■2015年7月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●GM食品表示制度
●台湾で新GM食品表示制度始まる

 台湾で6月1日から新GM食品表示制度がスタートした。意図しないGMO混入率は従来は5%まで容認されていたが、新制度では3%に引き下げられる。また「遺伝子組み換え使用せず」表示は認められない。台湾では現在、GM大豆とGMトウモロコシの輸入のみが認められている。〔CAN English News 2015/5/19〕

●GM汚染
●農水省調査、対象の全港でGM種子のこぼれ落ち確認

 6月18日農水省は、昨年8月中旬から10月上旬にかけて行なった飼料用GMトウモロコシ自生調査結果を公表した。これまでは輸入飼料の管理状況、港周辺、飼料工場の周辺、港から飼料工場への輸送経路を調査していたが、2014年度は特に種子のこぼれ落ちによる自生について調査対象地域を広げた。その結果、調査対象の7港すべてで種子のこぼれ落ちを確認。こぼれ落ちは荷揚げ地点から2kmの範囲に多く見られたが、自生は見られなかった。また港から飼料工場への輸送経路では、調査した3経路すべてでこぼれ落ちが確認されたが、自生は見られなかった。結果について農水省は、「トウモロコシは人の手が入らない自然条件下において繁殖することは難しい」と述べ、条件が変動する可能性があることから、今後も調査を継続するとしている。

●GM生物
●GM鮭は病気にかかりやすい

 カナダ政府・漁業海洋局の科学者が行なった環境影響評価で、アクアバウンティ・テクノロジーズ社が開発し、現在承認申請中のGM鮭は病気を引き起こす細菌の影響を受けやすく、通常の鮭より病気にかかりやすいことが明らかになった。〔Undercurrent News 2015/6/1〕

●自殺するDNA「殺すスイッチ」開発

 ハーバード大学の研究者が新しいDNA「キル(殺す)スイッチ」を開発した。GM生物が環境中に逃げ出した際に、特定のアミノ酸がないと生きられないよう自殺させるスイッチの役割を果たす。細胞が死ぬと遺伝情報も消失するため、開発したGM生物の秘密も守られる。実験では99%の細胞が15分以内に自殺したという。〔The Verge 2015/5/19〕


●モンサント
●世界各地で反モンサント・デー取り組まれる

 5月23日、40カ国400都市を越える世界各地で反モンサント・デーの行動が取り組まれた。スイスのモンサント社前では2500人が抗議を、パリでは3000人がデモ行進を、シュトラスブールでは1000人がラウンドアップの犠牲者に黙祷をささげた。ブルキナファソでは400人のデモ隊が2003年より導入されているGM綿の栽培一時停止を求めた。〔Headline & Global News 2015/5/24〕
 ハワイでは各島で取り組まれ、マウイ島のワイキキではサーファーが毒マスクをつけて観光客にアピールした。別のグループはサツマイモやバナナ、ヤシの木を植えて、在来の作物を用いた持続可能な農業をアピールした。〔National Observer 2015/5/25〕


●モンサント本社、英国へ移転か

 米国モンサント社が、英国に本社を移すことを検討している。1901年に設立されて以来、本社をミズーリ州セントルイスに置いていた。移転の理由は節税対策だとしている。しかし、買収に失敗したものの(本誌2015年6月号参照)、スイス・シンジェンタ社の買収を念頭に置いたものだと考えられる。〔The Guardian 2015/6/8〕