■2012年12月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●GMOフリー
●アルメニアがGMOフリー宣言へ

 アルメニア政府がGMOフリーを宣言する。環境大臣が作成したバイオセーフティ法草案に、GM作物の野外栽培規制が盛り込まれた。草案では、屋内実験だけが認められている。 〔Aysor 2012/11/1〕

●GM食品表示
●南アフリカがGM食品表示制度施行へ

 南アフリカ共和国はGM食品表示制度制定を決定した。これは消費者運動による成果といえる。これにより5%以上のGM原料を含む自国および輸入の生産物と加工食品への表示が義務づけられる。しかし消費者団体は、5%まで混入を認めたことに強く反発している。同国では1999年からGMトウモロコシ、GM大豆、GM綿などが栽培されているが、主食のトウモロコシがいつの間にかGM品種になっていることを、消費者の多くは知らないという。 〔The African Centre for Biosafety 2012/10/10〕

●ケニヤで市民団体がGM食品表示求める

 ケニヤの消費者団体や農民団体などで構成する市民ネットワークは、食品表示は市民の知る権利に基づくものであるとして、政府に対してGM食品表示を求めた。表示を求める理由には、フランス・カーン大学の研究が示したGM食品の有害性の問題も含まれている。また、2009年に施行されたバイオセーフティ法にも、表示を行うことが規定されている、と同ネットワークの代表は述べている。 〔The Star 2012/10/18〕

●GM樹木
●米国で新たなGM樹木開発

 米国オレゴン州立大学の樹木遺伝学者スティーブン・シュトラウスが、新たなGM樹木を開発した。開発したのは、成長が抑制された矮小化樹木。シュトラウスは、「森の緑の革命」だと述べた。〔Oregon State University 2012/9/27〕

●GM昆虫
●GM蚊放出実験結果

 GM昆虫を開発している英オキシテック社が、2010年にケイマン諸島で行ったGM蚊の放出実験の結果を「Nature Biotechnology」誌に、初めて発表した。報告では、標的とした蚊の種を80%削減することに成功したという。しかし、そもそも蚊の数の基準データがないので、GM蚊の導入によってどれくらい減少したのかはっきりしないなど、問題点が多い、と環境保護団体などが指摘している。また同社は、放出するオスのGM蚊の数を、予定していた1ha/週あたり3150匹から、実験中に1万4000匹に増やすことにしたが、大量放出に対する周辺住民の苦情を受けて、成虫の放出数を半数に減らし、代わりにサナギを放出した。リスク評価書が公表されていないことや、地元住民へのインフォームド・コンセント(説明と同意)が得られていないことも指摘されているほか、GM蚊の子孫が生き残ってしまう可能性や、メスの蚊が誤って放出された可能性なども危惧されており、報告自体の信頼性が疑われている。〔Gene Watch 2012/9/10〕

●GM動物
●地雷対策GMマウス誕生

 地雷を見つける「スーパーヒーロー」GMマウスが誕生した。米ニューヨーク市立大学ハンター校の研究者が開発したもので、TNT火薬をかぎ分ける能力を約500倍敏感にした。皮膚の下にマイクロチップを埋め込み、メッセージを発信できるようにすることで、交戦地帯でも使
用できる、と研究者は述べている。 〔The Telegraph 2012/10/15〕

●遺伝子組み換え作物
●GM小麦の試験栽培面積拡大

 モンサント社が次に世界での売り込みを狙っているGM作物が小麦だが、今年の試験栽培面積が、昨年の360エーカーから900エーカーにまで拡大していることが明らかになった。これは商業栽培に近い面積である。 〔Capital Press 2012/10/2〕
●GMO承認情報
表1 GM作物野外栽培承認(第1種使用規定)一覧

生物多様性影響評価検討会総合検討会
作物 性質 申請(開発者) 名称 認可日*
カーネーション 青紫色及び除草剤クロロスルフロン耐性 サントリーホールディングス株式会社 25958, OECD UI:IFD-25958-3 2012年10月9日
カーネーション 青紫色及び除草剤クロロスルフロン耐性 サントリーホールディングス株式会社 26407, OECD UI:IFD-26407-2 2012年10月9日

*正式にはパブリックコメントの後に認可される。