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 「おんや? この鉢、なんが植わっとうと?」
 「え? ああこれですか? ワイルドストロベリーです。妹が貰ってきたので蒔いてみたんですよ」
 「ほお? 前にテレビで騒がれとった幸せを呼ぶ花とか言うんやつやな?」
 「ええ。咲かないと幸せがやってこないそうなんですけど、どうなんでしょうね。妹も育てているんですけど彼女はすごく真剣になってて見ててはらはらしてます」
 「あー、女の子は好きやからのお、そういう話」
 「そうらしいですね」
 「で。お前はどうなん? 信じとるん?」
 「ワタシですか? んー、どうでしょう? 気にならないと言えばウソですけど、そんなに入れ込んではいませんね。まあ、気になって毎日様子は見てますけど、幸せになれるかどうかをこれに賭ける気はありませんよ」
 「それでよか。お前を幸せにするんはこのオレやけん」
 「……そういうことは真顔で言わないように……」
 「ふふ、可愛かね」
 「ちょっ……! なんなんですか! いきなり抱きついたりしないでください! びっくりするでしょう!」
 「お前が悪か。そげん可愛かこつ言うからみんしゃい、昂ってきたけん」
 「……あなたって人は……!」
 「まあまあ。今でも十分幸せやろ? ん?」










END

 


 

有島もワイルドストロベリー育ててました。ついさっきまで。でも、もうないです。

キッチンの窓のとこで日光浴させてて、暑いからって窓開けたら落ちていきました。

きゃーっっっ…し、幸せが…! 

有島には幸せはやって来ないです…。なので柳生の手元にある鉢には花を咲かせてあげたい…。

うっ…悲しすぎる結末や…。

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