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 「ん?」
 「なんだよ」
 「いや、なんかあそこで仁王や柳生とか柳が集まってんだけどなにしてんだ、あいつら」
 「ほんとだ。なにしてんだろな……っておいっブン太!」
 「見てくる!」
 「見てくるって、俺たち次コートに入らなくちゃいけねえだろが!」
 「遅れるって言っとけ! おーい! 仁王!! なにやってんだよ!!」
 「……ブン太」
 「あれ……赤也……なんだよお前まで居たのかよ……ってなに囲まれてんのお前?」
 「ケガの具合を見ていたんですよ」
 「ケガ? 赤也がしたのか?」
 「えっと、……ちっとこけまして……」
 「とっろいなぁお前。で、どこ……ってここか。肘だけ?」
 「肘と膝……っす」
 「あーあぁ、あぁ……派手に擦り剥いて……」
 「今、救急箱を取りに行ってもらってるんですよ。少しばかり勢いがついたせいでジャリが入ってしまいましてね。それを取り除いてからでないと手当ても出来ませんから」
 「うぇっ……もしかしてそこらへんに見える黒い粒みたいなのがそうなのかよ?」
 「うわぁっ! 先輩触んないで!!」
 「……悪い。痛かった?」
 「ひどいっす……」
 「傷口に塩を塗るようなもんやのぉ」
 「るせえよ。わざとじゃねぇやい。つーかこんなもん舐めて取れよ」
 「不衛生ですよ」
 「つーか、ケダモノ的発想じゃけぇ」
 「さすがにオレも気分悪くて出来ねえっすよ……」
 「けっ」
 「だったら丸井、お前が舐めてやったらどうだ? 平気なのだろう?」
 「べつにいーけど」
 「えっ!?」
 「ほら腕貸せよ赤也」
 「先輩……マジっ……すか……?」
 「おうよ」
 「ちょっ……!!!!!」
 「……………………ん、こんなもんかな? 柳、どうよ? 取れてるっぽいか?」
 「そうだな……ああ、そこにまだ……」
 「……どれ……ああこれか。………………ん、取れたぜい」
 「……うむ」
 「ちょろいもんよ。弟たちもよく転ぶからさ。いつも舐めてやってっから……って赤也? どしたい。なに固まってんだよ」
 「………先輩のバカ……」
 「……同情いたします」










END

 


 

弟と同格扱いと言うよりもオレは弟とちがうでしょ、人の見てる前でこんなことしないでくださいよっ!

……ってきっと赤也は叫びたいことだろう。

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