■2004年4月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●遺伝子組み換え作物
大豆輸出量でブラジルがトップに

 大豆とトウモロコシの最新の貿易データによると、大豆輸出量で、ブラジルが米国を抜いて世界一になった。これは非遺伝子組み換え大
豆が、欧州市場に受け入れられたからである。しかしそのブラジルがGM大豆を容認したため、今年は輸出が減少すると思われる。輸入に関
しては、中国がEUを抜いて世界一になった。中国は大豆の原産地であり、長い間輸出国であったが、飼料用大豆の消費量が大幅に増えて、
ついに輸入国に転じた。
 トウモロコシに関しては、最大の輸出国が米国で、最大の輸入国が日本であるという構図に変化はない。

表2 2003/4年大豆の輸出入 (万トン)
03/04年輸出量 03/04年輸入量
ブラジル 2,660 中国 2,300
米国 2,440 EU 1,830
アルゼンチン 1,150 日本 515
その他 492 その他 2,106
総計 6,751 総計 6,751
主要3カ国のシェア92.7% 主要3カ国のシェア68.8%


表3 2003/04年トウモロコシの輸出入 (万トン)
03/04年輸出量 03/04年輸入量
米国 5,017 日本 1,650
アルゼンチン 950 韓国 950
中国 800 メキシコ 650
ブラジル 450 EU 400
その他 392 その他 3,959
総計 7,609 総計 7,609
主要4カ国のシェア94.8% 主要4カ国のシェア48.0%



欧州委員会がBt11を認可

 1月28日、EUの行政組織・欧州委員会は、スイス・シンジェンタ社が申請していた殺虫性トウモロコシ「Bt11」を承認した。Bt11はスイー
トコーンで、日本ではすでに認可されている。手順としては次に最高決定機関である欧州農相理事会で検討され、承認されれば食品として
の流通が可能になる。しかし、EUで今年4月から施行される厳しい表示制度の下では、流通は事実上不可能であり、今回の申請も、輸入作物
の中に混入した場合に「安全性は確認されている」とする態勢を整えたいのが狙いと思われる。

花粉症対策イネ、本格的な動物実験へ

 農業生物資源研究所の高岩文雄らの研究チームは、花粉症対策イネの動物実験を本格的に行うことになった。このイネは、スギ花粉症の
アレルゲンを米粒の中につくらせて、徐々にならしていく減感作療法を目的にしている。すでに東京慈恵会医大、東大医科学研究所と共同
でマウスを用いた予備実験が行われ、成果があったとして実用化に向けて動き出した。2大学に加えて、日本製紙、JAが参加して、農水省の
「アグリバイオ実用化・産業化研究」の一環として取り組む。
〔日経バイオテク2004/2/16〕

GMトウモロコシが人体に影響か?

 フィリピン・ミンダナオ島の、モンサント社の遺伝子組み換え(Bt)トウモロコシを栽培する農場の近くに住む農家の間で、花粉飛来シ
ーズンに発熱や呼吸器疾患、皮膚障害などの患者が発生した。当初は感染症が疑われたが、患者が村から出て行くと健康を回復することか
ら、このミンダナオ島農家で発生している病気について、遺伝子組み換えトウモロコシによって住民の免疫システムに異常が引き起こされ
ているのが原因だとする見解が、2月23日発表された。この調査は、ノルウェー遺伝子・環境研究所のウイルス学者Terje Traavicにより実
施されたもので、患者39人で、3種類の抗体に異常が見られた。遺伝子組み換えに用いるウイルス・プロモーターが患者の細胞から検出され
、それが原因ではないかとしている。まだ正式に論文としてまとめられているわけではなく、調査は継続中である。
〔ガーディアン 2004/2/27〕

カリフォルニア州で大規模なGMイネ栽培

 GMイネの大規模な栽培がカリフォルニア州で計画されている。このイネは、母乳の中に含まれ病原菌などから乳児を守るタンパク質、ヒ
トラクトフェリンとリゾチームを生産するもので、サクラメント・バレーにあるベントリア・バイオサイエンス社によって開発され、感染
症や下痢などの予防に用いる薬剤生産を目的としている。
 地元の農家は、GMイネから風や虫によって花粉が運ばれ、遺伝子汚染が広がり、カリフォルニア産米が売れなくなることを恐れている。
 同社は、1997年から実験を行ってきており、昨年11月にはFDA(食品医薬品局)に申請し、いま認可待ちの状態である。商業生産にはカリ
フォルニア米委員会の認可も必要だが、同委員会では議論の後、2月1日、チム・ジョンソン委員長が「委員会に止める権限はない」と述べ
たことから、FDAの認可が下り次第栽培が始まることが確実になった。〔インディペンデント・ニュース 2004/2/1ほか〕

アフリカでGMサツマイモ開発が失敗

 ケニア農業研究所が、世界銀行や米国政府などから600万ドルの援助を受けて、モンサント社と共同で進めてきた、GMサツマイモの開発が
失敗した。ウイルスに抵抗性をもつ品種で、3年間野外で実験が行われたが、結果的に従来の品種に比べて抵抗性が増すことはなく、収量も
減少した。英国サセックス大学のAaron deGrassiは、アフリカの研究者の実験方法に問題がある、と述べている。モンサント社は、新しい
計画を進める予定である。 〔New Scientist 2004/2/7〕