■2024年5月号

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バイオジャーナル

ニュース


●ゲノム編集
●ゲノム編集ティラピアの開発進む

 ゲノム編集魚の開発を進めているセンター・フォー・アクアカルチャー・テクノロジーズ(CAT)社は、ティラピアの開発がもっとも進んでいることを明らかにした。同社はすでに25種類以上の魚の開発を進め、中でも、その強い性格、繁殖力、世代交代の早さから、ティラピアの研究がもっとも進んでいると述べた。いまゲノム編集の開発は、操作の検討の対象が不妊、性別決定、収量、成長、色素沈着、耐病性にかかわる遺伝子になっている。同社が取り組んでいるのは、養殖における経済性と商業規模で養殖を行うためのツールの開発だという。〔The Fish Site 2024/4/15〕

●米ペアワイズ社がゲノム編集カラシナの販売を中止

 米国でゲノム編集作物を開発しているペアワイズ社は、ゲノム編集で辛味と香りを抑えたサラダ用野菜としてカラシナを販売してきたが、その販売を中止して新製品の開発に力を入れることになった。同社は今後、種なしベリーやチェリー、気候変動に対応した低身長トウモロコシ、バナナ、コーヒーなどの市場化を目指すという。〔Foovo 2024/3/4〕

●中国で人間のゲノム編集再開

 ゲノム編集で遺伝子を操作した赤ちゃんを誕生させた中国の賀建奎・元南方科技大副教授が、受精卵を用いたヒトゲノム編集を再開した。同氏は2018年にゲノム編集赤ちゃんを誕生させたことで(バイオジャーナル2019年1月号参照)、中国の法廷で罰金に加えて実刑判決を受けて服役したが(バイオジャーナル2020年2月号参照)、2022年に釈放されていた。同氏はすでに北京や武漢など3か所に研究室を設け、難病治療を目指しヒトへのゲノム編集の研究を再開していることを明らかにした。〔毎日新聞 2024/4/1〕
●フードテック
●英国食品基準庁が培養肉の承認急ぐ

 英国政府・食品基準庁(FSA)が、培養肉の規制を緩和し、迅速な承認を目指していることが明らかになった。同庁は、独自機関を立ち上げたスコットランド以外の英国の食の安全性に関する規制当局である。この培養肉の規制緩和は、GM食品の規制緩和にもつながると見られ、市民団体などから強い批判が出ている。〔GMWatch 2024/4/3〕

●ウズラの培養肉シンガポールが販売認める

 オーストラリアのVow社が開発・製造したウズラの培養肉がシンガポールで販売される。4月4日、シンガポール食品庁が販売を認可した。Vow社は、シンガポールや米国などで培養肉の販売が認められた4番目の企業になり、販売が認められたウズラの培養肉は、鶏肉、牛肉に続いて3種類目となった。〔日経バイオテク・オンライン版 2024/4/8〕

●大阪・関西万博で培養肉の販売中止、展示のみに

 大阪・関西万博で培養肉の販売を目指していたが、展示だけに留まることになった。販売を目指していたのは、大阪大学を軸に島津製作所、伊藤ハム米久ホールディングスなど4社で構成される培養肉未来創造コンソーシアムで、万博までに法律が整備される可能性がないため断念し、大阪未来創造コンソーシアムでの展示を予定している。〔日本農業新聞 2024/4/16〕