■2017年7月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●ゲノム編集では意図しない突然変異が多発している


 

米国コロンビア大学研究チームのゲノム編集技術を用いた動物実験で、多くの意図しない突然変異が起きていることが明らかになった。研究を行なったのは、Stephen Tsang、Laszlo T. Bitoらで、すべての塩基配列(DNAの文字配列)を確定させた2匹のマウスに、CRISPR/Cas9を用いて遺伝子操作を行ない、オフターゲットと呼ばれる、ターゲット以外のすべての突然変異の箇所を探した。

その結果、単一の塩基での突然変異が1500か所以上、大きい規模での削除と挿入が100か所以上見つかった。従来、潜在的なオフターゲットを探すための方法は、このような全ゲノムを対象にせず、コンピュータ・アルゴリズムによって、影響を受ける可能性が高い領域を特定して行なってきた。従来の方法では予測できない変異が起こっており、その深刻さが浮かびあがる結果となった〔Nature Methods 2017/6/14〕