサムシティのアーカム精神病院に投獄され、ニー ル・ゲイマン作「サンドマン」屈指のホラーエピソード”24時間”の元凶となる。
「サンドマン」での強烈な印象を考えると、原作と違い、うだつのあがらない、精神のねじくれた囚人という元来の姿は「らしい」ともいえる。その能力の不快 さも、そうした彼の素性ゆえに際立つというものだ。特にスーパーマンの見る悪夢が辛い(何気に、貴重なジャスティスリーグでのロイス・レーンの出番なのだ が…)。

なお、今回の前半戦で消化される小物ヴィランのうち、火器で武装して空を舞うファイ ヤーフライは1952年の「ディテクティブコミックス#184」が初出のマイナーキャラ。ルミナスヴォ ルカーナはどちらもワーナー版「スーパーマン」に登場したアニメオリジナルキャラクターである。





33・孤独の姫君 PART 1
34・孤独の姫君 PART 2
 "Maid of Honor"

・ストーリー・
地上の文化に触れてみようとパーティーに出かけてみたワンダーウーマン。ふとしたことからカスニア国の姫オードリーと親しくなる。
だが、彼女はカスニア国内に渦巻く陰謀に巻き込まれており…

・ゲスト:オードリー、ヴァンダル・サヴェッジ、コロネル・ヴォック ス

・解説・
ワンダーウーマンの色々な姿が見られる、WWファンのためのようなエピソード。
オードリーは今回が初登場だが、バルカン半島にあるらしいカスニア国はワーナー版「スーパーマン」や「バットマン・ザ・フューチャー」な ど、アニメシリーズにはよくその名前が登場する国家。
今回の敵ボスは早くも再登場のヴァンダル・サヴェッジだが、何故か声 が変わっていて残念至極。彼の語る過去は原作でも同じで、最新超大型イベントである「ファイナルクライシス」においては、人類最初の悪の軍勢を率いてい た。また。彼の部下として登場する、喉に埋め込まれた超音波発生器で攻撃を行うコロ ネル・ヴォックスは1977年に発売された「メタルメン#51」から登場したバイオニックバンディットというキャラクターのことらしい…多分、今迄で一番マ イナーなキャラクター。





35・第三の目を持つ男 PART 1  
36・第三の目を持つ男 PART 2
 "Hearts and Minds"

・ストーリー・
任務をこなしていたグリーンランタン隊が壊滅した。部隊を率いていたカトゥマ・ツィーは瀕死のキロウォグを地球に逃げ延びさせる。
キロウォグから事情を聞かされたグリーンランタンはただちにカトゥマを救出に向かった!

・ゲスト:グリーンランタンコーズ(カトゥマ・ツィー、キロウォグ、 アーキス、ガリアス)、デスペロ

・解説・ 
ジャスティスリーグの仇敵の一人、デスペロ。満を持しての登場であ る。ジャスティスリーグが「ブレイブ&ボールド」から個別タイトルを得た「JLA#1」(1960年)誌におけるリーグの最初の敵こそが”パイターの炎” の力を起源とする惑星カラノアの暴君・デスペロであった。最初の戦いでリーグに敗れ、カラノアの王としての立場を失ってからは主に個人で活動するスーパー ヴィランとなったため、アニメにおける"パイターの炎"関連の設定はおそらくアニメオリジナル。
アニメでも多用した他者を操る能力を駆使して、地球を大混乱に陥れた。その後、死亡するが胎児に戻って生まれ変わって見せたり(ピッコロとマジュニアみた いなものか。こっちは悪いままだけど)も。登場当初はリーグのメンバーを模したチェスをたしなんでみせたりもした。

今回、無残にリストラ決行されたランタン隊からは原作におけるグリーンランタン(ジョン・スチュワート)の妻であるカトゥマ・ツィーが初登場。この時点ですでにランタンはホークガールといい感じ だったので、意外な登場である。ランタン時のコスチュームは普通だが、デスペロの部下として潜入している際のコスチュームは非常にエロティック。まさに 「一瞬子供向けと思わせておいて、実は体のラインが滅茶苦茶エロい」でおなじみ(日本で言うなら吉崎観音みたいなものか?)のブルース・ティムの面目躍如 である。(ちなみに、カトゥマさん、原作においては本シリーズでも活躍したスターサファィアに、今回のアーキスたち並の扱いで殺されている)。また、前回 もいい味を出していたキロウォグは今回、フラッシュとドタバタコンビ 振りを披露。特に、ランタンの住んでいるアパートでの大家を交えたやり取りはなかなか笑える。
…あ、っという間に宇宙の闇に消えていったアーキスガリアスにはご愁傷様というしかない。前回一言も喋らなかったト・マーレラーボクスは日本未放映の続編で出番があるというのに。





37・より良き世界 PART 1
38・より良き世界 PART 2
 "A Better World"

・ストーリー・
平和のため、自分たちが人類を支配することが必要だと考え、”不殺”の一線を越えるスーパーマンたち”ジャスティスローズ”。
彼らは自分たちの世界と似たパラレルワールドの存在を知り、その世界の”ジャスティスリーグ”と成り代わろうとする…!

・ゲスト:ジャスティスローズ(スーパーマン、バットマン、ワンダー ウーマン、グリーンランタン、ホークガール、ジョン・ジョーンズ)、レックス・ルーサー、ドゥームズディ、アーカムの患者(ジョーカー、ポイズンアイビー など)、ロイス・レーン、スナッパー・カール

・解説・ 
ジャスティスリーグ、屈指の名作にして問題作。
「ヒーローは力をいかにして使うべきなのか」「平和のための暴力は何処まで許容されるのか」といったヒーローとはなんなのか、なんのために存在するのかと いうアメコミ最大のテーマに挑む一作。

異世界のリーグ、”ジャスティスローズ”のメンバーたちは(例えば、原作DCユニバースの旧設定にある、通常世界の善人が悪人となっている”アース3”の スーパーマンたちのように)悪人ではない、ある瞬間まではジャスティスリーグと、おそらくは全く同じ道を辿ってきたのだ。だが、彼らはある時、自分たちの 力を最大限に活用した「世界平和の実現」方法に足を踏み入れてしまう。彼らが世界を支配、監視することで、地球からは犯罪も戦争も消えるのだ…

ジャスティスローズの設定自体は、上記”アース3”の悪スーパーマン (その名もなんと、”ウルトラマン”!)らが結成した悪の集団クライムシンジゲート オブアメリカが下敷きになっているようだが、「ヒーローたちが、ある日突然今までの自分たちのやり方は間違っていたと考え、平和を強制する ようになったら」というストーリーライン自体は他の作品、例えばDCユニバースの暗黒の未来世界と希望を描いた名作「キングダム・カム」や、 スーパーマンがアメリカの走狗となるアメコミ史上の金字塔「ダークナイトリターンズ」、その続編「〜ストライクスアゲイン」、もしも、スーパーマンがソ連 に到着していたら、というストーリーの「レッド・サン」、そして、ヒーローの行き着くところは結局はファシズムである、とシニカルに断定してみせたアラ ン・ムーアの「マーベルマン(ミラクルマン)」(ムーアだと、結局製作が実現しなかったスーパーマン、ワンダーウーマン、キャプテンマーベ ルの一族が結びついて世界を支配している暗黒未来を描く予定だった”ヒーロー・オブ・トワイライト”がもっとも近いか)などからインスパ イアを受けているのは明白だろう。また、マーヴェルのスコードロンスプリーム(通常のマーヴェルユニバースとは別の世界のヒーロー、メンバーはジャスティ スリーグのパロディーとなっている)の影響も見受けられる。

本作のそれらの作品と異なる所は、やはり、”ちょっとしたズレ”が生じる前と後の同一人物たちがぶつかり合う所にある。特に、二人のバットマンが交わす会 話はお互いのことを誰よりも知っている二人だからこそできるもので、深く、彼の人間性の真実を垣間見ることが出来る。また、ジャスティスロード世界におい て大統領となっているルーサー(実際、この頃、原作のDCユニバースではレックス・ルーサーが米大統領に君臨していた。そして、現実では…?)のセリフに おける「結局はヴィランの存在に依存しているヒーロー」という図式は敵を殺さないスーパーマン(というよりは、人気のある敵キャラを失うわけにはいかない コミックゆえの、だが)が抱える矛盾を批判するにはこれ以上ない言葉として視聴者にも受け止められる。そして、その言葉を無意識に(あるいは知ってはいる が言葉には出さずに)実行しているジャスティスリーグ世界のルーサーの「どうせ保釈金を払えばすぐに出られる」「刑務所の看守を買収しているから簡単に出 られる」などの言動も先のシーンを観たものにとっては鮮烈。エピソードのクライマックス、そうした矛盾を抱えたまま自分たちのとるべき手段に苦悩するヒー ローの中のヒーロー、スーパーマンが下した解答の意義とは…

911テロ、アフガン、イラク戦争の余熱も覚めやらぬ(ブッシュ大統領の支持率がまだまだ健在であった)頃に製作された、というだけでもこのエピソードに 込められたメッセージは明確だろう(特に、スーパーマンが倒れた星条旗を元に戻すラスト!)。近代以降のアメリカンヒーローコミックスが描き続けてきた、 現実へのアンチテーゼ。こうしたことが出来るのがアメコミのすばらしさの一つなのではないかと、個人的に思う。

テーマ、メッセージ性の極めて強いエピソードであるが、それだけではない。キャラクターたちの心情をよく具現化した演出、セリフ…全てが見所となっている のだ。
例えば、それはすでに失った仲間であるフラッシュ(ローズ世界ではルーサーによってホワイトハウスで処刑されている。冒頭のシーンはその直後のこと)に対 するローズメンバーたちの視線であり、ローズ世界のバットケープに飾られた、ナイトウイング、ロビン、バットガールのコスチューム(つまり、彼らはヒー ローを引退したのか、あるいは…)であり、悪事をしでかすことのないように、脳改造を施されたアーカムの収容者たち(セリフ付で視聴者に衝撃を与えるジョーカーポイズンアイビー以外にも、トゥーフェイススカーフェイスといった面々が確認できる)のシーンに感じる薄ら寒さだ。こうし た 丹念な描写が「正義により強制された平和」の意義を問いかける、本エピソードの背景として実に痛烈に効いている。
また、今回のゲスト悪役、ドゥームズディの強力さも忘れられない。 1992年「スーパーマン・マン・オブ・スティール#17」から登場し、一連の「スーパーマンの死」の元凶となった、近年屈指の強力なヴィランである。原 作では、数十万年前に古代文明が遺伝子実験を繰り返した結果、誕生した怪物だったが、本作ではその素性は明らかにされない。ここではむしろ、原作では当時 のジャスティスリーグ(マイナーな連中しかいないが…)を壊滅させ、スーパーマンをも相打ちに追い込んだ史上最強レベルの怪物であるドゥームズディが 「ジャスティスローズの方法なら、初戦で倒せてしまう」という点に注目すべきだろう。

そして、何よりも物語を大いなる迫力で彩るアクションシーンの数々!特にドゥームズディ戦やラストのリーグVSローズなど、ハイレベルのバトルシーンが繰 り広げられている。必見。

…この物語のラストについては、誰しもが思うところがあるだろうが、日本未放映の新エピソードで描かれる本作の直接的な続編(ローズ版フラッシュのデザイ ンや、ドゥームズディの正体はここで明らかになる)でも、「何が正しかったのか」という問いに対する答えは提示されない。果たして、世界をよりよく導けた のはジャスティスリーグなのか、ジャスティスローズなのか…(ローズ世界のその後も気になるが…こっちはなんか、バットマンが一人勝ちしてそうな気が…)





39・蛇族の呪い PART 1
40・蛇族の呪い PART 2
 "Eclipsed"

・ストーリー・
古代、人類と敵対していた蛇族が残した黒いクリスタル”ブラックハート”。それを手にしたものは蛇族の怨念に乗っ取られてしまう。
一方、その性格が災いしてテレビでバッシングを受けていたフラッシュだったが…

・ゲスト:モフィール、オフィディアン、グロリアス・ゴードン・ゴッ ドフリー、ミラーマスター、キャプテンブーメラン、ヒートウェーブ

・解説・
今回の敵、蛇族オフィディアンはアニメオリジナルの設定だが、登場す るキャラクターは一部、コミックスから要素を抜き出されている部分がある。1963年「ハウスオブシークレット#61」から登場した他者に乗り移る邪神の 精神体ヴィラン・エクリプソがそれで、水晶に意識を乗っ取られたマコーミック将軍が”奇抜な衣装”で暴れまわる姿もその辺りを意識しているよう だ、また、原作においてブルース・ゴードンがこのエクリプソになる前に、突如襲い掛かり、彼の歩みを止めんとした人物こそ、今回のゲスト、モフィールである。

今回、ある意味蛇族以上に強力な敵として登場したテレビ司会者・ゴッドフリーも、 ただの一般人キャラと見せかけて立派な原作ありキャラクターである。ニューゴッズ関連タイトル「フォーエバーピープル#5」(1971年)に登場した彼 は、アニメ版の普通の人間である彼と違い、アポコリプスの王ダークサイドの手先であった。

なお、今回のエピソードの中で彼が視聴者に対して紹介するフレデリック・ワーサム博 士は実在の人物。著作「無邪気さへの誘惑」(ゴッドフリーが読み上げていた本がまさにこれである)などでコミックスが未成年に与える影響の 恐ろしさや犯罪の増加原因はコミックであるといった主張を説き、悪名高きコミックコード施行の元凶となった人物である。

冒頭、フラッシュが出演したCMに登場する悪役はキャプテンブーメラン(1960 年の「フラッシュ#117」が初出)とミラーマスター(1959年の 「フラッシュ#105」が初出)、ヒートウェーブ(1963年の「フ ラッシュ#140」が初出)である。いずれもフラッシュの宿敵であり、しかもフラッシュの宿敵たちは互いにとても仲がよくローグズという悪の組織を結成して何度もフラッシュと戦っている。アニメ版 「スーパーマン」のフラッシュがゲストのエピソードに登場したウェザー・ウィザードもその一員である。

今回は冒頭とクライマックスこそシリアスなものの、開始早々飛ばしてくれるゴッドフリーのセリフ(アメコミには、よく「社会の権威のような存在を自負して いるが実際には思慮が浅く、口だけの人間」がワーサム博士が昔言っていたようなことを言い出す、揶揄的ギャグシーンが出てくる)や「この衣装の何処がハレ ンチだって言 うのよ!」と怒るワンダーウーマンとそれに対し二の句を告げないフラッシュたちなど、全編通して(フラッシュが主人公だけに?)ギャグ描写が多いエピソー ドである。小ネタでいうと、フラッシュがグリーンランタンを「ヒーローがアメリカの田舎町を旅して回る」旅に出ようぜ、と誘うのは名作「グリーンランタン &グリーンアロー」を意識してのことだろうか。
蛇族関係の物語とフラッシュとゴッドフリー、そして世間の人々の物語がうまく交差していないため、ストーリーがチグハグに感じられてしまう部分もあるが、 ラストの前編から一転してのスケールの大きく、緊迫感のある展開など、スピード感溢れる快作である。





41・異世界からの驚異 PART 1
42・異世界からの驚異 PART 2
 "The Terror Beyond"

・ストーリー・
軍隊に追われていたソロモン・グランディを保護するなど、最近、奇行が目立つアクアマン。
彼の真意を探ろうとスーパーマン、ワンダーウーマン、ホークガールはアクアマンが向かったという魔術師ドクターフェイトの元へ向かうのだが…

・ゲスト:ドクターフェイト、アクアマン、ソロモン・グランディ、イ クスルトゥー、旧きものども

・解説・
今回が初登場となるDCユニバースを代表する魔術師ヒーロー、ドクターフェイトは1940 年「モア・ファン・コミックス#55」で初登場。DCユニバースが形成された原初の宇宙において誕生した「秩序の大公」の一柱・”賢者”ナブーの意思もしくは力が宿った魔術師である。ワーナー版「スーパーマン」にも ゲスト登場しているが、今回と同じく設定などについて一切の説明がない、「便利な魔術師」という扱いだった。結構な頻度で代替わりしており、しかもそれが 複数の人間の合体であったり、ナブーの意志が失われていたりとややこしい。一応、アニメに登場するフェイトは初代フェイトであるケント・ネルソンというこ とになっているらしい。ホークガールの武器だけが彼に通用した理由はいまいちよくわからないが、彼女の武器が古代のものであり、魔術への対抗があるから か。

また、スーパーマンが自分のコスチュームと肉体を傷付けられると即座に魔法の介在に気付いたのは、彼の身体とクリプトン製の織布で作られているコスチュー ムは弱点であるクリプトナイト以外のあらゆる物質に極めて強い耐性を持ち、通常では裂けることはないのだが(怪力などでねじ伏せられて痛みを与えることな どは可能)、通常の物理法則に縛られない魔法はその効果を打ち消してしまうため。

今回のゲストキャラであるドクター・フェイト、アクアマン、ソロモングランディという構図はマーヴェルコミックスの「ディフェンダーズ」のパロディとなっている。ドクター フェイトはドクターストレンジに(共に両世界屈指の魔術師)、アクアマンはサブマリナーに(共に両世界のアトランティス王国の王)、グランディはハルクに (外見と能力が似ている)対応しており、また、今回活躍するリーグメンバーもスーパーマンはシルバーサーファーに、ホークガールはナイトホーク&ヴァルキ リーに対応。ワンダーウーマンは…同じギリシア系ということでアトラスあたりと対応している、かも。
ディフェンダーズは地球の悪人や侵略宇宙人よりも「異世界から訪れた怪物」と戦うことを目的に結成されたチームであり、それだけに今回の敵、異世界から訪 れる邪神であるイクスルトゥーはディフェンダーズのパロディチームの敵として相応しい存在だろう
(言うまでもないが、イクスルトゥーは「クトゥルー神話」のパロディーである。同様にクトゥルーが元ネタであろうゲームで有名になったマーヴェルキャラ、 シュマゴラスも元はドクターストレンジの敵であった)。また、深海に潜む邪神というクトゥルー独特の設定によって、アクアマンがこの面子に加わっている理 由が非常に自然なものとなっているあたりもうまい。

また、そうした前知識を持たずとも、今回の新の主役となるソロモン・グランディの活躍を眺めているだけで楽しめる。ラストも感動的(だが、フェイトとアク アマンの無責任振りにつっこむべきか…)。

ソロモン・グランディ月曜に生まれて 火曜に洗礼 水曜に結婚して 木曜に病気  金曜にきとく 土曜に死んで 日曜に墓の中 はいそれまでよ ソロモン・グランディ





53・シークレット・ソサエティ PART 1
44・シークレット・ソサエティ PART 2
 "Secret Society"

・ストーリー・
ゴリラ・グロッドはインジャスティスギャングの失敗をチームの結束力にあったとして、チームワークを重視した悪の組織シークレットソサエティを結成。
一方のジャスティスリーグはその頃、些細なことから仲違いしていて…

・ゲスト:ゴリラ・グロッド、シェイド、ジャイガンタ、シネストロ、 パラサイト、キラーフロスト、クレイフェイス、モーガン・エッジ

・解説・ 
シークレットソサエティ・オブ・スーパーヴィラン(略してSOS団) はDCユニバース最大の悪役チームの名であり、原作においてはこの名を持つ組織がいくつも存在する(名前の初出は1976年の「シークレットソサエティオ ブスーパーヴィラン#1」)。主なものにダークサイドが結成した嫌になるぐらいメンバーがいるもの(グロッドも参加)やレックス・ルーサーが結成したもの など。

今回の初登場キャラを解説していくと、なんかすげええろっちい巨大女・ジャイガンタは1944 年「ワンダーウーマン#9」でデビューした地味に古株キャラ。当初は別に超巨大キャラじゃなかったりする。
シネストロ
は1961年「グリーンランタン(2)#7」で初登場したグリーンランタンの宿敵。元はランタン隊の一員だったが、その野心のた めに除斥された。自身の軍団であるシネストロコーズを持つ、この面子の中にいるのが不思議なほどの大物。ワーナー版「スーパーマン」のグリーンランタン (カイル・ライナー)ゲスト回にも登場している。
触れた相手のエネルギーを吸収してしまうパラサイトはワーナー版 「スーパーマン」でも活躍したスーパーマンの敵の一人。原作では1966年の「アクションコミックス#340」で初登場した。
キラーフロストは1978年の「ファイヤーストーム#3」から登場し たクリスタル・フロストと1984年の「フィヤーストーム(2)#21」から登場したロイス・リンカーンの二人がいるのだが、アニメに出ているのがどちら なのかは不明。いずれにしろ、宿敵ファイヤーストームよりも早い出演である。
ワーナー版「バットマン」においても数度出演し、悲劇的な名作をいくつも飾った泥人間ク レイフェイスは1940年「ディテクティブコミックス#40」が初登場だが、アニメ版に登場するクレイフェイスは1961年の「ディテク ティブコミックス#296」から登場する2代目・マット・ハーガンである。
また、そのクレイフェイスを保有していた資産家、モーガン・エッジは アニメにおいてはただの人間の資産家として描かれているが、原作においては大メディア企業ギャラクシーブロードキャスティングシステムの社長であり、スーパーマン=ク ラーク・ケントの勤めるディリープラネット社を乗っ取り、その報道方針を自分の意図に沿ったものに改変しようとした典型的な悪の資産家であった。後にダー クサイドの地球における尖兵であるインターギャングの一員となる。ゴッドフリーもそうだが、こういう見逃しそうな所にいるキャラにもきちんと原作があった りするあたり侮れない。なお、彼の初登場は1970年の「スーパーマンズ・パル・ジミー・オルセン#133」。

本編の見所はなんといっても後半戦の凄まじいアクション。14人のキャラクターがくんずほぐれつの大乱戦を繰り広げるこのシーンの絵コンテは本当に凄い。 また、いつも以上に作画のテンションも高く、スピード感が尋常ではない。





45・消えた英雄 PART 1
46・消えた英雄 PART 2
 "Hereafter"

・ストーリー・
仇敵たちの攻撃から仲間を守ろうとしてスーパーマンは消え去った…
世界中が彼の死を悼み悲しみに包まれる。果たして、リーグはどうなるのか、そして、彼は本当に死んでしまったのだろうか。

・ゲスト:ロボ、ヴァンダル・サヴェッジ、バンドオブスーパーヴィラ ンズ(メタロ、カリバック、ライブワイヤー、トイマン、ウェザーウィザード)、ロイス・レーン、レックス・ルーサー、スナッパー・カール、その他葬列に参 列してた面々、アルフレッド・ ペニーワース

・解説・
今回の事件の発端となるスーパーマンを憎むバンドオブスーパーヴィランズは 原作にも登場するスーパーマンリベンジドスクァッドが元となっている が、メンバーはアニメオリジナル(そもそもアニメオリジナルキャラが入っている)。
初登場キャラの履歴を紹介すると、リーダーっぽいメタロは1959年 「アクションコミックス#252」から登場したサイボーグヴィラン。アニメ版ではルーサーに雇われた傭兵(原作では小悪党)が重傷を負ったために改造され た姿。心臓部にスーパーマンの弱点であるクリプトナイトを内蔵しているのは原作もアニメも同様。
よりにもよって大金星(?)をあげてしまったトイマンはその狂気じみ た言動からバットマン系の敵のように見えてしまうが、1943年「アクションコミックス#64」から登場したれっきとしたスーパーマンの古参ヴィラン。あ の外観はアニメオリジナルで、設定も原作のトイマンにあたる人物(アニメではトイマンになっていない)の息子ということになっている。
電気を操るライブワイヤーはワーナー版「スーパーマン」のオリジナル キャラ。声優がハマリ役だったならはしみきから、ロイス・レーンと同じ佐藤ゆう子に代わっているのが残念。
ウェザーウィザードは1959年「ザ・フラッシュ#110」から登場 したフラッシュの宿敵。ワーナー版「スーパーマン」のフラッシュゲスト回「世界最速の男」においてスーパーマンとも戦ったため、この面子に並んでいるのだ と思われる。

今回の前半戦を盛り上げる、”宇宙一の乱暴者”ロボは1983年の 「オメガメン#3」から登場した宇宙の賞金稼ぎ。80年代のDCを代表するアンチヒーローで、わがままから自分の星を全滅させるようなとんでもないキャラ クター。「DCVSMARVEL」ではメインイベントのDC代表5人の一人に選ばれ、ウルヴァリンと戦っていた(この試合の結果は読者の人気投票で決まる ため、ウルヴァリンが圧勝した。設定上、ロボはダークサイドの息子カリバックを圧倒したことからもわかるように宇宙でも有数の実力者なのだが…)。ワー ナー版「スーパーマン」でも2度にわたってゲスト出演しており、スーパーマンとは面識あり。

そんなロボの空気読まない暴れっぷりが堪能できる前編のもう一つの見所は、スーパーマンが死んだなどとは露ほどにも思っていない視聴者でも感動してしまい そうな演出でお送りされる彼の葬儀。レギュラーメンバーや台詞ありのロイスやルーサー以外にも多くのキャラクターがカメオ出演している。ロイスと一緒に参 列しているディリープラネット社のペリー・ホワイト編集長ジミー・オルセン(クラークの不在がどう扱われているのかは不明)、スーパーマ ンの養父母であるケント夫妻、そしてその両隣に並んだスーパーガールことカーラ・エルとクラークの幼馴染であるラナ・ラング(彼らはスーパーマンの正体を知っている)、ヒーロー仲間のアクア マンやドクターフェイトなどなど。グリーンランタン隊の中に、本作では未ゲスト出演のカ イル・ライナー(ワーナー版スーパーマン」で彼と共演している)が何気なくいるのも見逃せない。

後半戦は打って変わってやはり生きていたスーパーマンのサバイバルが描かれる。太陽が地球の「黄色の太陽」ではなくクリプトンなどと同じ「赤い太陽」に なった世界に来たために力を失った、だが、その分いつもよりもワイルドなスーパーマンの姿を楽しむことが出来る。彼のヒーローとしての才覚は決して、スー パーパワーに支えられているものではないのだ。
また、そんなスーパーマンに対する、バットマンの本シリーズ屈指のツンデレ振りも必見。彼の執事アルフレッドも何気にこのエピソードでジャスティスリーグ初登場。

3度目の登板となるサヴェッジだが、今回は今までと違い、不老不死ゆえの苦悩を見せる。彼に裁きと救いが訪れるラストはなかなか感動的。
なお、ヴァンダル・サヴェッジが口にする名前「レイ・パルマー」は身 体をミクロまで縮小できるヒーロー、2代目アトム(1961年 「ショーケース#34」で初登場)のこと。吹き替えでは「重力に関する研究」をしているとなっているが(他にも、吹き替え版の「数千年後」、原語版の「3 万年後」などに差異あり)、原語版では「白色矮星の研究」をしており、サヴェッジはそれを盗み出して悪用したのだと説明される。白色矮星の欠片は原作にお けるアトムのスーパーパワー発生の起源となるものである。今回は名前のみの登場だったが、続編「〜アンリミテッド」では数度にわたって登場することにな る、らしい。





47・英雄たちのクリスマス
 "Comfort and Joy"

・ストーリー・
ジャスティスリーグのメンバーたちそれぞれが過ごす、クリスマスを描く。
行くあてのないジョン・ジョーンズだったがスーパーマンに誘われてスモールヴィルのケント夫妻の元へ迎え入れられる。

・ゲスト:ジョナサン、マーサ・ケント夫妻、ウルトラヒューマナイト

・解説・ 
唯一の一話完結エピソード。アメリカのドラマ恒例のクリスマスエピソードで、本シリーズ唯一のポール・ディニ御自らによる脚本回でもある。
スーパーマン=クラーク・ケントの育ての親であるケント夫妻をゲストに迎えたスーパーマン&ジョン・ジョーンズ、子供たちにプレゼントを上げようと張り切 るフラッシュ、良い感じ…から大乱戦へとしゃれ込むグリーンランタン&ホークガールの3つのクリスマスの過ごし方が描かれる。とても良いお話。
アメリカ史上最高にいいひとなケント一家(ただし、カーラ・エル= スーパーガールは友人のバーバラ…おそらくバットガールことバーバ ラ・ゴードンとスキーに行っており留守)、いつもと違って(?)良いお兄さんなフラッシュ、良い味出しすぎなヒューマナイト、正反対の性格のホークガール のことがやっぱり気になるランタンと、バットマン&ワンダーウーマンが登場しないのが残念だが、観ていて心暖まる逸品。ジョン・ジョーンズの好物がオレオ だということを覚えておくと楽しい。
あ、ちょっとだけど微妙に変な日本も出てくる。





48・ワイルド・カード PART 1
49・ワイルド・カード PART 2
"Wild Cards"

・ストーリー・
ラスベガスを舞台に、ジョーカーがプロデュースする一大エンターティメント。
ジャスティスリーグは、ロイヤルフラッシュギャングの攻撃をかわしつつ、ベガスに設置された爆弾を除去できるのか。

・ゲスト:ジョーカー、ハーレィクイン、ロイヤルフラッシュギャング (キング、クイーン、ジャック、テン、エース)

・解説・ 
テレビ局を手中に収めたジョーカーの一人芝居、爆弾探しに苦心するリーグのメンバーたちとジョーカーの部下であるロイヤルフラッシュギャングたちの激突と スリルとユーモアの織り交ぜられた爽快な一篇。オチも笑える。
そのジョーカーを支える相方、ハーレィクィンも念願のアニメ版ジャス ティスリーグ初登場である。声もちゃんと伊藤美紀。ワーナー版「バットマン」のアニメオリジナルキャラとして登場した彼女、凄まじい人気を会得し、とうと う原作シリーズにまで登場するようになったというアニメオリジナルキャラを代表するキャラクターなのである。

さて、今回のジョーカーの用意した手札、ロイヤルフラッシュギャングは 原作「JLA#43」(1966年)から登場したポーカーの手を模した5人組で今までに3つのバージョンが存在する。キングクィー ンジャックテンエー スの5人から成る点は同じだが、アニメ版では設定、出自ともにオリジナルに改められている。
エース以外の4人が体がゴムのようにように伸びる、サイキック、怪力、炎とマーヴェ ルのファンタスティックフォーのパロディーになっているのはわかりやすいが、もう一つ、普通に見ているだけでは気付かない、ある特徴があ る。なんと、この5人組の原語版の声優は、同時期に放映されていたアニメ版ティーン タイタンズのメンバー5人組を担当した声優たちがあてている(エース=スターファイアー、キング=ロビン、クィーン=レイヴン、ジャック= ビーストボーイ、テン=サイボーグ)のである。ティーンタイタンズはワーナー製作のDCコミックスアニメでありながら、ジャスティスリーグとは異なる世界 観を舞台にしているため、基本的に共演は不可能。お遊び的ではあるが、これもちょっとした「夢の競演」であろう。まあ、日本語吹き替えだと何の関係もない んだけど(笑)





50・決別の日 PART 1
51・決別の日 PART 2  
52・決別の日 PART 3
"Starcrossed"

・ストーリー・
謎の異星人の大軍団が地球に来訪する、その目的は地球の前線基地化。
明かされるホークガールの正体…ジャスティスリーグとザナガー星軍団との総決戦が始まる!

・ゲスト:フロ・タラク、クラッガー、ザナガー星のひとたち、ゴーダ ニアンズ、アルフレッド・ペニーワース、スナッパー・カール

・解説・ 
第2シーズンのフィナーレを飾るエピソード。
高圧的なザナガー星の設定は割とアニメオリジナル。登場するキャラク ター もザナガーと敵対するゴーダニアンズ(アニメ版ティーンタイタンズ 「タイタンズ・ビギニング」に登場するスターファイアーを連行していた宇宙人と同一種族説あり)の設定含めてオリジナル。ただ し、ザナガー星は原作においてもフェル・アンダーなる人物をカーター・ホル2世と名乗らせてスパイ活動を行わせていたことがある。
ただし、ザナガーを指揮するフロ・タラクは本来の2代目ホークマンに してホークガールの恋人であるカーター・ホルのアナグラム。ジャス ティスリーグ製作スタッフは彼をこの世界におけるホークマンそのものとして描いていたがDCコミックス側がホークマンを悪人のゲストキャラと同一の存在と されることを嫌ったためか、その後、続編であるジャスティスリーグアンリミテッドではカーター・ホルのホークマンが登場することになる。
敵がザナガー星人だけなのが少々残念だが、いつも以上にハイテンションなアクションと演出で飽きさせない。
初めて仲間に正体を明かすバットマン(だが、自分以外のメンバーの本名はすでに把握済み)や短い出番ながらも印象的なアルフレッドの心遣い、グリーンラン タンとホークガールの愛憎など、人間ドラマ的にもなかなか凝った意趣が施されている。
ラストは如何にも「続編」への期待が高まる形で幕が下りていくのだが…カートゥーンネットワークに「ジャスティスリーグアンリミテッド」放映を待望するし かない。







             モドル