何故世の中には、うつ病が存在するのでしょうか。 うつ病を経験し、また克服した私ですが、メールを貰ったりうつ病さんと接すると思います。 電車で人身事故があったと聞く度、「今日もまた1人うつ病さんがいなくなってしまった」と胸を痛めて、手を合わせずにはいられなくなります。 アクセス数もうなぎ登り。知り合いや友達の友達にうつ病の人が増えてきた。 うつっぽい人なんて、そこら辺にごろごろいる。 なんでこんな病気があるんだろう。 あんな辛い思いは、私だけでもう十分なのに。 一説に、うつ病は脳や体の過労を防ぐ為にあるのだと聞いたことがあります。 これ以上頑張ったり我慢を続けていたら、過労で突然死してしまいそうな位、体にも脳にも負担がかかっているストレス状態にある。 しかし本人は、これ以上もっともっとって頑張ってしまう。 だから脳がうつ状態になることによって、半強制的に心身の休養をとらせることによって、自分の命を守るために、脳はうつ病になるのだと。 うつ状態になれば、体を動かすのがダルくて辛くなってしまうから、あんまり体を動かさなくなります。外に出るのが億劫になってしまうから、引きこもることによって強制的に体も心も休むことを選ばざるを得なくなります。 そうやって、脳は自分の命を守っているのだと。 …そうかもしれない。私は思いました。 私もうつになる前は本当に凄まじい精神状態で生きてきました。 常にマイナス思考で、いじめの影響で人を信じられなくなっていたし、自分に自信も持てなかったから、本当に辛かった。人のちょっとした言葉で自尊心を傷つけられ、落ち込んでいました。ストレスの引き金はそこらじゅうに転がっていました。 自分の存在意義を確かめたくて、司法試験を目指したりもしました。 でも、本当の私は違っていたんです。 認知療法を通じて、私は自分の歪んだ事実認知とマイナス思考を直しました。それによって現れた新しい自分の性格に、自分で驚きました。 自分は思った以上に甘えっ子だったこと。 可愛いものが好きで、自分も意外と可愛い系の性格をしていたこと。 おっとりのんびりした性格で、ぼけーっとしてるのが好きなこと。 明るくたわいもない冗談が大好きで、グチは言うのも聞くのもあまり好きな性格ではなかったこと。 歌が好きなのは変わらなかったけれど、予想以上にミーハーで気が多くて、好奇心旺盛で面白そうなことには何でも首を突っ込みたがること。 お仕事を通じて感じたのは、自分は全然キャリアウーマンタイプではなく、物覚えも悪ければ記憶力も悪く要領も悪い。しかも結構お仕事で手を抜けるところは抜きまくる、いい意味で「いい加減」な性格であったこと。 ささやかなことでも「へぇ〜!」「すごーい」と感動できる感動屋さんであったこと。 …私はうつ病になる前は、キャリアウーマンになることで自分の存在意義を確認し、結婚できなくても1人で生きていける強い人間だと思っていました。 でも、実は私は寂しがり屋さんで構ってほしがりで、キャリアウーマンでバリバリ生きていけるような強い人間ではなかったんです。 そして今の私はとても生きやすいなーって思って日々を過ごしています。ということは、ホントの私はこっちだったんだろうなって思うんです。 いじめや家庭環境の影響で、そうやって歪んでしまっていただけで。 うつになる前の自分は、自分らしく生きることができていなかったし、神経症的なマイナス思考を両親から受け継いで生きていました。だからこそ私はあの時「爆発」してしまったのだろうなって思います。 私は今「うつをやってよかった」「生きるって素晴らしい」とよく思うし、よく口にもします。 それは何故か。うつをやったからこそ、私は今、私本来の自分らしい自分を手に入れることができたからです。 そして闘病時代の3年間は、私にとっては無駄ではなかった。あの時の私には必要な休養期間だったと心から思えるのです。 実際は大学にほとんど行けなかったし、大学生らしい遊びもあんまりできなかった。大学も留年したりもした。 だけど、それ以上に私にとって価値のあるものは、今の私だと思えるんです。 今の私をつくるだめには、うつ病の体験は必須だった。 きっと、うつが私の過労を止めてくれたんだろうなって思います。うつが、私の命を救ってくれた。 うつにならなければ、私は過労で死んでいた。 …勿体無いことをするところでした。生きるってこんなに素敵なことなのに。 生きるってなんだろう。自分ってなんだろう。生きてる意味ってなんだろう。 うつ病時代ずーっと考え続けていました。 健康で普通に生きてる人だって、その答えを持っている人はほとんどいません。 みんな、忙しい生活に紛れて、そのことをできるだけ考えないようにしています。 …ホントは生きとし生けるもの全てが持ってる心の不安のひとつだけれど 自分の生きる意味。人生ってなんだろう。 イヤな思いをしたりしながらも、何故私は生きるのだろう …私は、私が幸せになるために生きたいから、生きている。 その答えを手にした私は、とてもラッキーだなと思います。 うつが教えてくれたこと。うつをしなきゃわからなかったこと。 うつは無駄な経験ではありません。色々なことを教えてくれる、とても貴重な体験でした。 うつ病になれたから、今私は生きている |