お薬その1・自由にさせてくれること



うつ病さんに対して、貴方がプレゼントできる、うつ病特効薬そのいち。
うつ病さんに自由を。
気が向くままに、好きなことができるような、休養できる環境をプレゼントして欲しいと思います。

単純なことですが、その時その時気が向くことをするのはストレス発散になります。自分がしたいことをしているから。
逆に、「〜しなきゃいけない」という、その時の気の向く方向と違うことをすることは、ストレスです。
それは健康な人でも同じです。それほど細かくストレスと感じていないだけで、根本的に人間は、したいことをするのはストレスにならないし、したくないことをするからストレスになるんです。
ストレス発散のために、よくドライブしたり、友達と騒いだり、カラオケ行ったり運動したりっていう方法があります
それも日頃したいことをするから、ストレス発散になるのでしょう。
うつ病さんは、表現するならストレス一杯抱えて込み、ストレス溢れている状態にあります。
ちょっとイヤなこと=ストレスがあっただけで、すぐ落ち込んでしまったり絶望感で一杯になってしまうのは、表面張力のようなギリギリのラインでこらえていた気持ちが、ドッと溢れてしまうからなんだと思います。
その一杯になってしまっているコップの水を、減らすにはどうしたらいいでしょう?
少しずつ、水を減らしていけばいいんです。
そのためには、ストレスを溜めない=その時その時気が向くことをするのが、一番のお薬になってきます。

しかしうつ病さんは、基本的に真面目で責任感の強い方ばかりですから、なかなか自分ひとりでは休養をすることができません。
休養することで罪悪感すら覚えてしまう人もいるでしょう

そこでうつ病さんを支えている貴方へ質問です
何故うつ病さんは、休養することや遊ぶことに罪悪感を感じてしまうのでしょうか?
少し考えてみて下さい。
ここで、すぐ答えがわかった方、貴方はうつ病について大分理解していると思っていいと思います。


うつ病さんは何故、休養することが苦手なのでしょうか。

それは、休養することによって、人に見捨てられるのが怖いからなんです。 うつ病さんは、今まで頑張って我慢ばっかりして自分を必死に抑えて、一生懸命生きてきました。
何故でしょう?
愛されたかったからです。自分を必要としてもらいたかったからです。
しかし、自分が望むような愛を得られなかった。自分の弱音や欠点をも受け入れてくれるような深い愛情を感じることができなかった。
だから、もっともっとって頑張ろうとしてしまうんです。
愛されたいから。見捨てられたくないから。
うつ病理解の重要キーワード「うつ病さんは愛に飢えています」
愛されたいから、見捨てられたくないから、もっともっと愛してもらおうとして、もっともとって頑張ってしまいます。頑張れば愛してもらえると思っているし、頑張ることを辞めてしまったら、自分は見捨てられるのではないかって恐怖を覚えてしまうのです。
私も、うつ病の時そうでした。
だから、実際はお医者さんにも認められた、脳という臓器の疾患であるうつ病に、「病気」に自分はかかっているってわかっているのに、無理をして学校行ったり仕事したり、普通に振舞ってみたりしてしまうんです
しかし、それがうつ病さんにとって相当の負担になっています。

そこで貴方の出番になります。
実際脳の化学物質バランス障害の病気であるのだし、休むことが何より今一番最優先にしなくてはならないことだとおわかりだと思います。
病気が「頑張らなくては見捨てられる」と患者さんを思い込ませてしまっています。
聞き飽きるほどに、「病気だからできなくていいんだよ。好きなことをしていていいんだよ」と言ってあげて下さい

うつ病さんにとっては、病気に理解がない人がそばにいるだけで、物凄いストレスに晒されます。
周りの人たちに、うつ病は脳の化学物質障害なんだと教えてあげて下さい。
うつ病さんは、なかなかそれが上手くできません。自分の言葉を作って、伝えるのが得意ではないことが多いです。
だから、貴方の口から、周りの人たちへ、そしてうつ病さん自身へ、「病気だから休んでいいんだ。休んでることが一番の仕事なのだ」と、伝えてあげてください
貴方と、うつ病さんの周りの人たちの、理解の言葉と姿勢、そして何よりも愛情があってこそ、うつ病さんは心から安心して休養をとることができるのだと思います
病院へ通うこと、薬を飲むことも勿論大事です。
しかし、何よりもまず、休養を取ること、休養できる環境にあることが、回復への最高の近道だと思います。

貴方の大事な人に休養を取ってもらうためにはどうしたらいいでしょう
一日でも早く、少しでも具合がよくなるためには、どうしたらいいのでしょう
うつ病さんに安心感をプレゼントして下さい。頑張らなくっても貴方が大好きなんだよと教えてあげて下さい。




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