■2013年6月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●承認間近のGM鮭、攻防は食品表示に


 米国連邦議会でアクアバウンティ・テクノロジーズ社が開発したGM鮭の表示を求める動きが活発になっている。これは4月25日に食品医薬品局(FDA)による一般意見募集が終了し、承認の可能性が強まったことによる。意見募集には、200万近い承認反対意見が寄せられたという。
 3月上旬に連邦議会両院55人の議員が、食品医薬品局にGM食品表示を求めて要望書を提出したのに続き、4月下旬には連邦議会両院に「GM食品表示法案」が提出された。法案では、GM作物や魚などを用いた食品への表示を求めている。この法案は、アラスカ州選出議員を中心に、10人の上院議員、24人の下院議員が共同で提出した。〔Food Safety News 2013/4/25〕

 上記とは別に、アラスカ州選出の民主党連邦議会上院議員マーク・ベイギッチが、GM魚表示のための予算を盛り込んだ予算の修正案を提出した。GM魚の表示を制度化するための資金確保が目的で、可決される見通し。〔Center for Food Safety 2013/4/15〕
 やはりアラスカ州選出の共和党連邦議会下院議員ドン・ヤングらは、「GM鮭逃亡予防法案」を提出した。法案は、米国の漁業者や消費者を守るためだ、と議員は述べている。〔Alaska Native News 2013/4/23〕

 これまでGM鮭に関してはアラスカ州選出の連邦議会議員が中心になって動いていたが、他州へも動きが波及し、ワシントン州シアトル市議会がGM魚承認に反対の意見を全会一致で可決した。〔KXRO Newsradio 2013/4/23〕
 トレーダー・ジョズやアルディ、ホールフーズ・マーケットなど米国大手スーパーマーケット・チェーンが次々と、GM鮭不売を宣言した。消費者のあいだで安全性を懸念する声が高まっており、そうした声に食品流通業界が反応したものといえる。〔The Guardian 2013/3/20〕