■2021年9月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●遺伝子組み換え作物
●ニューヨークタイムズ・マガジンがGMトマトを推奨
 ニューヨークタイムズ・マガジン誌が、抗がん作用のある「紫色のトマト」を推進する報道を行なった。このトマトは、ジョン・イネス・センターのキャシー・マーティンらが開発したもので、「Nature Biotechnology」(2008年10月26日号)に発表された。しかしその後、安全性に問題があるとして消えたはずだった。同誌は、このトマトを復活させるとともに、GMO規制緩和の先頭に立たせようとしている、と市民団体は批判している。〔New York Times Magazine 2021/7/20〕

●グリホサート
●グリホサート暴露により妊娠期間が短縮
 グリホサートが妊娠期間を短縮させるという、新たな調査研究を、ニューヨーク市にあるマウント・サイナイ医科大学環境医学・公衆衛生学部のコリーナ・レッサー(Corina Lesseur)らが発表した。カリフォルニア、ワシントン、ミネソタ、ニューヨークの各州に生活する、多様な人種の163人の妊婦から尿を採取し、グリホサートによる暴露と、妊娠期間の短縮を確認した。この結果は、「Environmental Research」誌の来年1月号にて発表される。〔Environmental Health News 2021/8/6〕

●国際連合
●国連の食料システム・サミットへの批判強まる
 9月14日から始まる国連総会に合わせて開催される「食料システム・サミット」に対して、市民からの批判が強まっている。毎年行われる食料サミットにはNGOも参加してきたが、今年はビル&メリンダ・ゲイツ財団や多国籍企業が前面に出て、新たな技術を用いた食料生産を打ち出したことから、農民団体や環境保護団体はボイコットを決めた。途上国で農業問題に取り組む市民団体ETCは、国連食料システム・サミットは、新たな技術開発が気候変動や人口増加への解決をもたらすとしているが、むしろ矛盾を拡大するだけである、と批判している。そして、これは新たな技術開発で利益を得る人々によって仕組まれたものである、と指摘した。〔ETC Group 2021/7/23〕