テニスのページへ戻る







 ブン太手製の夕食に舌鼓を打ち、流しの後片付けをブン太に任せて赤也は一人でブン太の部屋へと戻ってきた。 
 夏休みに入ってちょうど一週間目にブン太の両親が二泊ほどの旅行に弟達を連れて出掛けて、自宅にはブン太一人が留守で残っていた。 
 いま親も居ないから遊びに来いよと誘われて来たわけなのだが、親の目がないのをいいことに二人は昼間から好きなようにイチャコラと過ごしてきた。 
 そしてある意味待望の一夜目である。 
 お互いに口にこそしないが期待に胸は弾み左胸に手を当てると心臓もドキドキ言っていた。 
 後片付けが済んだのだろうブン太が二階に戻ってきたのは十一時も回ろうとする頃であった。だが小言を言う者は今夜は居ない。 
 「あ、てめぇ赤也、そのペットは俺のだろ。なに勝手に飲んでんだよ」 
 「いいじゃないっすか。三本買ってあるっしょ。それより、ほら」 
 ベッドに仰向けになったままの体勢で赤也は腕だけを伸ばしてブン太をおいでと呼んだ。まっすぐにやってくるとブン太は赤也の上にそれはもう堂々と跨った。今夜のブン太は赤也の目から見ても躊躇うような感じは一切ないようである。 
 「キス、してくださいよ」 
 赤也が言うと彼は悪態もつかずに素直に従おうとした。 
 優しく噛むようなキスを繰り返して顔を上げると、次は? と口元が上がる。 
 「じゃ、四つん這いになってください」 
 この命令にもブン太は素直に従った。 
 「珍しいこともあるんすね。どうしたんすか? あんたがこんなに素直に言うこと聞くなんてどういう心境の変化があったんすか?」 
 軽くからかうとそれには答えず自分から進んでシャツを首から抜いてしまった。 
 「せっかく邪魔する者が居ねんだ、楽しまなきゃもったいねぇだろが」 
 「そりゃそうだ」 
 赤也もその意見に賛成して早速ジッパーを下げさせてもらった。 
 まだ全然触ってもいないのに気の早いことに下着の中のそれはもう勃ち上がり掛けている。ラインを沿うと甘い喘ぎが俯くと同時に上がり、続けて同じところを撫でればさっそくもどかしそうに腰が揺れ出し、間断なく嬌声も発せられてくる。 
 「……っあ、……あぁ……」 
 耳のうしろを舐めると腰のその揺れは一層大きくなり、ピチャリと音を立ててやると堪らないとばかりに自分から腰を擦り付けてくるような仕種も時折見せるようになった。 
 「あ、あぁっ……」 
 下着ごといっきに膝までずり下ろすと、すっかりと勃ち上がっていたものがぶるんと揺れ、反動でなのだろう、まだ触ってやってもいないのに先端から蜜を零し、自身で濡らしながら赤也の手を誘った。 
 「あ……赤也……」 
 勃起したものをきつく握ると、きゅっと締められるのだろうその感覚にブン太はイヤイヤと言うかのように……顔をシーツに擦りつけて……表情を隠すみたいにして首を振り出す。 
 「すごいっすね……そんなに触ってねえのにもぉこんな濡れてるっすよ……」 
 赤也が根元で作ってやったリングをわざと……否、意地悪をして……きつく絞ると、ブン太は身も世もなく喘ぎを零した。 
 「……赤也っ……あ、……赤っ、也っ……!」 
 赤也は薄い茂みを弄りながら彼の袋や玉も構うが、決して彼をイかせてはやらなかった。イきたいのにイけない……これほどの辛いことがほかにあるだろうか。四つん這いになっている彼が頭を下げれば自身の濡れてビクビクと揺れるそこをも目にしてしまうのだ、今ほどの情けない気持ちもこういう状況に居るからこそ生まれたものだ。
 セックスをしているときの自分たちは、餓えた者のように貪欲だ。
 愛しさだけではないもっと別の違った感情に揺さぶられて自分たちは相手のなにもかもが欲しくなる。
 「……楽しもうって言ったのはあんたっすよ……でしょ? 先輩……」 
 片手を伸ばしてブン太の前髪を掴み顔を上げさせてから、赤也は夜は長いっすよとねっとりと彼に耳元で囁いてやった。










END

 


 

夏休みってことでエロを目指していた模様。
いくらオトコのお友達でも子供は親に隠れてナニをやってんだかわかったものではない。
ご近所の目にもおトモダチと映っているのだろうに部屋でナニをする二人。

ヒトは外見と属性で判断してはいけないと言うことか。

つまり共食い…。え?

テニスのページへ戻る