■2022年12月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●北米事情
●米国USDAがGMトマトを承認

 米国農務省(USDA)が「GM紫色トマト」を承認した。FDAの承認が必要だが、市場化が近づいたといえる。開発したのはノーフォークプラント・サイエンス社。このトマトは、アントシアニンを増やし、紫色を帯びている。これまでのトマトでは、アントシアニンは皮の部分に集中していたが、このトマトは全体に増えているため、非常に高いレベルのアントシアニンを含む。そのためアントシアニンの過剰摂取の危険性が指摘されている。腎臓、肝臓、甲状腺ホルモンに悪影響が起きる可能性があり、また鉄分の吸収を妨げる害もある。〔GM Watch 2022/11/9〕
●欧州事情
●欧州委員会とバイオ業界協力のもとゲノム編集推進へ

 2021年12月から22年7月にかけて、欧州委員会はGMO規制の緩和に向けてバイオテクノロジー業界と話し合いを重ねてきた。欧州委員会の方針と業界の利益は一致しているが、EUは2019年12月11日に「欧州グリーンディール」を発表し、その柱の「Farm to Fork(農場から食卓まで)」で、有機農業の推進を打ち出している。GMO規制緩和と有機農業推進の矛盾とどう向き合うかが課題になっている。そのことについて米コルテバ社は、「ニューGMOは有機農業にも利益をもたらす」と述べた。〔InfOGM 2022/11/14〕
●アジア事情
●インド最高裁、GMカラシナ栽培承認再検討を求める

 インド最高裁がGMカラシナ栽培に待ったをかけた。11月3日インド最高裁は、10月18日の遺伝子工学承認委員会(GEAC)による、GMカラシナの野外栽培承認に対して、再検討を求めた。この裁判は、環境保護運動家のアルナ・ロドリゲスが訴えたもの。インド最高裁は、国はGM作物栽培を調査するための専門委員会を設置しているが、除草剤耐性作物に対して、人間の健康、動物の健康、生物多様性への影響などについて長期試験が行われていない、と指摘、予防原則に立ち、禁止するとかねてより勧告していた。〔Aruna Rodrigues 2022/11/3〕