うつ病は体の病気・臓器の病気



最近は本当にうつ病が広がってきたなぁとつくづく感じます。
有名な芸能人さんでうつ病やってたとカミングアウトする人たくさんいますし、私が個人的に友達や知り合いに聞いた感じでも無自覚の患者さんはそこら辺にゴロゴロいるように思います。
日本では年間自殺者が3万人を越え、10人に1人がうつ病だと言われています。この10人に1人というのは、自分が病気であることを自覚していない人も含みます。
滅茶苦茶蔓延していると言っていいと思います
うつ病は、体が痛いとか、体に不調が出にくいため見逃されやすいですが、誰もがなりうる病気であることは確かです。
何故なら、弱くない人間はどこにもいないからです。
一ヶ月1人ぽっちで監禁されていたら、どんなに精神を鍛えた人でも精神に異常をきたすそうです
それに誰だって大切な人を亡くしたり、失恋したりしたら辛いし悲しい。
弱くない人はいません。誰もが弱さを抱えて、隠しているだけなんです。
そんな中でも、真面目で、几帳面で、責任感の強い人。そういう性格の人はストレスを溜めやすいため、うつ病になることが多いそうです

日本では、頑張ることや我慢することが美学とされています。その文化自体悪いものではないと思いますが、それが行き過ぎている部分も、またあるように思います
加えて日本人は真面目であるといいます。確かに真面目な方が多いと私も思います。
真面目で、几帳面で、責任感の強い人。
そういう人がなりやすい病気が、うつ病です。


医学的にはうつ病は脳内の化学物質障害です。
脳では楽しかったり笑ったりすると脳内麻薬が出るっていいますよね?
実はその逆でストレスを感じたり辛い時って脳内では体によくないマイナスの化学物質が出ているのです。
要するに脳に脳内麻薬が出ていると人は楽しく感じ、そのマイナスの化学物質が出ていると人は悲しく感じるのだそうです
で、ストレス状態が続くと、そのマイナスの化学物質は出っぱなしになってしまうんですね。
そしてそのマイナスの化学物質は、たくさん分泌されると次第に脳の組織を破壊するようになってしまいます。
そして脳の組織がうまく働かなくなって、しまいにはちょっとしたことや、たとえ何も理由がなくても深く落ち込む状態になってしまうのです。
脳の組織がうまく働かなくなって、そのマイナスの化学物質がずっと出た状態になったり、ちょっとしたことでそのマイナスの化学物質が出やすくなってしまうのです。

しかし現代の医学でわかっているのはここまでです。
脳内の化学物質、セロトニンやノルエピネフリンがうつ病に大きく関わっていることまではわかっていますが、どういう過程で発病し、どういう過程でそういう風にマイナス感情を引き起こす物質が分泌されやすくなるのかというのは、よくわかっていないそうです。
何故なら、生きた人の脳をかっぴらいてどういう風になっているかを見ることができないからです(^-^;
わかっていることは、自殺者は高い確率で一時的、もしくは慢性的にうつ状態であったこと、そして自殺者の脳内には脳内の化学物質セロトニンがとても少なかったことがわかっています。
うつ病はその人の性格だとか、怠けてるだけとかではありません。それだけはハッキリしていることです。

私はうつ病を3年経験しました。
病気時代は落ち込みやすくて自傷ばっかりしていた私ですが、今の私の実感として自分ではないような感覚さえあります。
今の私は日々楽しく仕事に励み、友達と遊ぶのが大好きな、ごく普通の人間だと思います。
そんな私も、うつ病時代は、店先で他の人と肩がぶつかったというだけで落ち込んでいました。
私の実体験からも、うつ病は気の持ちようでも、心の病気でもない。れっきとした脳という臓器の疾患だと断言できます。

臓器の疾患なので、骨折や、他の体の病気と同じように、その人の努力や気力でどうにかなる問題ではありません
骨折は気の持ちよう治りませんし、胃のガンはやる気だけでは治りません。それと同じで、うつ病も気の持ちようでは治りません。
他の病気と同じように、うつ病を治すためにはストレスの原因(他の病気で言えば患部)に適切な対処すること、体も心も休めることが必要です。

うつ病では、精神安定剤や抗うつ剤などの薬を飲んで治療する薬物療法が主流になっています。実際私も薬物療法で治しました。
先述のように、うつ病がどういうメカニズムで発症し、症状が出ているのかが医学的にはわかっていないため、特効薬はありません。
でも、特効薬がないことを悲観する必要はないと思います。
長年特効薬が作れない病気に、風邪があります。現代の医学では、風邪のウイルスを退治する薬はなく、せきや鼻水などの症状を和らげることしかできないそうです。
その点うつ病は、抗うつ剤などが長期服用によって少しずつですが脳内の異常状態を改善する効果が認められています
精神安定剤と聞くと、長年服用すると抜け出せなくなるような感じを受けますが、専門家であるお医者さんがちゃんと考えて薬を出していますし、外来で出る薬に「抜け出せない」になるほど強い、麻薬に近いものは出ないと聞いています。
病気になったら病院に行き、薬を飲むのはうつ病であっても同じことです。

うつ病の回復のカギに、ストレスがあります。そのため他の疾病よりも「周囲の協力や理解」によって闘病期間を短くすることができます。
しかし、逆に薬を飲んだからと言って、風邪薬のようにすぐ鼻水が止まったりするような、わかりやすい効果はあまりありません
なので、薬を飲んでいるからもう落ち込まない、もう自傷しないというたぐいのものではないことを覚えておいてください
うつ病の薬は、ゆっくり効いてきます。あせらず、のんびり構えることが大事です。
うつ病は、治らない病気ではありません。
病気の脳によって、絶望感や悲観的な考えが支配されることが多いですが、治りたいという気持ちを持つこと、病院に通い薬を飲むこと、休養することで必ず治ります

(詳しくは「病気を治す早道十二ヶ条」を参照)

次のことに心当たりがある場合はもしかしたら鬱の可能性があります。HPにある心理テストをやってみてください。

・最近何をしていても面白いと感じない。空虚感がある。
・理由もないのに泣きたくなる(または泣いてしまう)
・いつもならムカつかないことに、いちいちイライラしてしまう。(他人の行動等)
・最近ノイローゼっぽい気がする。
・理由もなく落ち込むことがある。

私が思うに鬱は全精神病に共通の症状だと思われます。
私が確認した限りでは心身症のひとつである摂食障害(過食症・拒食症)の人には抑うつ症状があります



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