■2014年6月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●GMOフリー
●独バイエルン州がGMOフリーゾーン宣言

 国土の約20%を占めるドイツ最大の州バイエルン州がGMOフリーゾーン宣言をした。州政府環境大臣マルセル・フーバーが欧州GMOフリー・ネットワークなどとともに署名し、宣言した。フーバーは「GMOは自然環境や小規模農業と相容れないものである」と述べて、現在進行中の欧米間の自由貿易交渉に対して警告を発した。〔Sustainable Pulse 2014/4/28〕

●GM樹木
●カナダの大学がGM樹木野外試験へ

 カナダでGM樹木の野外試験栽培が行なわれる。開発したのはブリティッシュ・コロンビア大学の研究チームで、ポプラの中のリグニンが簡単に壊れ処理しやすくなるようGM技術を施したもの。リグニンはセルロースなどと結合して木質化をもたらすが、パルプ製造の際には不要となる。リグニンに変更を加えると樹木は強固さを失うが、その強さを維持したまま壊れやすくしたと研究者は述べている。〔Business in Vancouver 2014/4/25〕

●遺伝子組み換え作物
●英研究所で亜麻仁油原料GMOの野外試験

 英国イングランド南東部ハートフォードシャー州にあるローザムステッド研究所が2014年1月に環境・食糧・農業省に申請した、種子中の脂肪酸に多量のオメガ-3長鎖多価不飽和脂肪酸(LC-PUFA)を産生するように遺伝子を組み換えた、GMカメリナ・サティバ(和名ナガミノアマナズナ)の野外試験が承認された。カメリナ・サティバは小麦の輪作作物として用いられ、種子から亜麻仁油が作られる。来年から3か年の計画で実施される。〔Rothamsted Research 2014/4/25〕

●遺伝子組み換え生物
●ヒトとブタに適応するGM肺

 クレイグ・ベンターが設立し、合成生命などを開発してきたシンセティック・ゲノミクス社は、ヒトとブタに互換性を持つGM肺を開発するため、ユナイテッド・セラピューティクス社との提携を発表した。同社開発の合成ゲノムの技術を利用して、異なる種の両方で拒絶反応が起きない臓器を開発する。〔Reuters 2014/5/7〕

●省庁動向
●農業生物資源研のGM作物説明会

 5月11日、茨城県つくば市にある独立行政法人・農業生物資源研究所は、今年栽培するGM作物の説明会を開催した(先月号参照)。今年の特徴は「花粉症治療イネ」である。ゴールデンライスと並び、健康を売り物にしたGMイネで、消費者から敬遠されがちなGMイネの商品化を狙う意図があるようだ。しかしこのGMイネには、マーカー遺伝子に除草剤ピリミノバック耐性遺伝子が用いられ、ベクターのプラスミドに抗生物質ストレプトマイシン耐性遺伝子が用いられており、安全性に加えて、抗生物質耐性菌の拡大を招く可能性がある。