■2023年3月号

今月の潮流
News
News2


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る

























バイオジャーナル

GM鮭のカナダでの養殖中止

 

GM作物の生産頭打ちなど、遺伝子組み換え食品の後退が起き始めているが、さらにそれに追い打ちをかけるような発表があった。2月7日、GM鮭を開発し、養殖・販売してきたアクアバウンティ・テクノロジーズ社が、カナダのプリンスエドワード島でのGM鮭の養殖を中止すると発表した。同社は、ここで養殖したGM鮭をカナダと米国で販売してきた。
しかし、販売不振で採算がとれず打ち切ったのである。すでに最初に養殖を始めたパナマの養殖場は閉鎖しており、後に建設した米国の養殖場での生産は継続するとしているものの、主力を担ってきたカナダでの養殖中止は、GM鮭が消費者から受け入れられていないことを如実に示すこととなった。
同社は今後、プリンスエドワード島での養殖は非GM鮭に切り替えるという。CBAN(Canadian Biotechnology Action Network)などのカナダの環境保護団体は、この決定を歓迎したが、この養殖場にはカナダ連邦政府や州政府から建設資金が提供されていたため、改めてこのような施設への公的資金の提供を批判した。〔CBAN 2023/2/7〕