■2023年3月号

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バイオジャーナル

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●グリホサート
●グリホサートがクサカゲロウの発達を阻害

 ごく微量のグリホサートがクサカゲロウの発達を阻害し、死亡率を高めることがスイス連邦工科大学教授のN.Defargeらにより明らかになった。実験に用いたのは主成分がグリホサートの除草剤ラウンドアップで、経口摂取させ幼虫期から幼若期の影響を見た。その結果、ごく微量でも発達が止まり、繭の形成を阻み、高い死亡率をもたらした。〔Science of the Total Environment 2023年865巻〕
●デザイナーベビー
●デザイナーベビーと優生学に反対するシンポジウム開催

 現在、加速進行しているデザイナーベビーづくりと優生学の台頭に対して、それを止めるための国際シンポジウムが開催される。デザイナーベビーとは、病気に耐性をもたらせたり、親が望む容姿などにするため、受精卵を遺伝子操作するもの。英国では現在、人間への遺伝子操作技術などの適用に関して規制緩和の動きがあり、関連する会議がロンドンのフランシス・クリック研究所で開催されるため、それに対抗して英国、米国、ドイツ、オーストラリアの市民団体により、オンラインでシンポジウムが5月4日に開催される。〔StopDesignerBabies 2023/2/14〕
●企業動向
●NTTが相次いでゲノム編集開発企業と提携

 ゲノム編集コオロギを開発している徳島のグリラス社は1月19日、NTT東日本と共同でAI技術を用いてコオロギ飼育の実証実験を行うと発表した。NTTが持つハイテク技術をコオロギ生産に生かすのが目的である。〔日経バイオテク 2023/1/20〕 またゲノム編集魚を養殖・販売しているリージョナルフィッシュ社は2月9日、NTTと魚介類の生産・販売で合弁会社を立ち上げると発表した。リージョナルフィッシュ社はゲノム編集による魚介類の開発や養殖を、NTTは藻類の開発や、養殖等でのAI活用で実績を上げており、その両社の取り組みを協力して進めるとしている。〔事業構想 2023/2/10〕

●インポッシブルフーズ社のEUでの特許取り消しに

 インポッシブルフーズ社のハンバーガー製品「インポッシブル・バーガー」のポイント技術である、血液に似たレグヘモグロビンの成分の欧州での特許が取り消された。同社の特許取り消しを求めていたモティフ・フードワークス(Motif FoodWorks)社の言い分を、欧州特許庁が認めたためである。これによりインポッシブルフーズ社の欧州進出戦略は難しくなり、その影響で同社の株価は暴落した。〔Bloomberg 2023/1/19〕